ネオン・バイブル

劇場公開日:

解説

アメリカ南部、宗教と因習に縛られたバイブル・ベルトと呼ばれる町の人間模様を、少年の目を通して描いた一編。監督は「遠い声、静かな暮らし」のテレンス・デイヴィス。脚本はピューリッツァー賞受賞作家ジョン・ケネディ・トールが16歳で書き、死後発見された同名小説を原作にデイヴィスが執筆。製作は「クライング・ゲーム」のエリザベス・カールセンと、「遠い声、静かな暮らし」はじめデイヴィスとコンビを組むオリヴィア・スチュワート、製作総指揮はヴァージン・レコードの共同創設者ニック・パウエルと、「マイケル・コリンズ」などニール・ジョーダン作品で知られるスティーヴン・ウーリー、撮影は「いつか晴れた日に」のマイケル・コルター。美術のクリストファー・ホッブス、編集のチャールズ・リーズ、衣裳のモニカ・ハウは、「遠い声、静かな暮らし」に続いての参加。音楽監督はロバート・ロックハートで、グレン・ミラーの『チャタヌガ・チューチュー』など、30~40年代の名曲が全編に流れる。出演は主人公の少年に、15歳はジェイコブ・ティアニー、10歳はドレイク・ビルが起用され、「ミルドレッド」のジーナ・ローランズ、「マイ・フレンド・フォーエバー」のダイアナ・スカーウィド、「サンドラ・ブロックの恋する泥棒」のデニス・レアリーらが顔をそろえる。

1995年製作/92分/イギリス
原題:The Neon Bible
配給:フランス映画社
劇場公開日:1997年7月5日

ストーリー

ジョージア州。バイブルベルト。夜汽車でひとり、15歳の少年デイヴィッド(ジェイコブ・ティアニー)は思いだす……。10歳のデイヴィッド(ドレイク・ビル)の家に、母セイラ(ダイアナ・スカーウィド)の姉メイ叔母さん(ジーナ・ローランズ)がやって来た。彼女はどさ回りの歌手だが、もう仕事もなく、母が引き取ったのだ。派手な性格の彼女は保守的な町にそぐわず、デイヴィッドの父フランク(デニス・レアリー)はつらくあたる。だが、おとなしくていじめられてばかりのデイヴィッドは、快活なメイが好きだった。フランクも、保守的な牧師ワトキンス(ピーター・マクロビー)やKKKの活動に批判的なので町では孤立している。頑固で意地っぱりの彼は、給料で穀物の種を買ってきて、今日から丘を耕して生活するなどと言い出し、セイラを困惑させる。娯楽の少ない町では、巡回説教師のボビー・リー・テイラー(レオ・バーミスター)の説教もショーと同じ。テイラーもそれを心得た俗物で、「歌や踊りにうつつを抜かすのは罪だ」などと過激な説教で観衆をうっとりさせるが、歌手の夢を捨てないメイだけは冷めた目で見ていた。41年12月。アメリカは第二次大戦に参戦。町は軍需景気で沸き返り、メイは工場で歌って人気者になり、バンドのベース奏者クライドとも親しくなる。そんな矢先。イタリア戦線に派遣されたフランクは棺で帰還。夫の死にセイラは精神に異常を来たし始めた。メイは妹の世話をし、中学校を卒業したデイヴィッドはドラッグストアに就職した。彼は店に来たジョーリン(ダナ・アトウッド)に恋をする。メイはクライドと一緒にナッシュビルへ行くと言い出す。レコードを吹き込み、ラジオで歌う仕事があるというのだ。代わりにデイヴィッドが店をやめて母の面倒を見なければならない。だが、旅立つメイを見送ったデイヴィッドが家に帰ると、母は床に落ちて瀕死の状態、まもなく息を引き取る。途方に暮れたデイヴィッドは裏庭に母を埋葬する。家に戻るとワトキンス牧師が母を精神病院に入れるために迎えに来たといって強引に入ってくる。デイヴィッドは父の形見の猟銃で牧師を射殺、逃げ出した。そして今。デイヴィッドは夜汽車にひとり。行き先はメイのいるナッシュビルだろうか……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第48回 カンヌ国際映画祭(1995年)

出品

コンペティション部門
出品作品 テレンス・デイビス
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