タクシードライバー

主人公は自己中で視野狭窄ないわゆる「正義マン」。
主人公は女に振られた復讐として、彼女の務める政治団体の政治家を撃ち殺そうとする。しかし、暗殺は失敗し、成り行きで知り合った未成年の娼婦を助けるために、彼女を取り巻く女衒や売春客といった「悪」を撃ち殺す。彼女が「やめて」と叫ぶ目の前で。
その後主人公は「ヒーロー」として讃えられる。
最初見終わったあとに、主人公が生きてることに驚いて、グッドエンディングなんだと思った。主人公はヒーローとして感謝され祭り上げられ、彼の人生はきっと好転した。
だが客観的にみると、彼の狂気性や歪んだ正義感は増長され、暴力によって彼の「正義」を実行することに喜びを覚えてしまった。グッドとは言い難い。

また、主人公のズレた行動が、狂気と滑稽さを同時に感じさせる「シリアスな笑い」を生み出し、作品全体に緩急をつけている。そうした構成が、この作品の完成度を高めていると感じた。

孤独なタクシードライバーが腐った世の中に鉄槌を下そうとする。トラヴィスの言ってる事は正しいがかなりヤバイ変な人。
若いデニーロと可愛らしいジョディフォスターが見れて満足。

BSで録画視聴。初めてマーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ作品を観たが、ロバート・デ・ニーロは若い❗️ストーリーもアメリカらしさを感じるし、何より脚本が素晴らしい。セリフにも味がある。見事。

映画は時代の鏡。この当時の時代背景と空気がわからないと楽しめない作品だと思う。
評判が以前から高い作品だったが、今回が初見。期待が高すぎたのかもしれないが、3.5というところ。

今から40年も昔、大学を卒業して、初めて赴任した先が、某県の県庁所在地。
支店は、夜の街のはずれにあり、赴任先の支店長の第一声が、ポン引きにはついて行くな。
どうしていきたかったら、自己責任な。でした。
街にはポン引きが溢れて、そう本当に溢れているという表現がぴったりな感じで、仕事帰りなどは、それを振り払うのが大変だった覚えがある。

その後、国体が開催されることをきっかけに、警察がポン引き一掃に動いて表面的には見かけなくなったけど…。そんな時代。

タクシードライバーを見ながら、そんなことを思いだしてしまった。

自分の精神状態と相談しながら、また鑑賞してみたいと思う。