テレーズ
劇場公開日:1987年8月7日
解説
19世紀末に実在した聖処女テレーズの信仰に人生を捧げた姿を描く。製作はモーリス・ベルナール、監督は「別離」のアラン・カヴァリエ、脚本はカミーユ・ド・カサビアンカ、撮影はフィリップ・ルスロ、音楽はアラン・ラサシャーニュが担当。出演はカトリーヌ・ムーシェ、オーロール・プリートほか。87年のセザール賞6部門(作品・監督・脚本・新人女優・撮影・編集)受賞。
1986年製作/フランス
原題または英題:Therese
配給:巴里映画
劇場公開日:1987年8月7日
ストーリー
フランスの北の寒村リジュー。テレーズ(カトリーヌ・ムーシェ)は、マルタン家の五人姉妹の末っ娘。彼女は幼児期から繊細で、いつも夢見る少女だ。姉たちもすでに修道女になっており、テレーズも厳しい戒律で知られる同じカルメル会に入る決心をした。しかし、父はまだ幼いテレーズが厳しいカルメル会に入ってしまうのが忍びなく反対する。しかし、テレーズの決意は固かった。いよいよイエスに嫁ぐ日、純白の衣装に身を包み、父や姉たちの祝福を受けるテレーズ。修道院での生活が始まった。掃除や料理、祈祷で過ぎる日々。そんな矢先、彼女は吐血する。肺を病んでいたのだ。修道院にはリュシー(エレーヌ・アレクサンドリディ)という娘がいた。「2千年も前に死んだ男、それも存在したかもわからない男を愛するなんてバカげている」というリュシー。そんな彼女にイエスの愛を優しく説くテレーズ。ある日修道院を訪れた母がわりの姉セリーヌ(オーロール・プリート)が父の死を告げた。イエスの降誕祭。修道女たちはいつになく心華やいだ。思いがけない来訪者たちでにぎわう修道院。そんな空気に背を向けるリュシーは、テレーズに特別な感情を向ける。これを見た修道長は、二人が会うことを禁じた。再び倒れるテレーズ。病は相当に進んでいたのだ。修室を去り病室に移った彼女は、イエスのことを思った。そっとテレーズに手紙を送るリュシー。最後の聖体拝領が行なわれた日の夜、彼女はテレーズの思い出の品々に身を包み修道院から逃走した。1897年9月。臨終の苦悶の中で、テレーズは最後まで、イエスへの愛を唱えながら帰天した。24歳の若さだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アラン・カバリエ
- 脚本
- カミーユ・ド・カサヒアンカ
- 製作
- モーリス・ベジャール
- 撮影
- フィリップ・ルースロ
- 美術
- ベルナール・エバン
- 音楽
- アラン・ラサシャーニュ
- 編集
- Isabelle Dedieu
- 衣装デザイン
- Yvette Bonnay
- 字幕
- 細川直子