残酷人喰大陸

解説

現代文明の光がとどかぬ、石器時代さながらの原始生活を営むニューギニア島の奥地にカメラを持ち込んだドキュメンタリー。製作はロマノ・フィケーラ。監督は井出昭、脚本は金沢信二郎、撮影はジャンカルロ・グラツアーニ、音楽はリズ・オルトラーニが各々担当。

1974年製作／イタリア
原題または英題：Nuova Guinea, L'isola Del Cannibali
配給：東映洋画
劇場公開日：1974年12月21日

ストーリー

現代文明から置き去りにされたような未開の地ニューギニア島。今日でも、そのジャングル地帯は、文明の光も射さず一万年前の原始生活がくりひろげられている。 ＜激烈な部族抗争＞ニューギニアの歴史は、部族間の血で血を洗う戦いの歴史といえる。二百万そこそこの民族が七百の集落に分れて、殺し合い、首を狩り、喰い合ってきた。 ＜風葬＞死者の身体を生きたままの姿で、永い間保存する習慣から生まれた風葬。それは死者への純粋な愛情の表れであり、いつまでも共に暮したいという願望であろう。風にさらす前に、死体を家の中央に安置し軽く燻し、腐敗を防ぐ赤土を塗るのだが、それでも死体の発する臭いは凄まじい。女たちは死者の名を呼びながら、蝿を追い死体からにじみ出る油を自分の肌になすり込む。その油が切れると死体を戸外にしつらえた柵の上に乗せてそのまま風葬にする。 ＜戦争ショウ＞激烈な部族抗争がその歴史の主流をなすニューギニア。その血みどろの軌跡は、今、現地人たちが演じるショウによって再現されるのみだ。それは、訪れる観光客を圧倒するに充分な残酷ショウである。