Z
劇場公開日:1970年11月21日
解説
ギリシャで実際にあった革新政党の政治家暗殺事件をモデルにしたヴァシリ・ヴァシリコスの小説の映画化。製作担当はジャック・ペランとハーメッド・ラチェディの二人。監督は「七人目にかける男」のコスタ・ガブラス、脚本は「戦争は終った」のホルヘ・センプランとコスタ・ガブラスの共作。撮影は「中国女」のラウール・クタール、音楽は「その男ゾルバ」のミキス・テオドラキスがそれぞれ担当。出演は「戦争は終った」のイヴ・モンタン、「悪い奴ほど手が白い」のイレーネ・パパス、「殺しが静かにやってくる」のジャン・ルイ・トランティニャン、「未青年」のジャック・ペラン、ほかにレナート・サルヴァトーリ、ジョルジュ・ジェレ、ジャン・ピエール・ミケル、ベルナール・フレッソン、ジャン・ブイーズ、シャルル・デネール、マルセル・ボズフィなど。七〇年アカデミー最優秀外国映画賞、六九年カンヌ映画祭審査員特別賞等受賞。
1969年製作/127分/フランス・アルジェリア合作
原題または英題:Z
配給:コロムビア
劇場公開日:1970年11月21日
ストーリー
地中海に面した架空のある国で、反政府の勢力が日増しに大きくなっていった。その指導者はZ氏(Y・モンタン)であった。大学教授であり、医学博士であった彼は、党員ではなかったが、正義への情熱に燃える彼の行動は、政府を脅やかしていた。その為、政府は彼の日常に、さまざまに圧力を加えていた。そうしたある日、町で開かれた集会に、演説に向かった彼は、暴漢に襲われ、妻エレーヌ(I・パパス)の到着を前に、息をひきとってしまった。警察と憲兵隊では、自動車事故から起きた脳出血が、彼の死因であると発表。予審判事(J・L・トランティニャン)も事故死と判定し、訴訟を打ち切ろうとしたが、Z氏の友人たち、エール(J・P・ミケル)、マット(B・フレッソン)、ピルゥ(J・ブィーズ)、マニュエル(C・デネール)の証言から、本格的調査に乗り出した。そして、直接の死因が二度の頭部打撲と判明、さっそく運転手のヤゴ(R・サルバトーリ)が逮補された。そして家具師のニック(G・ジェレ)が、ヤゴの犯行を裏づける証言をしたが、その彼も暴漢に襲われ、入院してしまった。判事は調査を急いだ。そして、ニックを取材した新聞記者(J・ペラン)も、判事に協力。やがて、マニュエル、ピルゥ、ヤゴともう一人の運転手ガヤ(M・ボズフィ)が、警察組織の一員らしいことをつきとめた。もはや、政治的な計画殺人の容疑は濃厚であった。ついに、判事は意を決し、警察組織の要人を告訴。だが、この時、七人の重要な証人が突然行方不明になり、それとタイミングをあわせるように当局は、Z氏事件は警察組織とは無関係であると発表した。権力はその無気味な力で事件を闇の中につつみこみ、その混乱に乗じて権力増大をはかった。しかし、古代ギリシャ語の《Z》は象徴している、彼は生きていると。
スタッフ・キャスト
- 監督
- コスタ=ガブラス
- 脚本
- ホルヘ・センプラン
- コスタ=ガブラス
- 原作
- バシリ・バシリコス
- 製作
- ジャック・ペラン
- ハーメッド・ラチェディ
- 撮影
- ラウール・クタール
- 音楽
- ミキス・テオドラキス
- 編集
- フランソワーズ・ボノー