前世紀探検隊

劇場公開日:

前世紀探検隊

解説

チェコ・アニメーションの創設者のひとりとして知られる巨匠カレル・ゼマンが、時間をさかのぼって古代世界を旅する少年たちの冒険を描いた名作SFトリックフィルム。

ボートに乗って“時間の川”を進む4人の少年たち。やがて古代世界にたどり着いた彼らは、ブロントサウルスやティラノサウルスなど生きた恐竜たちに遭遇し、大迫力の恐竜バトルを目撃、そして未知の生き物を発見する。

2022年に特集企画「チェコ・ファンタジー・ゼマン!」で上映。

1955年製作/93分/チェコスロバキア
原題または英題:Cesta do Praveku
配給:アンダソニア
劇場公開日:2022年4月24日

その他の公開日:2003年8月23日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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(C)Muzeum Karla Zemana

映画レビュー

3.0特撮史。

2022年5月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

こういった作品がジュラシックワールドにつながるのか、と。この時代からステゴザウルスとティラノのバトルが見れるなんて。三葉虫から進化の歴史。すごいなー、ロマン。

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peanuts

4.0恐竜は…

2022年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

恐竜は実はそんなに出てきてない気がして、そこはちと残念でしたが、
出てる場面は気合感じたな。
少年の冒険物で、細かいことは考えずに感じる系の映画ですが、なかなかハードなエピソードも揃ってるし、年配の部類に入る自分としては「懐かしいなぁ、この感じ」と微笑ましく鑑賞した。
特撮やら技術的な云々より、ゼマンって子供の世界を描くの上手いなぁ〜とそっちにも感心してしまった。
天然故のまったり加減は好みが別れるところかもね。

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胃袋

3.0ストップモーションによる恐竜対決の原型がここに! 少年たちの時代遡行を描くファンタジーSF。

2022年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

Kシネマのカレル・ゼマン特集参加初日の1本目。
チェコ・アニメは決して詳しいほうではないが、シュヴァンクマイエルの作品はおそらくすべて観ていて、イジー・バルタも公開作はだいたい観ている。トルンカ、ポヤルも特集上映のたびに相応の本数を鑑賞しているものの、カレル・ゼマンをきちんと観るのは初めてだ。予備知識もほとんどない。良い機会なので、上映十本はすべて観る予定でいる。

まあ、面白かったかと言われると、大して面白くはなかったかな(笑)。
歴史的価値の高い映画であることは重々理解するけど、個人的に「特撮」や「ストップモーション」それ自体への偏愛や思い入れはほとんどないので、その初期形態を見せられても、チャチいなあくらいの感想しか湧かなくて……。ほんと、ごめんなさい。

お話自体、明らかに子供向けであまり凝った部分がなく、冒頭に呈示される「日記」をひもとく形で、少年4人の時間遡行旅行を比較的淡々と描く。
氷河期、第三紀、白亜紀、シルル紀(だったっけ?)と地質時代の様子を観察していくのだが、血沸き肉躍るというよりは、遊園地のライド・アトラクションのように、道程に沿って様々な生物や恐竜を川沿いから遠目に眺めるつくりが基本。合間に展開される少年たちの「冒険」も、「探検」というよりは、洞窟発見とか宿営地設営とか、「ボーイスカウトあるある」みたいなのんびりしたノリだ。

なんとなく、全体にゆるい作りで、第三紀を探検しているはずなのに、その実態はアフリカとアマゾンに今生きている動物たちとの遭遇だし、両者が完全にまざっちゃってるのはどうなんだろう。
時間を「遡行」する旅行で、これ以上進めない湿地にたどり着くわけだけだから、おそらく川を「さかのぼっている」のではないかと思うのだが、それで「海にたどり着く」のはさすがにおかしい気がするし、そもそもお前ら帰りはどうしたんだよ、てのは言いたくなるよね。
四六時中個人行動をとって迷子になる最年少とか、水中に落とされまくる「日記」とか、他にもいろいろ気になるところは散見されるのだが、あまり細かいこと気にしても仕方ないんだろう……。

アニメパートでやはり印象に残るのは、ステゴサウルスとティラノサウルスの恐竜大決戦。
そのあと、子供たちに登らせるために、わざわざ実物大のステゴサウルスを作って出してくるのも素晴らしい(なんか、皮膚がボルダリング・パネルみたいになってるw 公園に設置したい!)。
あと、古生代に入ってのシダ林の造形や、イクチオステガ(だよね?)の動きなども、いい感じだった。とはいえ、この後観た15年後の『彗星に乗って』の恐竜ストップモーションのほうが、やはり圧倒的に技術的には上だったような。
三葉虫に始まり、三葉虫に終わるラストは、とても気が利いている。

総じて、本作は「子供向け」の「教育映画」として作られている気配が濃厚で、各地質年代の簡単な説明があるだけでなく、「科学的推測とフィクションの違い」だとか、「手を出したり持ち帰ってはいけない、観察して記録することが大事」といった、「科学に対する心構え」がそこかしこで語られるし、団体行動の掟や屋外キャンプの基本など、ボーイスカウト的なノウハウにも言及が成される。
ストップモーションも含めて、大人を感心させるより、まずはメイン視聴者である「子供」に喜んでもらうことが第一義の映画なのかもしれない。

子供の冒険心や科学的探究心をくすぐり、未来につなげるという意味では、意図の通りに成功している映画なのではないか。
これを虚心に楽しめなかったってのは、どちらかといえば、少年時代の無垢な心を喪ってしまった僕の側の責任でしょう。

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じゃい

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