知りすぎていた男

劇場公開日:

解説

英国時代にヒッチコックが作った「暗殺者の家」の再映画化で、原作はチャールズ・ベネットとP・B・ウィンダム・ルイス。脚色は「ハリーの災難」のジョン・マイケル・ヘイズとアンガス・マクフェイル、撮影監督は、「ハリーの災難」のロバート・バークス。音楽はバーナード・ハーマン。主演は「カービン銃第1号」のジェームズ・スチュアートと「情欲の悪魔」のドリス・デイ。

1956年製作/アメリカ
原題:The Man Who Knew Too Much
配給:パラマウント映画

ストーリー

アメリカの医者ベン・マッケナ(ジェームズ・スチュアート)はブロードウェイのミュージカル・スターだったジョー夫人(ドリス・デイ)と、7歳になる息子ハンクを連れて、パリでひらかれた医学会議に出席した後フランス領モロッコへ旅をした。カサブランカからマラケシュへ行く途中、バスの中でマッケナ夫妻がアラビア人の男に捕って困っているとき、ルイ・ベルナール(D・ジェラン)というフランス人の若い男に助けられる。マラケシュに着いた時、ベルナールをカクテル・パーティにさそう。ベルナールは後で一緒にアラビア料理店へ行くことを条件として招待に応じる。その夜マッケナ夫妻はホテルにベルナールを招く。数分後、ノックの音が聞こえて、ジョーがドアを開けると1人の男が廊下に立っていた。その男はベルナールの姿を見つけると、部屋をまちがえたと云って、あわてて帰って行く。突然ベルナールはベンとジョーをアラビア料理店に連れて行くことが出来なくなったと云い急いで部屋を出て行った。マッケナ夫妻が2人だけで食事に出かけるとイギリス人のドレイトン夫妻がジョーの姿を認めて話しかけてきた。翌日、ベンとドレイトン夫妻と一緒にマラケシュの市場を見物に出かける。辺りがさわがしくなって、1人のアラビア人が何者かに殺される。アラビア人は息をひきとるまえにベンの耳に秘密を告げた。しかも、アラビア人と思ったのは、ルイ・ベルナールの変装だった。マッケナ夫妻は証人として警察に連れて行かれた。ドレイトン夫人はハンクを連れてホテルに帰る。ベンに不思議な電話がかかる。ベルナールが最後に云った「アンブローズ・チャペル」という謎の言葉を話したらハンクを殺すという脅迫だった。ベンはハンクのことが気になるので、一緒にきたドレイトンを先にホテルに帰らせて様子を探らせることにする。マッケナ夫妻が釈放されて、ホテルに戻るとドレイトン夫妻はすでにモヌケのカラ。ベンとジョーは後を追ってロンドンに向かう。ロンドンに着くと、ブキャナン警視が待っていて、ハンクの誘拐されたことを知っており、ベルナールは暗殺計画を知るためにマラケシュに派遣されたフランスのスパイだったと告げる。ベルナールの最後の言葉だけが謎をとく鍵であるとブキャナンは云ったが、ハンクの生命が危険にさらされるのをおそれて、ベンは謎の言葉を教えることを拒んだ。ベンは「アンブローズ・チャペル」という言葉をたよりに捜査を続け、それが教会であることを知る。ドレイトンはこの教会を預かっている牧師で、暗殺計画はこの礼拝堂を中心に画策されていた。ベンは教会の中に入りハンクを救い出そうとするが、ドレイトンに妨げられ、ハンクは大使館に連れて行かれた。暗殺はアルバート・ホールの音楽会で、ヨーロッパの某国の首相を倒すことだった。一方、ジョーは事情をブキャナンに知らせるためにアルバート・ホールへ赴いたが、音楽会に来ている筈なのに姿が見えなかった。狙われている首相の正面のボックスに暗殺者のリアンがいる。リアンはオーケストラに耳をすませて機会を待っていた。ベンが教会からかけつけてきた。暗殺はシンバルが鳴ると同時に行われる。リアンがピストルをかまえて狙う。ジョーは叫び声をあげ、ベンがリアンにおどりかかる。リアンは逃げようとして、ボックスに落ちて死ぬ。ベンはハンクが大使館に監禁されていることをブキャナンに告げて、救助を頼むが、大使館は治外法権になっているので、捜索は不可能だった。ジョーは大使館のパーティにベンとともに招いて貰う。ジョーはパーティで得意の歌をうたい、ハンクに聞かせて口笛でこたえさせようとした。ベンはハンクの口笛をたよりに監禁されている部屋を探し出し、ドレイトンがハンクを連れ出そうとしているところに襲いかかる。ドレイトンは階段から足を踏み外して死ぬ。ベンとジョーはやっとハンクをとりもどし、悪魔のような事件から解放される。

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スタッフ・キャスト

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オソレゾーン

映画レビュー

3.5【”ケ・セラ・セラ”神に仕えし者の企み。ラストの銃口と音楽を交錯させたシーンは、興奮と緊張感を高める秀逸な演出である。】

2022年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

■ベン(ジェームズ・スチュワート)とジョー(ドリス・デイ)のマッケンナ夫妻は、息子・ハンクと共に休暇でアメリカからモロッコを訪れていた。
 ところが、知りあったばかりのフランス人スパイ、ルイ・ベルナールがベンの腕の中で謎の言葉”ロンドンで重要な人物が殺される・・”を残して背中を刺されて死亡する。
 夫妻は息子が誘拐され、イギリスへ連れ去られたことを知り…。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・モロッコのどこか長閑なシーンから、ロンドンのアルバート・ホールで行われようとした、緊迫感溢れるコンサートシーンとの対比が見事。

・首相を”叫び声”で銃弾から救った歌手のジョーが、皆の前で歌う”ケ・セラ・セラ”がハンクの耳に届くシーンも秀逸である。

<今作は、某国大使館が企んだ演奏会のシンバルの音に合わせての首相暗殺シーンの緊迫感を抱いた演出が見事な作品である。>

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NOBU

4.5ヒッチコックらしいこだわり

2022年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

リメイクの作品とのこと(鑑賞後の製作ストーリーで知りました)でしたが、随所にこだわりと工夫があって、いいですね。もう現代ではレトロな電話などのシーンはあり得ないいっぽうで、スーツケースを携行して車を多用する旅行スタイルは今なお継承されており、少々の旅行者気分に浸れます。DVD鑑賞は、付帯の製作ストーリーが備わっていて、これがまたいいんですね。

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赤羽のプリンスおやじ(1960年生まれ)

1.0なんか、意味不明(細かいことは気にするな?笑)

2021年7月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

単純

寝られる

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ケイト

3.5巻き込まれていく、その先。

2021年5月22日
iPhoneアプリから投稿

一言「あー、もうどうなるん?!」

最近ヒッチコック監督の映画感想が多いのは。
NHKーBSで連日放送されているからなんです。
全然見てないしね。

最初は話の筋がよくわからす。脳内に?の嵐。
その割には飽きない。わからないのが、謎解き風なので興味深し。

夫(医師)と妻(歌手)と、息子(5歳位)。
呑気に乗合バスに乗っていたら、小さいトラブルに遭い。
それを機に次々、事件に巻き込まれていくのが「えらいこっちゃ」状態。

誰が黒幕?云々より、主人公が家族の危機を乗り越えていく、タフさや機転。
応援しちゃいました。先が見えないだけに。
時々ちょいコミカルな描写も、いいアクセント。

クライマックスのオーケストラシーン。
音にかき消されて、セリフが聞こえず。夫婦の身振り手振りのところは。
観客の想像力をかき立てて、余計盛り上がる。

“アカデミー賞歌曲賞を受賞した「ケ・セラ・セラ」はあまりに有名“。
「なぜ有名なのか」は、物語のキーポイントだったからかしら?。
全体を通して、その後の作品に影響を与えたところも感じられました。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「大使館は治外法権」

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ゆき@おうちの中の人
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