蝿の王
劇場公開日:1991年6月15日
解説
無人島に漂着した24人の少年たちの冒険物語の形をとりながら人間の本質をむき出しにしてみせる。原作は、ノーベル賞作家ウィリアム・ゴールディングが54年に発表した同名小説。監督は「キッチン・トト」のハリー・フック。音楽は「ミュージック・ボックス」のフィリップ・サルド。出演の少年たちは数千人のオーディションから選はれたバルサザール・ゲティほか。
1989年製作/90分/イギリス
原題または英題:Lord of The Flies
配給:シネセゾン
劇場公開日:1991年6月15日
ストーリー
米国陸軍幼年学校の生徒たちを乗せた飛行機が海に墜落した。大怪我した機長と24人の少年たちが救命ボートで無人島に漂着する。救助される見込みは薄い。ただ一人の大人、機長は意識不明の昏睡状態だ。年長の少年ラルフ(バルサザール・ゲティ)らは海で見つけたほら貝を鳴らし、集会を開く合図にした。初めての集会。ほら貝を持った者が発言できること、助けを呼ぶため狼煙をあげ続けることなど、いくつかの約束ごとが決められた。彼らは“大佐”の肩書きを持つラルフを隊長に選び、海浜にヤシの葉でキャンプを作った。「ここは最高の島だ。親も先生もいない。学校も女の子もだ」ジャック(クリス・フュール)の言う通り、島の生活は楽園だった。だがラルフは集会で決めたルールを守らなくなる少年たちにいらだちを覚える。待ちに待ったヘリコプターの機影が見えたが狼煙は消えていた。火を絶やしたことに激怒するラルフを残しジャックは仲間で狩猟隊をつくり分裂していく。海辺のキャンプは人数が減ってゆく。ある晩、敵であるラルフ達を招待し、狩猟隊は豚を焼いて宴を開いた。「僕の仲間になれば肉が食えるぞ」と言うジャック。「救出されるより肉がいいのか」と突っぱねるラルフ。突然ジャックは仲間を煽動し、ハンターの儀式を始める。少年の一人を豚に見立て火の回りを追い回すのだ。少年たちの興奮が頂点に達した時、暗闇から何かが走り出た。ハンターたちが襲いかかる。ぼう然と見守るラルフが見たものは、仲間サイモンの死体だった。今やラルフの仲間はピギー(ダニュエル・ピポリー)だけになった。二人は最後の望みをかけ、集会を開こうと呼びかけたが反対に罵声を浴びせられ、ピギーの頭上に岩が落とされた。狩猟隊はラルフの息の根も止めようとしていた。ラルフは一人島中を逃げ回り、槍が彼の背中に突き刺さろうとした瞬間、ラルフは海岸に倒れこんだ。「何やってるんだ」そこには演習にやって来た軍人の姿があった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハリー・フック
- 脚本
- サラ・シフ
- 原作
- ウィリアム・ゴールディング
- 製作総指揮
- ルイス・アレン
- ピーター・ニューマン
- 製作
- ロス・ミロイ
- 撮影
- マーティン・フューラー
- 美術
- ジェイミー・レナード
- 音楽
- フィリップ・サルド
- 字幕
- 金丸美南