眺めのいい部屋のレビュー・感想・評価
全14件を表示
憧れなのかな
優雅です。
出てくる人たち。
そりゃそうだ、働いてないもの。
良家の子女が主人公。
貴族ですよね?
勝手なイメージですけど
西洋の人が貴族の映画を観るときって
郷愁ともわびさびともいえない感覚、
そう、日本人が絶滅してしまった
トキ(ニッポニアニッポン)を思うような感覚に近いんじゃないかなあ。
どうでしょう?
ストーリーや演出は淡々と進んでいきます。
良家の、プライドが高くって複雑な女性(一言でいうならめんどくさい女)を
ここまでスクリーンに表しているのはすごいかも。
ダニエルデイルイスも出てます。
彼は本当にすごい!
ある意味嫌味な英国紳士なわけですが
順調にいってるときは自信たっぷりなのに
つまづくとガラスのハート。
なのに表面は取り繕って、紳士然を崩さない。
理性があってけっこうだが魅力的な男性ではない。
彼が演ずると、一元的でない
複雑な人間が血肉を持ってくる気がする。
正直魅力的に感じるキャラクターはいないし、
好きかと聞かれると微妙。
【”心の命ずるままに愛するが良い”品と趣のある、1900年代初頭の英国恋愛映画。一人の女性が階級の柵を破り自立、成長する姿を描く。】
ー 令嬢ルーシー(ヘレナ・ボーナム=カーター:後年の役しか知らなかったので、美しさにビックリ)は、付き添い婦シャローット(マギー・スミス:ウーン、イギリスだなあ・・)を連れてフィレンツェへ旅行。
しかし、せっかく予約していた部屋には窓が無くて・・。
居合わせたエマソン親子(息子:ジョージ)が快く、部屋の交換を申し出て・・。ー
◆感想
・出演者が、主義思想はやや違えど、皆、善人である。
・今にして思うと、ルーシーの婚約者になった、やや気障なセシルをダニエル・デイ=ルイスが演じていたり(最初、気づかず・・。)
奔放だが、優しきジョージをジュリアン・サンズが演じていたり、
小説家のエリナーをジュディ・デンチが演じていたり・・。
現代では、英国俳優の重鎮達が、多数出演しているのも嬉しい限り。
・女性達の衣装や、意匠も、この作品の良き趣を醸し出している。
<今作品の公開が2012年というのも、驚く。10年前ではないか・・。
何故に、私はこの作品を観なかったのか。
原作を読んでいた事が、原因であると思われるが、見ておけば良かったなあ。
気品あふれる、一人の女性の自立していく心の変遷を描いた、正統的英国恋愛映画である。>
みんないい人
冒頭、プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」から「私の優しいお父さん」が流れるが、まさにこの映画にぴったりの曲という感じだ。それもそのはず、「ジャンニ・スキッキ」の舞台はこのシーンと同じフィレンツェだった。
フィレンツェやイギリスの田舎が実に美しく描かれており、まるで印象派の絵画のようであるし、クイーンズイングリッシュの響きも綺麗だ。デビュー間もないヘレンボナムカーターも新鮮でいい演技をしている。
物語は、簡単に言えば三角関係であるが、深刻さはなくどことなくユーモラスでさえあるともいえる。多分ハッピーエンドになると想像できるので、安心して見ていられる。なので、あとは映像の綺麗さ、音楽、登場人物の台詞をじっくり味わえる。
最初と最後が同じホテルの食事のシーンというのも心憎い演出だ。しかも、ある親子の会話が、窓からの眺めが良くないということで、最初の主人公の会話と同じだったのが笑える。ただ、今度は部屋はチェンジしてやらなかった。新婚旅行だったし、彼女の思い出の部屋だったので当然かな。
登場人物がみんないい人だったので、そんなの嘘っぽいという人にはお勧めできないが、見終わったあと、幸せな気分になれる映画です。
一つ気になった点、
みんなでフィレンツェから郊外へ馬車で行くエピソード、牧師が御者(馬車の運転手)の隣に乗っている金髪美人の恋人を途中で下ろさせるシーン、一緒に乗せているくらいならいいが、イチャイチャしてきたので下ろさせたのかもしれないが、ちょっとかわいそうな気がした。もと来た道を歩いて戻りながら、去っていく馬車を悲しそうに一回振り返る。なくても特にストーリーには何ら影響のないシーンだったが、何か意味があったのか?このシーンの冒頭に「御者はイタリア人」という字幕がでる。多分、このような公私混同の行為はイギリス人にとっては考えられないことという意味だったのかな。
働いてよ・・・
マギー・スミスの嫌悪感を抱くような好演が素晴らしい。主役はルーシーであるような気がしたのに、イギリスではシャーロットが主演女優賞を獲っている事実に不思議な気分です。牧師とフレディ、ジョージが池で素っ裸で水浴びするシーンがいいですね。
全体的には非常につまらないストーリーです。何故作品賞を獲れたのかもわかりません。確かに俳優陣の演技は素晴らしく、人間関係やそれぞれの心を感じるのですけど、所詮は貴族のお遊びと恋愛要素が強く、働きもしない人たちの人生なんて苦悩の微塵も感じられず、全てが軽すぎます。牧師がもっと庶民的に扱われていたら面白かったかもしれません。
泊まってきました、眺めのいい部屋
1回目のフィレンツェは若い頃のひとり旅、安宿で3泊。
2回目は母を伴っていたので、この映画のシチュエーションに近づけてヴェッキオ橋のたもとに投宿。
"眺めのいい部屋"をメールで頼んであったので、ベッドルームの小窓から宮殿の塔やドゥオーモが見えた。
劇中、ハンサムな御者とイチャイチャしていた金髪の娘いましたね⇒ウフィツィ美術館のフィリッポ・リッピの絵画にそっくりな娘を発見!
あと、好きなシーンはルーシーが馬車を止めさせて幌を開けさせる所ですね。つきまとう乳母から独立して脱皮をしようとする印象的な演出です。
・・・・・・・・・・・
お盆は、フィレンツェはシーズンオフで安いんですよ、意外でしょ?クリスマスが一番高い時期です。
ルネサンスと映画の世界にタイムスリップ。ぜったいオススメです。
H.I.S.の航空券ホテル予約サイト+
ガイド本は「地球の歩きかた」
“眺めのいい部屋”から見た“心地のいい映画”
文芸映画の名匠、ジェームズ・アイヴォリーの代表作の一つでもある1986年の作品。
イタリア・フィレンツェを旅行中のイギリスの良家の令嬢が、ホテルの“眺めのいい部屋”を交換してくれた事をきっかけに出会った青年とのロマンス。
原作はE・M・フォースター。アイヴォリーは本作後、何度かフォースターの小説を映画化するが、『モーリス』は同性愛を扱い、『ハワーズ・エンド』は閉塞的な英国上流階級世界を描いたシリアスなのに対し、明朗な作風。
ユーモアも感じられ、観光気分のフィレンツェ、のどかなイギリス田園地方のピクニック。映像・美術・衣装の美しさは言うまでもなく、劇中彩るクラシック音楽は作品に合い、この時代この世界への憧れすら抱かせる。
血を吐いて倒れた男性を見て失神するほど麗しかったヘレナ・ボナム=カーター。今ならつい、“アバダケダブラ”の呪文でも掛けたのではないかと…(^^;
マギー・スミス、ジュディ・デンチ、ダニエル・デイ=ルイスら今ならKO級の映画界を代表するイギリス名優たちの若かりし頃とアンサンブルも見もの。
勿論単なる英国コスチューム恋愛劇ではない。
まだ封建的だった時代、階級や身分を越えた自由な恋愛。内面の成長や女性の自立などに一石投じる。
そういったメッセージやテーマを込めつつ、“眺めのいい部屋”から始まった恋を描いた、何ともロマンチックな作品!
ダメだった。この格調高い雰囲気、どうも苦手だ。姉ちゃんばあちゃん的...
ダメだった。この格調高い雰囲気、どうも苦手だ。姉ちゃんばあちゃん的なヒロインにも魅力を感じられず。正直、誰とどう結ばれようがどうでもよかった。
フルちん湖激走シーンしか残っていない(笑)
3日で盛り上がる恋愛
総合:60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
最初のイタリア編では科白まわしや演技が古くて、しかも映像は風景は美しても赤色が強くて人の肌がのきなみ赤を帯びているし鮮明でもない。そのため1986年の映画だがまるで60年代くらいの古い映画のように感じた。
恋愛映画だが、わずか3日ほどの出会いでそこまで2人が恋愛にはまるのがよくわからない。またその後、広いイギリスでは偶然彼らが近隣に引っ越してきたのだろうか、または仕組んで狙って引っ越してきたのだろうか、本当にイタリア美術が縁での引っ越しなのか気になった。もしただの偶然ならば、その偶然が無ければこの話はイタリア編を最後に二度と出会うこともなく終わっていたということだろうか。
終りの部分でルーシーが男を見極めるための基準をジョージに教えられて知り、婚約者がいる彼女の嘘で自分の望む形に流れを変えていく姿は見せ場。階級社会の英国で身分違いの下品なジョージの父親の姿を見せておきながら、人間性が実は良かったというのは面白かった。
でもそこに辿り着くまでの展開が不満だし、恋愛が盛り上がっている理由がはっきりせず長く感じた。演出が良くなかったのかもしれない。
同じジェームズ・アイボリー監督で同じ原作者のE・M・フォースターの作品で、本作の1年後の1987年公開の『モーリス』があるが、こちらは格調高く質の高い優秀な作品だった。それに比較して全ての項目で水準が下がる。
答えは殻の外にある
伝統や形式に自ら嵌って悶々と苦しむ堅物イギリス人も、イタリアに行くと解放されるということで、フィレンツェで出会った身分違いの2人が結ばれるまでを描いた作品。
映画もとても文学的で、台詞が素敵です。
自分達のことが書かれた章を読んだことで、当人達にその想いが再び沸き起こり現実を変えるなんて、小説家冥利に尽きるでしょうね。
Emersonパパがとても良い人。
そんなパパが育てた一人息子Georgeは天然と言うか、自然と言うか(^^)、全く偽りのない人。理解できないこと=全て「?」。答えを求めて外の世界へ飛び出して行ける人。気取った言葉で塗り固めた、自分だけの世界に閉じこもっているCecilとは対照的。
“I taught him..... to trust in love..... when love comes, that is reality...... Passion does not blind. No. Passion is sanity, and the woman you love, she is the only person you will ever really understand.” と原作の方にはあるので、
Georgeの「?」の回答はLucy。
ようやく見つけた愛という「答え」。
Emerson父子が、Alan姉妹に花を飾ってあげるシーンが微笑ましい。勝手に部屋に入るのはすごいけど(^。^)。
牧師さんまで自然に帰ってるシーンが(^◇^)。
ぼかしご苦労様です。
役者さん達、みんな若いなぁ…(*゚∀゚)。
“I want you to have your own thoughts and ideas and feelings even when I hold you in my arms.”
“I told him to trust to love...... Love, and do what you will.”
“There is only one thing impossible... that’s to love... and to part.”
って言っているけど矛盾にも取れる。
↓
原文は
“It isn't possible to love and part. You will wish that it was. You can transmute love, ignore it, muddle it, but you can never pull it out of you. I know by experience that the poets are right: love is eternal.”
全14件を表示