ゼンダ城の虜(1952)
劇場公開日:1953年5月10日
解説
英国の作家サー・アンソニー・ホープの同名小説(1894年)、3度目の映画化で、「黒騎士」と同じくパンドロ・S・バーマンが製作し、リチャード・ソープが監督したテクニカラー1952年作品。ホープの原作からエドワード・ローズが劇化したものをウェルズ・ルートが潤色し、ジョン・L・ボルダーストン(セルズニックの映画化作品の脚色担当)と「黒騎士」のノエル・ラングレーが脚色した。撮影は「フォーサイト家の女」のジョゼフ・ルッテンバーグ、音楽は「荒野の襲撃」のアルフレッド・ニューマンの担当。主演は「血闘」のスチュワート・グレンジャー、「キング・ソロモン」のデボラ・カー、「五本の指」のジェームズ・メイスンで、ルイス・カルハーン「アニーよ銃をとれ」、ジェーン・グリア「船乗りシンバッドの冒険」、ロバート・ダグラス「黒騎士」、ロバート・クート「血闘」らが助演する。
1952年製作/96分/アメリカ
原題または英題:The Prisoner of Zenda
配給:MGM映画日本支社
劇場公開日:1953年5月10日
ストーリー
1897年、国王ルドルフ5世(スチュワート・グレンジャー)の戴冠式を間近にひかえた欧州の王国ルリタニアに、英国の青年ルドルフ・ラッセンダイル(スチュワート・グレンジャー=2役)が休暇を過ごしにやって来た。ある日彼が、国王や側臣たちとふと出会った時、彼らはルドルフが国王と瓜2つの顔であることを知って驚いた。戴冠式の前夜、国王はルドルフを招いて酒宴を催したが、その折、国王は何者かに毒酒を飲まされ、昏倒してしまっった。これはかねて王位を狙っていた異母兄弟マイケルの陰謀で、彼は美しいフレイヴィア姫(デボラ・カー)との結婚も企んでいた。ルドルフは側臣に請われるままに王の身代わりとして戴冠式にのぞんだが、マイケルをはじめ誰も彼を疑う者もなく、フレイヴィア姫も何時にない国王の優しさに心からの愛情を抱いた。その間に本物の国王はマイケルの腹臣ルパート(ジェームズ・メイスン)によってどこかへ埒拉された。もし王が王座に就かなければフレイヴィア姫はマイケルと結婚せねばならぬと聞いて、ルドルフは国王が救出されるまで身代わりになることを承知した。一方、マイケルとルパートは、彼らの陰謀がばれることを恐れて、ルドルフの替玉を暴露する訳に行かず、まずルドルフを殺して国王として葬り、次いで国王を殺そうと謀った。マイケルは自分の情婦アントアネット(ジェーン・グリア)にルドルフをおびき出させようとしたが、彼女はアミケルと姫との結婚を快く思っていないのでルドルフの命を救い、更に国王がゼンダ城に幽閉されていることを告げた。ルドルフは国王救出を決意したが、そこへルパートが訪れ、身代わりの事実を知る者を皆殺しにして、2人でこの国を手に収めようともちかけたが、ルドルフに笑殺されると本性を現し彼を殺そうと挑みかかってきた。しかし、失敗して逃げ去った。ルドルフはアントアネットの案内でゼンダ城に忍び込んだ。その頃城内ではマイケルが内輪もめでルパートに殺されていた。ルドルフはルパートに会うや、たちまち激闘を展開、そこへ救援隊が到着して国王は無事救い出され、ルパートは一人逃れ去っていった。自由の身になったルドルフは帰国にあたってフレイヴィア姫に同行を求めたが、女王になるべき運命を悟った姫はそれに応じなかった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・ソープ
- 脚色
- ジョン・L・ボルダーストン
- ノエル・ラングレー
- ウェルズ・ルート
- 原作
- アンソニー・ホープ
- 原作戯曲
- エドワード・ローズ
- 製作
- パンドロ・S・バーマン
- 撮影
- ジョセフ・ルッテンバーグ
- 美術
- セドリック・ギボンズ
- ハンス・ペーターズ
- 音楽
- アルフレッド・ニューマン
- ダグラス・シアラー
- 編集
- ジョージ・ベームラー
- テクニカラー・カラー・コンサルタント
- ヘンリー・ジャッファ
- ロバート・ブロウアー