殺人狂想曲

劇場公開日:

解説

イギリスの中堅探偵小説作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの原作を「殺意の瞬間(1956)」のジュリアン・デュヴィヴィエと「陽気なドン・カミロ」のルネ・バルジャヴェルが脚色、台詞を担当、デュヴィヴィエが監督したスリラー・コメディ。撮影監督は「過去をもつ愛情」のロジェ・ユベール、音楽は「乙女の館」のジョルジュ・ヴァン・パリス。主演は「八十日間世界一周」のフェルナンデル、「罪と罰(1956)」のベルナール・ブリエ、「男の争い」のクロード・シルヴァン。ほかにジュディット・マーグル、アルマンド・ナヴァル、エディット・ジョルジュらの新人女優。

1956年製作/106分/フランス
原題または英題:L'Homme a L'Impermeable
配給:東和
劇場公開日:1957年8月24日

ストーリー

シャトレ劇場のクラリネット吹きアルベール(フェルナンデル)は、叔父が危篤で田舎へ行った妻の留守中、同僚に教えられた劇場のコーラス・ガール、エバのアパートへ一夜の浮気にレインコート姿で出かけた。ところがエバは着替えに寝室へ入ったまま出てこない。そして停電。不審に思ったアルベールが寝室へ入るとエバは何者かに殺されていた。慌てたアルベールは警察に知れれば自分の浮気が妻にばれ十五年の結婚生活もおさらばと考え、そのままアパートを出た。が彼はここへ入る時この家の住人ラファエル(ベルナール・ブリエ)と顔を合せ、出る時には夜の女エステルと出会って二人の目撃者を作っていた。ラファエルはエバの許へ通う紳士たちの弱味を握ってゆすり歩くのを商売にしていた。翌日の新聞は案の定、“レインコートの男”アルベールを犯人としていたばかりか翌朝にはラファエルが口止料をゆすりに来た。が、驚いたことに彼は、同夜真犯人を見たという。警察が睨むアルベールをゆすり更に真犯人をゆすろうという寸法だ。ふりかかった災難にアルベールは六時に再会を約して別れた。その足でラファエルは真犯人だという青年モーリスを画商オブライエンの邸に訪ねた。オブライエンは陰で金塊密輸をしている男で親子ほど年の少いフロランス(クロード・シルヴァン)を囲っていた。が彼女はピアノ教師のアプレ青年モーリスと関係、モーリスはまたエバとも関係していたため二人の女の恋の鞘当てとなりフロランスは、あの夜寝室に隠れてエバを殺した。しかしラファエルはフロランスを見ずに、直ぐ後に訪ねてきたモーリスを見たというのが事の真相。勿論これを誰一人知る筈がない。モーリスもラファエルのゆすりにその夜の再会を約した。一方アルベールは六時にラファエルと会い、真犯人を教えろと拳銃を突きつけたが逆に脅され、連れ立ってラフファルがモーリスと会うセーヌの河岸に行った。やがてモーリスが現れた。と彼は後をつけてきたオブライエンの手下サムとボブに襲われた。フロランスを寝取られたと知ったオブライエンの仕業である。モーリスはボブを射殺、抵抗したが待機していたオブライエンの車に連れ去られた。ラファエルからモーリスが真犯人だと聞かされたアルベールはがっかりした。が翌日オブライエンの車を見つけ後をつけてセーヌの河岸につながれたヨットに忍び入んだ彼は、オブライエンがモーリスを殺そうとしているのを知り真犯人に死なれては大変と彼を連出し警官に突出したがモーリスは警官を射殺して逃げた。モーリスはオブライエンの邸に行き逆に彼を脅迫したが、そこへ現れたのがラファエル。彼は容疑者のアルベールに罪を着せれば万事落着、お互いの得と提案、その夜七時にアルベールがアパートへ来ると告げた。アルベール殺しはモーリスの役と決った。が後刻、オブライエンはモーリスにアルベールとラファエル二人を殺させ、更に腹心のサムにそのモーリスを殺せと命じた。その夜、計画通りラファエルはモーリスに射殺されたがアルベールは幸運にも一寸した時間の関係で助かった。そしてモーリスはサムに、サムはまた運よく現れた警官にそれぞれ殺され、様子如何と現れたオブライエンとフロランスも逮捕された。事件は解決、アルベールは晴々と妻を迎えた。

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