劇場公開日 1961年7月14日

「鍵のない不用心なアパート経営」血を吸うカメラ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0鍵のない不用心なアパート経営

2019年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 いつもカメラを携えている男マーク・ルイス。亡父が心理学者であり、息子のマークを実験材料として育てたため、彼自身も人の恐怖、断末魔の表情に興味を持つようになってしまい、売春婦を手始めとして徐々にサイコパス化してゆく。

 「血を吸う」などという邦題はどうかと思うが、まったく血が出ないし、グロい映像もない。むしろ、警察の捜査までもドキュメント映像としてカメラで撮りまくったり、「映画監督になりたい」と常に語っていたりと真面目青年を装っているのだ。ただし、ドキュメンタリー好きというより、スナッフムービー好きといった感じであろうか・・・

 カメラの三脚にはナイフが仕込んであり、人の恐怖表情がとても好きみたい。女優やヌードモデルたちからもいい演技、いい表情を引き出す才能があるのに、こんな趣味を持ってしまったために人の道を外れてしまうという悲劇。アパート経営もやっているし、生活にも不自由していないのに、やっぱり父親の影響が強かったんだろうなぁ・・・。原題が「のぞき魔」というのもピンとこないが、イギリスでは評判がいいみたい。カメラにも仕掛けがしてあるのだが、それは最後に明かされる。

kossy