血を吸うカメラ

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解説

怪奇映画風の構成をもった異常心理ドラマ。レオ・マークのシナリオを「将軍月光に消ゆ」のマイケル・パウエルが監督した。撮影に当ったのはオットー・ヘラー。音楽を担当したのはブライアン・イースデル。出演しているのはドイツ映画界出の新人カール・ベーム、「ブラック・タイツ」のモイラ・シアラー、アンナ・マッシー、「ハバナの男」のマクシーヌ・オードリー、エズモンド・ナイト、バートレット・マリンなど。

あらすじ

マーク・ルイス(カール・ベーム)は撮影所のカメラマンをつとめるかたわらヌード写真撮影のアルバイトをしている。彼の亡父は有名な心理学者で人間の〈恐怖〉に対する反応研究に生涯を捧げた。そしてマークは幼時、父の実験材料として育ったため、いまでは自分に殺される寸前の犠牲者の恐怖と、断末魔の表情を撮影、そのフィルムを自分で現像映写することに生きがいと快感を覚えるようになっていた。彼は必ずシネ・カメラを携帯して歩いていたが、最初の犠牲者はドラという街娼だった。ドラの自室につれこまれたマークはカメラの三脚に仕込んだ兇器を片手に、カメラのシャッターを押しながら女に迫った。翌朝、運び出される女の死体をそっと撮影しているマークの姿が……。その夜、ドラ殺害のフィルムを映写しているところへ、マークの部屋の下に住むヘレン(アンナ・マッシー)が訪ねてきた。その日は彼女の誕生日でお祝いのケーキのおすそわけにきたのだ。二人は親しくなった。マークに彼の幼時の暗い過去を聞いたヘレンは同情し、その孤独感を柔らげようとした。……が、翌日、マークは撮影所で新人女優のビビアン(モイラ・シアラー)をスクリーン・テストを口実に誘い出し、またも殺害、それをカメラに収めた。マークは死体を小道具のトランクに詰めて去った。数日後、ビビアンの死体が発見されたが警視のグレッグはドラ殺しと関連のあることに気づいた。そして捜査の協力者で精神病学者のローズン博士からマークの父のことを聞くと早速マークに尾行をつけた。一方、マークも自身の破滅を感じた。彼は愛するヘレンに財産の一切を譲る遺書をつくり、最後の獲物を求めて仕事場のヌード・スタジオへ。彼はそこでモデル女を殺し自宅に帰った。そこにはヘレンが待っていた。彼女は何気なくマークの撮ったフィルムを映写機にかけて見ていたが、その残酷さに驚いて部屋を出ようとしていたのだ。狂ったマークはヘレンに迫った。が、彼を愛するヘレンは恐怖の表情を浮べなかった。このとき尾行の刑事の報せで警官隊がきた。いまはこれまでとマークは自分のノドに兇器をつきさし死んでいった。その彼の姿を自動式撮影のたくさんのカメラが無気味にシャッターを切っていた。

1960年製作/イギリス
原題:Peeping Tom
配給:東和

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映画レビュー

3.0鍵のない不用心なアパート経営

kossyさん
2019年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 いつもカメラを携えている男マーク・ルイス。亡父が心理学者であり、息子のマークを実験材料として育てたため、彼自身も人の恐怖、断末魔の表情に興味を持つようになってしまい、売春婦を手始めとして徐々にサイコパス化してゆく。

 「血を吸う」などという邦題はどうかと思うが、まったく血が出ないし、グロい映像もない。むしろ、警察の捜査までもドキュメント映像としてカメラで撮りまくったり、「映画監督になりたい」と常に語っていたりと真面目青年を装っているのだ。ただし、ドキュメンタリー好きというより、スナッフムービー好きといった感じであろうか・・・

 カメラの三脚にはナイフが仕込んであり、人の恐怖表情がとても好きみたい。女優やヌードモデルたちからもいい演技、いい表情を引き出す才能があるのに、こんな趣味を持ってしまったために人の道を外れてしまうという悲劇。アパート経営もやっているし、生活にも不自由していないのに、やっぱり父親の影響が強かったんだろうなぁ・・・。原題が「のぞき魔」というのもピンとこないが、イギリスでは評判がいいみたい。カメラにも仕掛けがしてあるのだが、それは最後に明かされる。

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kossy
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