すべてをあなたに(1996)

劇場公開日:

解説

64年、1曲のヒットを残して消えたロックバンドの若者たちの成功と挫折を描いた青春映画。俳優トム・ハンクスの初監督作で、「フォレスト・ガンプ 一期一会」「アポロ13」と当時のアメリカの世相を反映した映画に出演した彼が、音楽の世界からアメリカ近代史の変革にアプローチしている。劇中の楽曲は全てオリジナルで、ビートルズなど当時のヒット曲のニュアンスを完璧に再現し、ファッションや風俗なども含めたディテールの細かさが楽しい。ハンクス主演、ジョナサン・デミ監督の「フィラデルフィア」の作曲家ハワード・ショアの原案を、ハンクスが脚色。製作はジョナサン・デミ(映画監督役で出演も)、彼とクリニカ・エスティコを主宰するゲイリー・ゴーツマンとエドワード・サクソンの共同。撮影は「羊たちの沈黙」などのデミ作品や、「ジャイアント・ピーチ」のタク・フジモト。音楽もデミ組の常連ハワード・ショアがスコアを書き、ハンクスが挿入歌の作詞・作曲と共同プロデュースも担当。主演は「キルトに綴る愛」のジョナサン・シャーチ、映画初出演のトム・エヴェレット・スコット、「リアリティ・バイツ」のスティーヴ・ザーン、「白い嵐」のイーサン・エンブリー、「魅せられて」のリヴ・タイラーらの若手キャスト。ハンクス夫人で「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のリタ・ウィルソン、「ア・フュー・グッドメン」のケヴィン・ポラック、そしてハンクス自身らが脇を固める。

1996年製作/110分/アメリカ
原題:That Thing You Do!
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1997年2月15日

ストーリー

1964年、ペンシルヴァニア州エリー。ドラムのガイ(トム・エヴェレット・スコット)、作曲兼リーダー格のジミー(ジョナサン・シャーチ)、リード・ギターのレニー(スティーヴ・ザーン)、ベース・プレイヤー(イーサン・エンブリー)から成るワンダーズは、地元のバンド・コンテストで『ザット・シング・ユー』を演奏し、大ウケして優勝。早速、街のライブハウスに出演すると、連日超満員。自主製作のレコードも跳ぶように売れ、彼らに目をつけたライブハウスの常連客ホレス(クリス・エリス)がラジオやテレビに売り込んだ。初の大ステージはブーイングで失敗するが、プレイ=トーン・レコードの大物ミスター・ホワイト(トム・ハンクス)がメジャー契約を申し出た。ジミーの恋人フェイ(リヴ・タイラー)も衣裳係として雇われる。『ザット・シング・ユー』はヒットチャートを急上昇し、ツアーも大成功するが、彼らの身辺も変わった。ガイのガールフレンドのティナは、忙しい彼から去り、ジミーはフェイがいながらシンガーのダイアンに接近。ベース・プレイヤーにもレニーにも、ガールフレンドができた。彼らの人気は鰻登りで映画にも出演するが、2曲目のレコードはなかなか出してもらえない。ジミーは会社に不信感を持つが、フェイは彼の才能を信じて励ます。全国ネットの人気番組『ハリウッド・ショウケース』に出演が決まったが、ベース・プレイヤーが現れず、ホワイトが代役を探してきて本番に臨む。10代の女の子たちが熱狂的な歓声を上げ、ホットな演奏風景が中継されるが、「ジミーには婚約者がいます」とのテロップが流れる。これを入れさせたのはフェイだと思い込んだジミーは、彼女と大ゲンカして2人の間の亀裂は決定的に。テレビの成功で新曲の録音が決定するが、バンドはバラバラ。ジミーとガイの友情は壊れ、レニーは恋人とベガスで結婚式を挙げ、ベース・プレイヤーは行方不明。ジミーの曲は採用されず、バンドは解散の憂き目に遭う。スタジオに残ったガイが一人でドラムを叩いていると、憧れのピアニスト、デル・パクストン(ビル・コッブス)が現れて一緒に演奏し、音響マンが録音してくれた。夢のように出来事が彼に希望を取り戻させた。いつしかフェイを愛していたことに気づいた彼は、故郷に帰ろうとする彼女を抱きしめてキスをした。その後、メンバーはそれぞれの道を歩んだ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第69回 アカデミー賞(1997年)

ノミネート

主題歌賞

第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)

ノミネート

最優秀主題歌賞
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映画レビュー

5.0継続は力なり 金は大事だけど

2023年4月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

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しげる

3.5トム・ハンクス監督の爽やかで明朗快活な青春映画

2021年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

トム・ハンクス初監督作品。1964年にデビューして3か月で解散したロックグループ”ワンダース”のドラマーを主役にした、爽やかな青春映画。ハンクス監督の人柄の良さがそのまま映画になったようで、全く嫌味なく清々しい印象を受ける。脚本も自ら執筆して、勿論出演もと才能豊かな人だ。音楽のノリが映画のリズムとなって、作品全体が綺麗にまとまっている。私的には健康的過ぎて人間の毒が無さすぎるのが残念なのだが、これはこれで佳作だと思う。

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Gustav

4.0トムハンクスの人柄に酔う

2020年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza

5.0良作

2013年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

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Nabes
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