素直な悪女

劇場公開日:

解説

「わたしは夜を憎む」のブリジット・バルドー主演の人間葛藤を描いた一篇。バルドーの夫でマルク・アレグレの助監督をつとめ、「白き処女地」の脚色にも携ったロジェ・ヴァディムの第一回監督作品である。脚本はプロデューサーのラウール・J・レヴィとヴァディムが共同で書いた。撮影は「殺意の瞬間(1956)」のアルマン・ティラール、音楽は「首輪のない犬」のポール・ミスラキ。主演はバルドーと「反乱」のクルト・ユルゲンス、「乙女の館」のジャン・ルイ・トランティニャン。バルドーは、ヴァディムと「素直な悪女」完成後離婚した。

1956年製作/コロンビア・フランス合作
原題:et Dieu...Crea la femme
配給:コロムビア
劇場公開日:1957年5月21日

ストーリー

南仏サン・トロペーズの町の孤児ジュリエット(ブリジット・バルドー)は、子供のないモラン夫婦に引取られた。まだ十八歳という若さでいて、彼女のあふれるばかりの性的魅力には、さまざまな男たちが集って来た。酒場の主人エリック(クルト・ユルゲンス)、内気で病弱なミシェル(ジャン・ルイ・トランティニャン)、その兄で美青年のアントワーヌなどで、おまけに中風で動けないモラン氏でさえ、日光浴中のジュリエットを盗み見て楽しむ始末だった。ジュリエットは男たちの中でも一番好意を持っているアントワーヌと、或る夜ダンスに行き、唇を許した。そして、商用でツーロンに行く彼に同行しようとまで考えたが、アントワーヌが多情と聞くと、彼をさけてエリックのヨットに逃げた。傷心のアントワーヌは一人で旅立った。次第にジュリエットがねたましくなったモラン夫人は、彼女を孤児院へ帰そうと決心した。これを知ったエリックが、彼女を町に留めておくため、ミシェルに彼女との結婚をすすめた。申し込みを受けはしたものの、ジュリエットは彼を愛してはいなかった。しかし、彼の優しさと誠実さに、心底から夫を愛しはじめ、幸福な結婚生活が始った。そこヘアントワーヌが帰って来た。それはミシェル夫婦を苛だたせるばかりだ。ジュリエットとアントワーヌは、憎みながらも、互に魅かれていたのだ。或る日、溺れかかったジュリエットをアントワーヌが救ったことから、二人の感情が爆発した。二人の関係がミシェルに知れると、恥しさのあまりジュリエットは姿を消した。彼女を連れ戻そうとするミシェルと、それをおしとどめるアントワーヌとの間に、激しい喧嘩が捲き起った。そのあと、キャバレーで酔いしれているジュリエットをみつけてミシェルは、家に連れ帰った。あやまちを許し、温い心で迎え入れようというミシェルの愛の強さに、ジュリエットは、彼こそただ一人の男と知るのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5三人の男がおもしろい

2024年2月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

Bバルドーを観るのが目的だったが、特に感動や驚きはなくわりと地味な印象の映画であったものの、気楽に観るのには悪くなかった。彼女はもちろん魅力的だったが、翻弄される男たちにもかなり焦点が当たっていて、そちらがなかなか面白かった。

一見地味に見えたミシェルには、なかなかやるじゃない!と感心した。
彼女のようなふわふわした人間をつなぎとめられるのは、彼のように地味で愛情深く頑固なものでしかないわけだ…。奔放な人間に意見を聞いたり説教してもしかたがない。無理矢理でも引っ張っていく。運命を共にすると決めた以上、生きるも死ぬも一緒という感じで、この男の意志は強く、実行力があった。
奔放人間の側にしても、そういう強制力でもなければ自分の居場所など到底決められない。

アントワープはもうどうしようもない(こんなタイプが実際には一番多い?)。でもエリックおじさんの方はなかなか興味深い。単なる好色金持ちと思いきや、世の中と人生を知る、真にこなれた大人の男だった。ジュリエットの中に、自分が好きだけれど否定してきたもの、を見出す。そして自分自身も刺激され、ザワザワと動揺はする。最後までスマートで思慮深く判断も現実的だったが、ザワザワ動揺するところがピュアで、何とも大人可愛い。

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あま・おと

4.0制御不能

2021年6月8日
Androidアプリから投稿

ちょっと前に J・フォンダのヴァディム映画を観たので なんとなく
二人の女優の体型チェックをしてしまった

あまり筋肉を感じさせないフォンダ体型の方が好きかな… と、思ったが
映画後半で バレエで鍛えられたバルドーの筋力も感じさせる破壊力、パンチ力を
見せつけられた

孤児という設定だったが、里親をたらい回しにされたモンローがそうであるように
親がいないか養育不能だった彼等は生きる術として
無意識に相手に気に入られようとしてしまうらしい
それでいて無防備、というのもあるだろう

おまけにあのボディでは…
(しかし 自慢のボディラインは常に強調されている!)
(気に入られる対象は男に絞られる)

男達を強烈に惹き付けるが
本人もわけがわからなくなり爆発
というストーリーだろうか?

音楽と踊りが 心身を解放して
高揚してゆく様子は スリリング

ちょっと フレンチロリータっぽいかな

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jarinkochie

2.5セクシーさで売るブリジットバルドー

2021年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ブリジットバルドー扮する孤児院から来たジュリエットは全裸で日光浴をする様な娘だ。ちまたでは悪女とかあばずれとかふしだらとか噂されていた。何とも奔放で男好きの彼女に皆振り回された。ジュリエットは、素行が悪く孤児院へ戻されそうになり結婚を選んだ。当時22歳、セクシーでスタイルの良いブリジットバルドーありきの内容だったね。

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重

3.5こんな小さな田舎町が似合う女ではないだろう

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

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Cape God
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