ステージ・ドア

解説

「男装」「女性の反逆」のキャサリン・ヘップバーン、「踊らん哉」「ロバータ」のジンジャー・ロジャース、「オーケストラの少女」「銀盤の女王」のアドルフ・マンジュウが主演する映画で、エドナ・ファーバーとジョージ・S・カウフマン合作の舞踏劇に基いて「オペラは踊る」のモリー・リスキンドと「目撃者(1936)」のアンソニー・ヴェイラーが協力脚色し、「襤褸と宝石」「社長は奥様がお好き」のグレゴリー・ラ・カヴァが監督にり「女性の反逆」「証人席」のロバート・デ・グラスが撮影した。助演者は「襤褸と宝石」のゲイル・パトリック、「踊る騎士」のコンスタンス・コリア、「大自然の凱歌」アンドリア・リーズ、「恋の歌」のルシル・ボール、「丘の一本松」のサミュエル・S・ハインズ、「靴を脱いだ女」のフランクリン・バングボーンでなおアン・ミラー、キャサリン・アレクサンダー、ラルフ・フォーブス、メアリー・フォーブス等も出演している。

1937年製作/アメリカ
原題または英題:Stage Door

ストーリー

ニューヨーク市にある脚光倶楽部は、野心と希望に燃え立つ女優志願の若い娘たちが日夜をすごす下宿である。彼女等は脚光を浴び満場の客席から喝采を受ける夢想を力に生きている。その1人はリンダである。彼女は有名なプロデューサーたるアンソニー・パウエルを旦那にしているので、どうやら心配なくやって行ける。しかしケイは1年ほど努力して物になりかけているのに、もう資力が尽きて殆ど餓死同様の暮らしをしている。皮肉屋で口達者なジーンは、舞台の成功を願いながらナイトクラブの踊子をして生活をたてている。それから南部生れのメアリー・ルーや田舎の町から出て来たジュディスがいる。イーヴ、ボビィ、スーザン等もいる。皆一様に舞台への成功熱に輝いているのだ。この脚光倶楽部に、ある日のこと一見ブルジョア育ちと見えるテリイ・ランダルが来て住まうことになった。彼女も同じ様に舞台熱に浮かされているが、自分の芸の力だけで認められようと決心している。ジーンが彼女と同室することになったが、性質も教育も環境も違う2人はその日から口喧嘩を始めるのだった。理想派のテリイに対して、ジーンはそれよしも名声がたいせつだと思うようになった。彼女はパウエルが近頃リンダに飽きたのを知って、巧みに彼と知合いになる。彼はジーンを贅沢なアパートに招待して夜食を共にした。彼女はパウエルの申し出を聞き、舞台の名声を得るためならばと承知する。しかし涙ながらにジーンは云った。その代り彼も妻と別れて自分と結婚してくれなければと。もちろんパウエルは巧みに話をそらした。テリーには思いがけぬことが起った。彼女の父親で富豪のヘンリー・シスムは、娘に主役をつける条件でパウエルの金主となった。父の考えは娘が失敗した舞台を思い切るであろうというのだ。脚本は「魅惑の4月」と決まる。ケイはこの脚本なら主役は自分に来ようと稽古を始めたが、それはテリーの主役と決まったので深く失望する。しかし彼女はそれを隠してテリーに細々と芸を教えてやった。そして初日の晩、生甲斐を失ったケイは窓から身を投げて命を絶つ。ケリーは教えられた通りに熱演し大成功を得た。芝居が終ると彼女は不幸なケイの死骸に涙ながらに感謝した。ジーンはパウエルを忘れて仲良しの青年と連れ立って歩く。ジュディスは田舎へ帰り、ルーは端役につく。娘たちはやはり舞台への憧れを力に生きている。

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映画レビュー

4.0これは隠れた名作であり、素晴らしい人間ドラマだ。

2024年9月28日
PCから投稿

NYの下宿寮を舞台に、演劇女優を目指す女性たちの悲喜こもごもを描いた、感動的な人間ドラマ。女性たちは、ライバルでありながら、互いに支えあって生きていく。 名作だが、語られることが多くない作品だ。キャサリン・ヘプバーン(役名:テリー)の代表作の1つと言って良いくらいの名演だが、ジンジャー・ロジャース(ジーン)やアンドレア・リーズ(ケイ)の好演も注目。 主人公の成功物語としては、賛否が割れるかもしれない。話の展開にブレがあり、大団円に無理があると思う人もいるだろう。上映時間が短すぎる(92分)し、もっと丁寧に描けばよかったかも。 とはいえ、私自身は、最後まで楽しませてもらった。女性たちの丁々発止のやり取りや、キャラクター描写がとても良い。後世のバックステージもの、アンサンブルドラマに多大な影響を与えたと思われる、素晴らしい人間ドラマだと思う。

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瀬戸口仁