バグダッドの盗賊(1940)
劇場公開日:1951年12月22日
解説
「絶壁の彼方に」のアレクサンダー・コルダが指揮した一九四〇年度色彩映画で、弟のゾルタン・コルダ(「ジャングル・ブック」の監督)と美術監督として有名なウィリアム・キャメロン・メンジースが協同製作する。「熱砂の秘密」のラヨス・ビロがストーリーを書き、脚本家兼俳優のマイルス・メールスンが脚本・台詞を執筆、ウィーン派のルドウィッヒ・ベルガー(「ワルツ合戦」)と「黒水仙」のマイケル・パウエルが協同監督した。撮影はジョルジュ・ペリナール、音楽は「白い恐怖」のミクロス・ローザが担当する。出演者は「ジャングル・ブック」のサブウ、ヴェテラン、コンラート・ファイト、「四枚の羽根」のジューン・デュプレエ、舞台出身のジョン・ジャスティン、「緑の牧場」のレックス・イングラムら。なお本映画は一九四〇年のアカデミイ賞で、色彩撮影、美術、特殊技術、音響効果の四部門賞を得た。
1940年製作/106分/イギリス
原題または英題:The Thief of Bagdad
配給:東和=東宝
劇場公開日:1951年12月22日
ストーリー
バグダッドの王アーマッド(J・ジャスティン)は宰相ジャファル(C・ファイト)の奸計で獄に投ぜられ、獄中で《バグダッドの盗賊》と仇名される少年アブウ(サブウ)の助けを得て脱獄し、バスラへ逃れた。そこの王様の唯一人の姫(J・デュプレエ)は世にも稀な美人。アーマッドは忽ち恋に落ち、姫も彼を愛した。がジャファルが来て姫を貰うという。姫は逃げ、ジャファルの魔法でアーマッドは盲目に、アブウは犬になり、ジャファルが姫を抱く日まで魔法は解けないことになった。捕えられた姫は深い眠りに落ち、呼び醒ますために、乞食になったアーマッドと犬がつれてこられた。我に返った姫は船で連れ出され、愛する者の魔法を解くためジャファルに身を委ねた。元の体になったアーマッドとアブウは小船で姫を追うが、嵐に遭い、アブウは一人或る海岸に漂着、そこで大男のジニーに会い、機智をもって服従させ、千里眼のルビーを得べく大男の背に乗ってある寺に行った。様々の危難に遭いながら首尾よくルビーを盗み出したアブウは、アーマッドの居所を知り一緒になることが出来た。ルビーで姫の様子をみると、姫は志却の青バラで過去を忘れかけていた。たまりかねたアーマッドは独り大男にのってジャファルの宮殿にかけつけたが、忽ち捕えられて死刑を待つばかりとなった。千里眼で一部始終を知ったアブウは口惜しさの余りルビーを岩に投げつけた。するとあたりはお伽の国に一変、アブウは魔法の弓矢を貰い、空飛ぶ絨毯に乗ってアーマッドを救い、ジャファルを殺した。かくてアーマッドと姫は喜びのうちに王位につき、アブウは新しい冒険を求め、飛去って行った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ルドウィッヒ・ベルガー
- マイケル・パウエル
- 脚本
- マイルス・メールスン
- 原作
- ラホス・ビロ
- 台詞
- マイルス・メールスン
- 製作
- アレクサンダー・コルダ
- 撮影
- ジョルジュ・ペリナール
- プロダクション・デザイン
- ビンセント・コルダ
- 音楽
- ミクロス・ローザ
- 編集
- チャールズ・クライトン
- アソシエイト・プロデューサー
- ゾルタン・コルダ
- ウィリアム・キャメロン・メンジース
- 視覚効果
- ローレンス・バトラー