他人の家(1949)

劇場公開日:

解説

「三人の妻への手紙」に次いでソル・C・シーゲルが製作、ジョセフ・L・マンキーウィッツが監督した1949年度作品で、ジェローム・ワイドマンの小説をフィリップ・ヨーダンが脚色し、「美しき被告」のミルトン・クラスナーが撮影、「恋の十日間」のダニエル・アンフィシアトロフが音楽を担当した。主演は「夜は千の眼を持つ」のエドワード・G・ロビンソン、「四人の息子(1941)」のスーザン・ヘイワード、「都会の叫び」のリチャード・コンテで、「怒濤の果て」のルーサー・アドラーのほか、イタリー系の舞台俳優が助演している。

1949年製作/アメリカ
原題または英題:House of Strangers
配給:セントラル
劇場公開日:1950年12月5日

ストーリー

マックス・モネッティは7年振りで出獄した。街の様子は変わり、父の経営していた頃の小さな銀行は立派に改築されて、マックスの3人の兄弟が重役におさまっていた。長兄のジョーは彼に金を与えようとしたが、冷く断った。マックスは7年前の恋人アイリンを訪ねた。彼女はマックスと加州で平和に暮らそうともいったが、彼の兄弟に対する復讐心は消える様子もなかった。マックスは我が家で7年の刑を言い渡された昔のことを回想する。--父のジノは高利貸から銀行家になり、イタリア移民を相手にぼろい商売をしていた。ジノは広壮な邸宅を構え、一家の暴君であった。ジョーもトニーもピエトロも、父に頭が上がらなかった。マックスだけは敏腕な弁護士として独立できるだけの腕をもっていたので父に可愛がられていた。彼はマリアという同国人の娘と婚約していたが、仕事の依頼に来たアイリンと親しくなり、父からも離れるようになったとき、ジノは銀行法違反行為によって告発された。ジノは四人の息子に責任を分担させようとしたが、日頃、父を怨んでいたジョー、トニー、ピエトロの3人は相手にしなかった。ただ1人父の味方だったマックスは父を救う最後の手段として陪審員の1人を買収しようとしたが、かえってジョーに密告されて逮捕された。マックスは7年の刑をうけ、ジノは3人の息子に銀行を奪われて悶々の中に死んだ。--マックスは出獄後、父の復讐をなすべきか否かに迷ったが、家庭の不和が父の性格に起因したことに思い当たると、アイリンとの新しい生活こそ自分の行くべき道だと思った。しかし、ジョーはマックスをおそれ、トニーとピエトロを伴い彼を襲った。兄弟に囲まれ重傷をうけたマックスは、自分たちが争うことは父の呪いの穽に陥るものだと叫び、迎えに来たアイリンと共に、我が家をあとにしたのである。

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