チャタレイ夫人の恋人(1993)

劇場公開日:

解説

道ならぬ恋に落ちる人妻の恋を通じて、肉体の愛による生の復活をうたったラヴ・ストーリー。芸術か猥褻かを巡る裁判で有名なD・H・ローレンスの同名小説、3度目の映画化だが、本来はテレビ用に作られた作品(日本では衛星放送で放映およびビデオ発売)を再編集したもの。監督には過去に「恋する女たち」「レインボウ」とローレンス作品を取り上げた鬼才ケン・ラッセルがあたった。製作はマイケル・ハゲイグ、脚本はハゲイグとラッセルの共同。撮影は「ヘルレイザー」「ザ・フライ2 二世誕生」のロビン・ヴィジョン、音楽は「妻への恋文」のジャン・クロード・プティ。時代色をみごとに再現した美術は、演劇界で活躍するジェームズ・メリフィールド。衣装をロイヤル・シェイクスピア劇団の舞台を多く手掛けエヴァンジェリン・ハリソンが担当。主演は「嵐の中で輝いて」のジョエリー・リチャードソン、「ショッピング」のショーン・ビーン、「ハワーズ・エンド」のジェームズ・ウィルビー。ラッセル自身も助演している。

1993年製作/イギリス
原題:Lady Chatterley
配給:東宝東和
劇場公開日:1995年11月3日

ストーリー

第一次大戦の戦場での傷が原因でクリフォード・チャタレー卿(ジェームズ・ウィルビー)は、緑したたるイングランドの所有地で車椅子の生活を送っていた。傍らには若く美しい妻コニー(ジョエリー・リチャードソン)がひっそりと寄り添う。一見夫妻の日々は穏やかに過ぎているようだったが、下半身不随の夫の心には決して癒されることのない心の痛みがあり、冷酷な現実から目をそらそうと健気に振る舞う妻を焦燥へと追い詰めていた。ある日、孤独にさいなまれながら森をさまよったコニーは、上半身裸で顔を洗う男、番人メラーズ(ショーン・ビーン)の逞しい肉体に心惑わされる。そんな彼女を、クリスマス・パーティーの席上で父のリード卿(ケン・ラッセル)や姉ヒルダ(ヘッティ・ベインズ)が慰めた。姉の勧めもあり、看護婦のボルトン夫人(シャーリー・アン・フィールド)を雇い、コニーは夫のための雑用から開放されるが、心の飢えを満たしてくれるものはない。安らぎを求めて森の中へ入っていった彼女を待っていたのは、妻との結婚生活に破れて独り暮らしをしている、あのメラーズだった。やがて彼らはお互いがかけがいのない存在であることを知り、繰り返し忍び会う。肉体の歓びを分かちあえることの幸せが彼らの心の結びつきを確かなものにし、そこには階級を隔てる垣根は存在しなかった。コニーは生きる歓びを取り戻し、メラーズは新天地で人生を出直す勇気を手に入れた。クリフォードは身分の卑しい番人と妻の関係を知って激怒する。折しも、彼の所有する炭鉱ではストが始まり、時代は大きく変わろうとしていた。やがて、メラーズと彼の子を宿したコニーは風雨と荒波の中、カナダへ向かう船に乗り込んだ。

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映画レビュー

3.5森番 と ゼネスト

2022年11月19日
Androidアプリから投稿

1993年のBBCのテレビシリーズを編集、映画化

森番との関係は許さないが
同じ階級の男との子供ならオーケーという夫の発言に
今更ながら軽い驚きを感じた
英国の上流社会の〈階級の維持〉への並々ならぬ意識…

英国人であるラッセル監督のお茶の間用に作られたこれは
表現が彼従来のものより穏やか
雨の中、森を裸で走り回る二俳優に
美しさを感じるより ちょっと同情したけど

私は葛藤とか官能とか感じなかったので
(お茶の間用だったから、いいのか?)
やはり本来のノーカットのテレビ版を見直してみたい

妻は森番との関係で蘇生し
夫も優秀な介護人の手で回復する

階級を飛び越えた二人が新天地に向かうハッピーな結末
主役三人は魅力的

館を掌握してしまった有能なボルトン夫人の存在が
面白かったです
ちょっと謎、使用人としての極意を極めたのかも

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jarinkochie
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