存在の耐えられない軽さ

劇場公開日:

解説

激動の68年のプラハを舞台に有能な脳外科医の若者が体験する波乱の人生を描く。製作はソウル・ゼインツ、エグゼクティヴ・プロデューサーはバーティル・オールソン、監督は「ライトスタッフ」のフィリップ・カウフマン、ミラン・クンデラの原作を基にジャン=クロード・カリエールが脚色。撮影はスヴェン・ニクヴィスト、オリジナル音楽はマーク・アドラー、アラン・スプレット選曲によりレオシュ・ヤナーチェクの楽曲が全篇に配されている。編集はB・シアーズ、ヴィヴィアン・ヒルグローヴ、ステファン・A・ロッターが担当。出演はダニエル・デイ・ルイス、ジュリエット・ビノシュほか。

1987年製作/171分/アメリカ
原題または英題:The Unbearable Lightness of Being
配給:松竹富士
劇場公開日:1988年10月29日

ストーリー

68年のプラハ。トマシュ(ダニエル・デイ・ルイス)は、有能な脳外科医だが、自由奔放に女性とつき合っている独身のプレイボーイ。画家のサビーナ(レナ・オリン)も、そんな彼の数多い女ともだちの1人。2人が逢う時は、必ず、サビーナが大切に保存している祖先から伝わる黒い帽子と楕円形の鏡がそばに置かれていた。ある日トマシュは出張手術に行った先でカフェのウェートレス、テレーザ(ジュリエット・ビノシュ)と出会う。トマシュの本を読む姿に惹かれたテレーザは、トマシュのアパートに押しかけ、2人は同棲生活を始める。トマシュにとっては、初めての女性との深いかかわりだった。トマシュとサビーナの計らいで写真家としての仕事を始めたテレーザ。トマシュは、相変わらずサビーナとも逢い、一方で、共産主義の役人たちを皮肉ったオイディプス論なども書いていた。やがてソ連の軍事介入--チェコ事件が始まり、サビーナは、プラハを去り、ジュネーブへと旅立つ。追いかけるようにしてトマシュとテレーザもジュネーブヘ向かう。相変わらず女性と遊んでいるトマシュにイヤ気がさし緊迫したプラハへと戻ってしまうテレーザ。大学教授フランツ(デリック・デ・リント)と交際していたサビーナもアメリカへと去る。テレーザを追ってプラハに戻ったトマシュだったが、プラハは以前のプラハではなかった。オイディプスの論文が原因で外科医の地位もパスポートも失ったトマシュは、テレーザと共に田舎に行き、農夫としてひっそりと暮らし始める。カリフォルニアで新生活を始めていたサビーナのもとに1通の手紙が届いた。それはトマシュとテレーザが事故で突然死んだという知らせだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第46回 ゴールデングローブ賞(1989年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀助演女優賞 レナ・オリン
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映画レビュー

3.0ミランクンデラの原作も読みましたが、チェコスロバキアが当時に共産主...

2024年9月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

ミランクンデラの原作も読みましたが、チェコスロバキアが当時に共産主義圏で、医師の当映画の主役が新聞に体制批判の投稿記事を書き、それが原因で掃除夫になり、掃除夫になったがその掃除を依頼した主婦と抱き合ってますが、最期がジュリエットビノシュとペットの犬と地方に引き籠もりますが、体制側の共産党に居場所がばれて亡くなったようで、チェコスロバキアがプラハの春事件があった地域で、ソ連の軍が戦車で乗り込んで来る映像を観たことがありますが、NHKの名著de100分に当時に米国人の歌い手のルーリードが流行り、共産主義圏で一般に言われる自由をだけでなく同性愛の自由をも求めていたそうで、女子テニス選手のマルティナナブラチロワがそのチェコスロバキア出身者で同性愛者で米国人になってますが、また冗談も読みましたが、スターリンの息子も第2次世界大戦に軍人として参加したが、ドイツの捕虜になり、その捕虜収容所に英国人もいたと思うが、そのスターリンの息子が生まれ育ちが良過ぎてなのか大便の仕方が分からなく、多分彼が入った後の便所が汚く、その噂を立てられてなのか、その収容所を逃げ出そうとしてその収容所を覆う電流が流れるその鉄条網に突っ込んで死亡、自殺と思うが

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39stepbacK

5.0愛という「重さ」とセックスという「軽さ」

2023年12月26日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

楽しい

幸せ

今年の春作家ミランクンデラが亡くなったことを知ってもう一度この映画を見てみたいと思っていた、
40年前学生の頃に観て心に残っていた映画

脳外科医のトマシュ、ダニエル・デイ=ルイス
プラハのテレーザ、ジュリエットビノシュ
アーティストのサビーナ、レナオリン
みんな愛らしく個性的な。
ジュリエットビノシュの愛らしさにひさびさにグッとくる
彼女が囁くように「トマシュ」というセリフに何度もグッと来る

若かりしダニエル・デイ=ルイスは存在と演技として圧巻。
「エバースマイルニュージャージー」やこの作品のような二枚目半の彼がいちばん好きだった。
「軽さ」の象徴として画面に佇み、時にはテレーザやサビーナを見る側にいくものの彼の存在あってこそ。

写真家クーデルカが撮ったチェコへのソビエト侵攻の写真に驚いたことがあったせいでチェコ、プラハが春を迎えてからどうなっていったのかには興味があったからトマシュとテレーザが一度出たプラハへ戻ってからは切なさが画面に溢れる

この物語がどうやって終わるかすっかり忘れていた、
しかしあのたしかで美しい幸福感に満ち溢れた時間とトマシュの最後の台詞に涙した

流れる音楽や彼彼女のファッション、ランジェリーもすばらしく、
フィリップカウフマンの演出とセンスはこの映画がいちばん発揮されてるのかも、と思わせられた。
文句無く良い映画。
出てくる俳優たちの気持ちに寄り添い
物語の中に入っていって
その人物と物語を反芻する。

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yep11016

2.5この映画の一番良いところは、題名です

2022年8月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

開始からだいたい30分後、ビノシュの顔のアップが裏焼きでした。頬のほくろは右にあるはずが、左にありました。画家のサビーナと一緒に、マン・レイの写真を見ている場面です。
恋愛の話でありながら、人を描いたというより、出来事を描いただけ。
ソ連の軍事侵攻の際、テレーザが命を賭して写真を撮り続けたくだりも、そこまで彼女を突き動かしたものが見えてこない。
良かったのは、ビノシュの可愛らしさと、サビーナとのセックスシーンのエロさと、題名の秀逸さ。

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マツドン

1.0ブラハの春覚えています。夏の登校日に社会の先生に聞きました。僕は『じゃ今はフラハの夏ですね』と言ったら怒られた

2022年7月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

男目線の三角関係映画。言うに及ばず、医者である事以外、何一つ良いところが無いと思うが、まぁ、あの芸人見たく変な所でやらないだけ良いが。
女をだまし、行為に至る場合、やはり、避妊具のお世話になるだろうと思った。限られたフィルムでストーリーを作るのだから、いきなりは仕方ないと思うが、なんか、男目線の演出何だよね。
先輩に二十年以上前に見てみろ。て言われて見たが、面白くなかった。映画の中で資本主義での乱痴気騒ぎも皮肉っていたが『ある画家の数奇な運命』でも描かれていたが、イデオロギーはどーなんだろう。これこそ、ラブコメでしょう。

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マサシ