テロ2000年 集中治療室

劇場公開日:

解説

西ドイツで実際に起きた少女誘拐事件とネオナチによる外国人排斥事件をモデルに、「愛と恐怖とセックスと死」の狂騒的世界を描き出すドイツ・アヴァンギャルド・ホラー。ニュー・ジャーマン・シネマの後継者として一部に熱狂的な支持者を持つクリストフ・シュリンゲンズィーフが製作・監督・脚本を手がけ、日本での公開は「ドイツチェーンソー 大量虐殺」に続き二作目となる。共同脚本にオスカー・ロエラーとウリ・ハニッシュ。撮影はラインハルト・ケシェル、美術はウリ・ハニッシュ、音楽はカムビズ・ジアヒとジャック・アルル、編集はベティーナ・ベーラー。衣裳はタベア・ブラウンとジュリア・コープ。主演のペーター・カーンをはじめ、マルギット・カルステンセン、「エピデミック」のウド・キアーなどはいずれもライナー・W・ファスビンダー作品の常連としても知られる。

1992年製作/79分/ドイツ
原題または英題:Terror 2000
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:1997年6月7日

ストーリー

東西統一後のドイツは難民の大量流入に頭を抱えていた。そんな中、福祉員のペーター・フリッケ(ウド・キアー)がポーランド人のパヴラク一家を難民収容所へ送る途中、一家ともども失踪。捜査官のペーター・カーン(ペーター・カーン)が妻のマルグリット(マルギット・カルステンセン)とともに到着したラッサウは、「ポーランド野郎を殺せ」の立て看板が立ち並ぶ狂騒の町だが、カーンもまたスーパーの宣伝のためのバイクの曲乗りが血みどろで死亡するのを目にすると、突如銃撃戦を巻き起こす過激な捜査官である。ネオナチのクーネンは「人民、国家、人種」「アウシュヴィッツは嘘だ!」「憎悪万歳!」と叫んでいる。霊媒・ブーベラの「ポーランド人は生きている!」の声に従い、マルグリットらは林の中を捜索し、袋にくるまれ腐り果てた首を発見するが、フリッケの行方はいまだ知れない。大臣も参列して哀悼の意を表する一家の葬式には「移民はお断り! 化け物め!」と神父の罵声が響く。一方、難民収容所でもマツンバを中心に暴動が発生。逮捕する者も逃げる者も、また難民たちも、ひたすらレイプに走る。一味のマルティナが、ついにフリッケは汚水槽の中にいると白状し、フリッケは女装姿の死体で発見される。裏切ったマルティナは仲間に犯されて昏睡状態に陥り、ヴィブケ……と口走る。マルティナの金髪のカツラをかぶったマルグリット、「ヴィブケ!」と叫ぶカーン、そして一味の神父もまた金髪のカツラをかぶって一台の車に乗り込み、「私がヴィブケ、お前が私を殺した」と合唱する……。

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