シャロウ・グレイブ

劇場公開日:

解説

共同生活を送る3人の若者に、降って沸いたような大金と死体をめぐる、ブラックなサスペンス。監督はテレビ演出から本作で長編映画デビューしたダニー・ボイルで、この「シャロウ・グレイヴ」と次作「トレインスポッティング」の2作のヒットで一躍注目を集めた。製作のアンドリュー・マクドナルドは、「赤い靴」などの監督エメリック・プレスバーガーの孫にあたる。脚本のジョン・ホッジは医者の出身で、監督のボイル、製作のマクドナルドと組んだ本作がデビュー作にあたり、引き続き「トレインスポッティング」の脚本も担当した。撮影のブライアン・トゥファノ、美術のケイヴ・クイン、編集のマサヒロ・ヒラクボはボイルとはテレビ時代から組んでいるスタッフで、次作「トレインスポッティング」にも参加。出演は「エンジェル・アット・マイ・テーブル」のケリー・フォックス、「死とコンパス」のクリストファー・エクルストン、「トレインスポッティング」のユアン・マクレガーほか。

1994年製作/88分/イギリス
原題または英題:Shallow Grave
配給:ケイブルホーグ
劇場公開日:1996年11月9日

ストーリー

グラスゴー。広くて洒落たフラットで共同生活をするジャーナリストのアレックス(ユアン・マクレガー)、医師のジュリエット(ケリー・フォックス)、会計士のデイヴィット(クリストファー・エクルストン)の三人は、もう一人のルームメイトを探しているが、スノッブな三人の趣味に合った人物はなかなか見つからない。結局、自称作家のヒューゴー(キース・アレン)をジュリエットが気に入り、同居人になった。だが間もなく、彼が自室で死んでいるのが見つかる。死体と共に残されたのは麻薬と、金の詰まったスーツケース。アレックスの提案で三人は警察には通報せず、死体は顔と指紋を破壊して森に埋め、大金を頂くことにした。ジュリエットとアレックスは有頂天になるが、デイヴィッドは次第に病的な傾向を見せ、金を屋根裏に隠して自分もそこに住み込み始める。一方ヒューゴーを追う麻薬組織の殺し屋二人組は、彼につながる証人を順繰りに殺していく。二人はついに三人のフラットにたどり着くが、デイヴィッドに殺害される。三人はこの死体も同じ場所に埋める。ジュリエットは密かに南米行きに切符を手に入れる。デイヴィッドは一層狂気の度合いを増していく。アレックスは新聞社で、森で発見された死体の取材を命じられる。ジュリエットはデイヴィッドの愛人になった。やがて警察が、埋められた三人の写真を手にフラットを訪れた。アレックスはしらを切るが、刑事(ドリン・マククレディ、ジョン・ホッジ)は、もしもの場合のためと言って連絡先を置いていった。その夜、アレックスは密かに刑事に電話しようとする。一方デイヴィッドは一人、金のスーツケースを持って旅立とうとしていた。そこにジュリエットが立ちふさがり、一緒に行こうという。だが彼の方でも、彼女の南米行きの計画を見破っていた。さらにデイヴィッドは電話を抱えたアレックスに襲いかかり、ナイフが彼の肩を貫通してアレックスは床に釘付けになる。そこへデイヴィッドの喉をジュリエットの持ったナイフが貫いた。ジュリエットはアレックスに刺さったナイフを靴を使ってさらに深く打ち込み、一人スーツケースを持って空港に向かう。翌朝、ジュリエットは札束がいつの間にか新聞にすり替えられていたことを知って愕然とする。本当の金は、アレックスが床の下に隠していたのだ。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0ダニー・ボイルの映画キャリアはここから始まった

2017年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

ダニー・ボイルの映画監督としてのキャリアは、スコットランドの最大都市グラスゴーを舞台にしたこのスタイリッシュな心理サスペンスで幕を開けた。冒頭、道路を疾走する映像からして既に画期的で、これが90年代初頭に撮られたとは思えない大胆さ。やがて3人の男女による新たなルームメイト探しは、「男の死体と残された現金」をめぐる攻防戦へと発展し、裏組織や警察なども巻き込みながら、それぞれが疑心暗鬼の螺旋階段へと陥っていく。
タイトルは「浅い墓穴」といった意味。本作では森の奥に掘られた穴や共同フラットの屋根裏などにまで視点を広げ、そのカメラワークは縦横無尽、かつ一向に留まるところを知らない。ボイル監督をはじめ、後に『トレインスポッティング』でその才気を爆発させるスタッフたちの「なにか爪痕を残したい」とする執念がビリビリと伝わって来る。ラストの顛末も含めて、ある意味『トレスポ』のプロトタイプとも言うべき創造性が充満した作品だ。

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牛津厚信

3.5リメイクしても面白いのでは?

2024年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

"スラムドッグ&ミリオネア"の監督のデビュー作だそうだ。30年前の映画なのだが固定電話とかPCを除き殆ど古さを感じさせない作品。スタートの映像と音楽が実に印象的な、90分に纏められたサスペンス。舞台になったグラスゴーには数日滞在したことがあるが、こんなに綺麗な街だっただろうか?編集がヒラクボなんとかさんという日本人だった。この脚本ならリメイクしても良いのではないか?

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Yohi

3.5大金が絡むと人間は狂ってしまう。 3人とも醜いので正直誰も応援でき...

2024年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

大金が絡むと人間は狂ってしまう。
3人とも醜いので正直誰も応援できないが、消去法で一番ましな男が生き残るということで、まずまずの終わり方だった。

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省二

4.0良作

2023年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

現代風にアレンジしても面白いとおもう。
当然だけど、ユアンさん若い!
ダニーボイル監督作品なんですね。
見応えありました。

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共感した! 4件)
けはえ