チャンピオンズ
劇場公開日:1984年6月23日
解説
ガンを宣告された花形騎手と骨折事故から廃馬に追いやられようとしていた名馬が、共に窮地から立ち直るまでの姿を実話に基づいて描く。製作はピーター・ショウ、監督はジョン・アーヴィン、ボブ・チャンピオンとジョナサン・パウエルの原作(集英社)をエヴァン・ジョーンズが脚色、撮影はロニー・テイラー、音楽はカール・デイヴィスが担当。出演はジョン・ハート、ジュリア・アダムス、エドワード・ウッドワード、ジャン・フランシス、ピーター・バークワースなど。
1984年製作/イギリス
原題または英題:Champions
配給:東宝東和
劇場公開日:1984年6月23日
ストーリー
英国を代表するベテラン騎手ボブ・チャンピオン(ジョン・ハート)の夢は、年に一度の世界最大の障害レース、グランド・ナショナルに名馬の誉れ高いアルダニティーに騎乗して優勝することだった。アルダニティーの持主であるエンビリコス(ピーター・バックワース)と調教師ギフォード(エドワード・ウッドワード)の思いも同じで、三人は固い友情に結ばれていた。1979年夏、ボブはいつものようにアメリカ・ケンタッキー州にある友人コックス(ベン・ジョンソン)の牧場で体暇を楽しんでいた。ボブが突然、下半身に激痛を感じたのは美人の獣医バーバラとべッドを共にしていた時だった。医者の診断はガンだった。精密検査の結果、ボブはあと8カ月しか生きられないと宣告される。ただし、化学療法を受ければ回復する見込みもあるという。独身のボブは、妹メアリーの夫リチャードの農場で療養生活をおくることにした。9歳になる幼い姪のエマ(ジュリア・アダムス)はボブの良き話し相手であり、可愛い看護婦だ。化学療法は苦痛や不快感だけでなく、恐るべき副作用も伴った。髪の毛はほとんど抜け落ち、頬はこけ、顔色は紙のように白くなった。そんなある日、アマチュア騎手で以前は調教師の秘書だったジョー(ジャン・フランシス)という若い女性が訪ねてきて、お守りにと銀製の小さな蹄鉄を贈った。控え目だが心のこもったプレゼントがボブには大切に思えた。ボブはアルダニティーの活躍ぶりを見るためにサンダウン競馬場に出かけたが、彼の目前で信じられないような事件が起こった。疾走中のアルダニティーが前肢を骨折してしまったのだ。競争馬にとっては致命傷である。ボブは、自分と同じ運命をたどるアルダニティーの悲劇に、生きる意欲を失くした。だが、アルダニティーは安楽死の宿命から免れていたのだ。ほどなく、メローサ女医(ジュディ・パーフィット)から思いがけない言葉をきいた。「ガンの痕跡はどこにもありません、全快です」。アルダニティーも順調に回復していた。ボブは半年ぶりにアルダニティーの背にまたがり、グランド・ナショナル大障害レースに備えて実力を試すため、いくつかのレースに挑んだ。ボブはジョーから寄せられた好意に対して、ようやく素直に目分の心情を告白できた。そしてジョーはボブのプロポーズを彼の“生”ヘの意志の証しとして何よりも嬉しく思うのだった。1981年4月4日、グランド・ナショナル大障害レースの日がやってきた。エントリーした39騎の前に立ちはだかる30にも及ぶ大障害の柵また柵、エントリー競馬場のコース全長7220メートルの周囲を埋めつくした6万人の大観衆。群衆の中で必死に祈るジョー。メアリーとエマ、ボブの両親はテレビで観戦、病院の小児病棟でも子供たちや大勢の患者がテレビの画面に見入っている。名にし負う難関の障害レースはスタートから波乱ぶくみの様相を呈し、一騎また一騎と落伍してゆく。30番目の障害物をボブとアルダニティーはトップで通過、そのままゴールヘとなだれ込んだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・アービン
- 脚色
- エバン・ジョーンズ
- 原作
- ボブ・チャンピオン
- ジョナサン・パウエル
- 製作
- ピーター・ショウ
- 撮影
- ロニー・テイラー
- 美術
- Roy Stannard
- 音楽
- カール・デイビス
- 字幕
- 戸田奈津子