ドラム

劇場公開日:

解説

アフリカから送られた黒人のアメリカでの苦しみ、虐待された生きざま、そして自由へのめざめを黒人側から描く。製作はラルフ・サープ、監督は「ビッグ・バッド・ママ」のスティーブ・カーヴァー、脚本はノーマン・ウェクスラー、原作はカイル・オンストット、撮影はルシエン・バラード、音楽はチャーリー・スモールズが各々担当。出演はウォーレン・オーツ、ケン・ノートン、イセラ・ベガ、ヤフェット・コットー、ジョン・コリコス、フィオナ・ルイス、ポーラ・ケリー、ロイヤル・ダノ、レインボー・スミスなど。

1976年製作/アメリカ
原題または英題:Drum
配給:東宝東和
劇場公開日:1977年11月19日

ストーリー

黒人を売買し、暴利をむさぼる奴隷商人でにぎわうマリアナ(イセラ・ベガ)の娼館。彼女は20年もの昔、キューバで黒人奴隷と恋に落ち、その奴隷の子供を産んだ。彼の名はドラム(ケン・ノートン)。乳母レーチェル(ポーラ・ケリー)に育てられた彼は今、娼婦達のざわめきの中で黙々と働く--。時は1847年、ニューオーリンズ。そんなドラムを目にとめたのは、マリアナの店のスポンサーの1人、デマニエ(ジョン・コリコス)だった。彼は夜の余興の拳闘試合にドラムを無理に出場させ、黒人ボクサーのブレーズ(ヤフェット・コットー)と対決させる。勝ったのはドラム。だが2人には黒人奴隷という同じ立場での友情がめばえる。しかし、以前にドラムに自分の目前で黒人女とSEXをやらせたデマニエが、ドラムになぐられたのを怒り、ドラムに発砲。そして、銃弾はドラムにかけよるレーチェルの胸を貫いた。悲しみにくれるドラム。やがて、実の母であることを彼につげられぬマリアナは、彼の身の安全のため、農園主ハモンド(ウォーレン・オーツ)に、ドラムとブレーズを売った。だが、ハモンドの一人娘で淫乱なソフィ(レインボー・スミス)が2人を誘惑。もし、彼女とSEXすれば、白人娘と黒人奴隷がSEXすれば--。誘惑に負けそうになったブレーズをドラムがなじったのが因で、2人は大喧嘩、そしてその罰としてムチ打ちの刑に処せられた。今は鎖につながれる身のブレーズはドラムの白人に仕える生き方に反目する。やがて、ハモンドはソフィの家庭教師オーガスタ(フィオナ・ルイス)と結婚する。そして行なわれる披露パーティ。残忍非情な奴隷商人モンゴメリー(ロイヤル・ダノ)も来た。彼の黒人を動物以下に扱う姿を見て、自由にめざめるブレーズ。黒も白も自由の色ではない。血の色こそ、本当の自由の色だ! ドラムに鎖をはずしてもらったブレーズは、モンゴメリーをぶち殺し、黒人達の指揮をとって、ハモンド邸を真紅の炎に包んだ。ライフルで応戦する白人達。ブレーズを説得するドラム。だがデマニエのライフルがブレーズを殺(う)つ。この瞬間、ドラムの心に初めて白人への怒りが沸騰した。死んだブレーズにかわり、黒人奴隷達の先頭に立つドラム。「白人を殺せ!」、白人も黒人も、そしてマリアナも今この狂気の群れの生けにえに血と化した。--その夜から、ドラムは消えた。自由に向かって走るドラム。やがて、南北戦争が始まり、1863年1月、リンカーンにより奴隷解放宣言が発効された。

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