ディンゴ
劇場公開日:1995年1月7日
解説
伝説のミュージシャンに憧れ、夢を追いつづける青年の姿を描いたハートウォーミングなジャズ映画。91年に死去したジャズ・トランペットの帝王、マイルス・デイヴィスがその死の直前に出演した作品で、65年の生涯の中で唯一、本格的な演技を披露した1編。また、オーストラリアとフランスの初の公式合作映画でもある。監督はオランダ出身、オーストラリア在住で、近未来SF映画『エンカウンターズ』(V)で注目されたロルフ・デ・ヘール。製作管理はロルフ・デ・ヘール、ジョルジョ・ドラスコヴィチ、マリ・パスカル・エスターライト、マーク・ローゼンバーグ。撮影は「仕立て屋の恋」「パリ・セヴェイユ」のドニ・ルノワール、録音は「ヌーヴェルヴァーグ」のアンリ・モレル、美術はデイヴィッド・マッケイが担当。音楽はマイルスが旧友ミシェル・ルグランと共同で当たり、その演奏も聴きものとなっている。また主人公ディンゴのトランペット演奏の吹き替えを一流セッションマンのチャック・フィンドレイが担当し、ドラマに深みを与えている。主演は「マルコム」「グランドゼロ」などで評価の高いオーストラリア映画界の注目株コリン・フリールズ。共演はマイルス・デイヴィスをはじめ、「あこがれ」「私のように美しい娘」などの諸作でヌーヴェルヴァーグを代表する女優ベルナデット・ラフォン、「マッドマックス サンダードーム」のヘレン・バディほか。
1994年製作/110分/オーストラリア・フランス合作
原題または英題:Dingo
配給:クリエイティブアクザ=ピュア・ロジック
劇場公開日:1995年1月7日
ストーリー
オーストラリアの田舎町プーナ・フラオットに住む青年、ジョン“ディンゴ”アンダーソン(コリン・フリールズ)は、野犬(=ディンゴ)の捕獲を職業としながら、地元のアマチュアバンドでトランペットを吹いている。大自然の中での優しく美しい妻ジェーン(ヘレン・バディ)や子供たちとの生活は満たされていたが、いつも彼が心の中で描いていたのは20年前の光景だった。幼い日のディンゴは、オーストラリアの空港に緊急着陸して降り立った伝説のジャズミュージシャン、ビリー・クロス(マイルス・デイヴィス)が、突然その場で演奏する場面に遭遇する。激しくも美しい音楽に魅了されたディンゴに、ビリーは「君は音楽をやるべきだ。パリへ来たら俺を訪ねろ」と言う。ディンゴはジャズミュージシャンに憧れるが、彼の日常は全くそうした夢とかけ離れたものだった。彼の心の中は、いつも満たされない思いが渦巻いていた。そんな夢見がちの彼を、周囲の人々は冷やかな目で見ていた。ある日、パリから一通の手紙が届く。それはビリーからの手紙だった。ディンゴはついに決心し、誰にも告げずにパリに旅立つ。しかし、そこで会ったビリーは妻のアンジー(ベルナデット・ラフォン)と共にひっそりと引退生活を送っていた。彼はディンゴにもう人前では演奏したくないと語る。しかし、ディンゴのナイーブな感性と情熱に刺激を受けたビリーは、ディンゴと共にジャズクラブへ向かう。ホットなセッションが始まり、ディンゴも加わる。長年の憧れを実現させ、満足感を胸に帰郷したディンゴを、近所の人々が迎える。事情を知り、もう彼を馬鹿にしない人々は、彼と一緒に演奏を始めた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロルフ・デ・ヒーア
- 脚本
- マーク・ローゼンバーグ
- 撮影
- ドニ・ルノワール
- 美術
- デビッド・マッケイ
- セット
- ジュディス・ラッセル
- 音楽
- マイルス・デイビス
- ミシェル・ルグラン
- 録音
- アンリ・モレル
- 編集
- スレーシュ・エイアー
- 製作管理
- ロルフ・デ・ヒーア
- ジョルジョ・ドラスコヴィチ
- マリ・パスカル・エスターライト
- マーク・ローゼンバーグ
- 字幕
- 石田淳子