嘆きの天使(1959)
解説
ドイツの小説ハインリッヒ・マンの小説『ムーラット教授』の映画化。ナイジェル・バルチンが脚色、「ワーロック(1959)」のエドワード・ドミトリクが監督、「無頼の群」のレオン・シャムロイが撮影を、「若き獅子たち」のヒューゴー・フリードホーファーが音楽を担当している。出演は「六番目の幸福」のクルト・ユルゲンス、「若き獅子たち」のマイ・ブリット、「眼下の敵」のセオドア・バイケル、ジョン・バナー、ファブリツィオ・ミオニ、ルドウィヒ・ストッセルら。製作ジャック・カミングス。
1959年製作/アメリカ
原題または英題:The Blue Angel
ストーリー
イマニュエル・ラット(クルト・ユルゲンス)は西ドイツのある町の高校に在職する謹厳実直な中年の植物学教授だった。町には“嘆きの天使”という寄席があった。この寄席にローラ・ローラ(マイ・ブリット)というセクシーな歌姫が現われ、高校生の評判になった。ある日、ラット教授は教室内でローラ・ローラのブロマイドをみて彼女の魅力に惹かれ密かに1人で寄席にいってみた。そこに3人の高校生が居合せた。教授は逃げる彼らを追って楽屋に行き、そこでローラ・ローラにあった。帰りぎわにラット教授の肩にローラ・ローラのパンティが落ちた。彼はあわててそれをかくした。一座の座頭で奇術師キーパートは、高名な教授をみつけ驚いた。ラットもほうほうの体で劇場を出て、出る汗を思わず例のパンティで拭いた。その翌晩、ラットは楽屋にローラ・ローラを訪ね、拾ったものを彼女に返した。そこに例の3人の高校生が来て、教授とローラ・ローラの睦じげに語る様子をのぞきみた。その晩、教授は酔いつぶれて彼女の寝室に泊まった。翌朝、ラットは初めて学校を遅刻した。学校中は教授とローラ・ローラのことで大騒ぎしていた。前夜の教授の行動は全部校長の耳に入っていた。責任をとったラットは学校を辞職し、ローラ・ローラと結婚した。彼は彼女に舞台をやめさせた。が、自分の職業はみつからなかった。やむなくローラ・ローラは再び舞台に立った。うらぶれた元教授ラットは一座の道化役者にまで身を落とした。その上ローラ・ローラを彼女の昔の情夫に寝取られた。われにかえったラットは、ローラ・ローラとの関係を清算して、元の校長の世話で再び高校の教授にもどることになった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドワード・ドミトリク
- 脚色
- ナイジェル・バルチン
- 原作
- ハインリヒ・マン
- 製作
- ジャック・カミングス
- 撮影
- レオン・シャムロイ
- 音楽
- ヒューゴ・フリードホーファー