灰色グマの一生

劇場公開日:

解説

アメリカのロッキー山脈の大自然に生きる巨大な灰色グマとインディアン青年の不思議な運命の絆をめぐる冒険ドラマ。製作はウィンストン・ヒブラー、監督はロン・ケリー、動物記作家の巨匠アーネスト・トンプソン・シートンの「灰色グマの一生」をジャック・スピアーズが脚色、撮影をレジナルド・モリス、音楽はバディ・ベイカー、編集はブレグ・マックローリンがそれぞれ担当。出演はジョン・イエスノー、クリス・ウィギンス、ヒュー・ウェブスターなどと、7歳の灰色グマ“ビック・テッド号”。

1970年製作/アメリカ
原題または英題:King of the Grizzlies
配給:ブエナ ビスタ
劇場公開日:1971年3月20日

ストーリー

19世紀末、米西部のインディアン青年モキ(ジョン・イエスノー)には左手の甲に4本指のいれずみがある。これは一族のお守りだった。今は陸軍時代の上官、大佐(クリス・ウィギンス)の牧場で働いていた。ある日、子グマ2頭を連れた雌灰色グマが牧場を襲い、怒った大佐に射殺される。子ぐまのうち1頭は断崖に逃げのび、足を踏みはずして急流に落ちるが、森に逃げ込んだ。後を追ったモキは岸に残した足跡を見て呟く。“モー・サム・シー・ワーブ”--4本指の灰色グマという意味だ。ワーブは森の木のてっぺんにしがみついていたが、モキは投げ縄で引きづり降ろし、牧場からずっと離れた山に連れていった。“さあ、遠くに行け、平和に暮らすんだぞ兄弟!”と言いながら放してやった。荒野にひとりぼっちとなったワーブは、厳しい大自然の掟によって鍛えられ、逞しい3歳グマへ成長し、母グマの霊に導かれるように牧場に戻ってきた。何事にも大げさな牧童ショーティ(ヒュー・ウェブスター)がワーブを見、例の調子で大佐に報告したため、大佐はすぐ捕獲する手配をする。しかし、幼くして母を失い、人間のやり方を熟知しているワーブは、罠にはかからなかった。そのうちワーブは1頭の雌グマと仲良くなり、南の山に移って、何年か姿を見せなかった。だが、ある日、モキは山の中で突然灰色の大グマと対峙する。銃をとる暇はなかった。心を静めて“さあ、遠くに行け、平和に暮らすんだ兄弟!”と叫んだ。すると灰色グマは分かったように森に消えた。足跡は4本指のワーブに違いなかった。モキはワーブとの間の不思議な運命の絆を感じるのだった。放牧していた牛を集めるシーズンになった。突然、谷に姿を現した巨大なワーブに、本能的恐怖を感じた牛や馬が大暴走を始めた。もはや人まかせにできなくなった大佐は、馬でワーブを追った。もちろん、モキも大佐の跡を追った。その頃、ワーブは大きな灰色グマに遭遇していた。大ロッキー山脈の領地に君臨することをかけて、血みどろの激闘が始まった。そしてワーブは敵を追い払った。そのとき、ワーブは鋼鉄と人間の匂いをかぎつける。ワーブは後戻りして大佐の背後にしのび寄った。大佐の馬の足跡にクマの足跡が重なっているのを見たモキは、大佐の危険を知り、銃声を放つと、怯えた馬が棒立ちとなり、大佐は谷に振り落とされた。銃を手放した大佐は、迫ってくるワーブに絶体絶命となった。モキは大佐を庇って叫んだ。“遠くに行け、平和に暮らすんだ兄弟!”。ワーブは遠ざかっていく。気を取り直した大佐が銃を構えるが、ワーブは立ち上がって、そばの木を鋭い爪で引っ掻いた。「あれはこの土地は自分のものだという印です。もう二度と牧場にはこないでしょう」というモキを大佐は信じた。ワーブには、彼が君臨する大王国が果てしない広がりを見せて待っていた。

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