ティファニーで朝食をのレビュー・感想・評価
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君の本棚にどうぞ
映画「ティファニーで朝食を」(ブレイク・エドワーズ監督)から。
オードリー・ヘプバーンの代表作というので、楽しみにしていたが、
ごめんなさい、あまりその良さが分からなかった。(笑)
タイトルの「ティファニーで朝食を」にも惹かれたが、
終始、喫煙のシーンが続き、期待した「爽やかさ」がなかった。
宝石店「ティファニー」は、台詞から想像すると
「落ち着けるところ」であり「静かに澄ました所が素敵」、
「不幸なんてない」場所として、設定されている。(らしい)
今回選んだ気になる一言は、若手小説家の台詞。
彼女の家に、自分の執筆した本を持参して呟く。
「君の本棚にどうぞ」
作品の内容は二の次で、自分の書いた「小説」があるなんて、
ちょっと洒落てるなぁ、とメモをした。
私もいつか、小説でも書いて、この台詞言ってみたいなぁ。(汗)
P.S
「ムーン・リバー」は、作品全体に流れ、映画音楽らしく最高。
オードリーありきの名作
今までオードリーの出演作品は「ローマの休日」しか観たことがなかったけど、
彼女の魅力はこの映画でも健在だった。
無駄な肉が一切ない華奢なスタイル、
意思の強そうな華やかな目元、
キュッと引きしまった顔の輪郭・・・
そしてそれらをさらに魅力的にみせる洗練されたファッション。
また、「小悪魔ホリー」を演じるオードリーの一挙一動がとにかく魅力的で
彼女を見守る男の一人のような目で終始この映画を観ていた気がする。
くるくる変わる表情、先の読めない行動にやきもきしながらも、
彼女に惹かれていってしまう男たち。
つかまりそうでつかまらない「天然小悪魔」の奔放な魅力を、
オードリーは素晴らしく表現していた。
中でも「ムーン・リヴァー」を窓辺で弾き語りする姿はなんとも村娘っぽく素朴で、
派手なパーティースタイルの彼女とのギャップもあり
とても可憐で可愛らしかった。
また、作家のポールもかっこよくて素敵だった。
この作品で一番好きなシーンは、二人が街をデートする場面。
中でも、二人がお面を被って万引きし手をつないで走るところは
こちらまで心がはずみワクワクしてしまうほど。
ただ、それくらいこのデートシーンが楽しかったので、
(二人の関係もすごくいい状態だと感じた)
その後の「ドンデン返し」が私にとってすごく蛇足に思えてしまった。
ホリーの気持ちもわかりそうでいまいちわからない。
いくら彼女が奔放で実は臆病な性格だったとしても、
あの展開はないんじゃ・・・としか思えなかった。
あのデートでの雰囲気のままハッピーエンドだったらどんなによかっただろう。
ホリーの兄のこともなんだかウヤムヤに流れて終わってしまった感じがしたし、
全体のストーリーはところどころ爪が甘い印象。
逮捕のくだりはグダグダに思えてならなかった。
有名な冒頭の「ティファニーを眺めながらパンをかじる」オードリーのシーンと、
ラストシーンがとてつもなくかけ離れていて
チグハグに感じてしまった。
ラストシーンは悪くないし感動したけど、
その後の二人の生活のシーンを入れるとかすれば
(例えばティファニーの前で二人でパンをかじるシーンとか)
まだ作品がグダグダのままで終わらずに、締まったかもしれない。
最初の「ティファニー」のインパクトが最後まで保たれていなかった。
悪くはないけど「名作」とは違う。
言うならば、「オードリーの魅力を堪能する」ための作品だと感じた。
オードリーファンにとっては「名作」と言えるのかも。
そういえば作中に日本人芸術写真家が出てきて驚いた!
「ハンニバル・ライジング」でも日本人が出てきて伝統文化を披露していたし、
有名な作品に日本人が芸術と共に出てくると
「日本文化」が海外の人にも受けいられている気がして嬉しく感じてしまう。
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