ゴールド

劇場公開日:

解説

南アフリカの大金鉱を舞台に、国際シンジケートの陰謀と戦う男の活躍を描く。製作はマイケル・クリンガー、監督は「女王陛下の007」のピーター・ハント、ウィルバー・スミスの原作をスミス自身とスタンリー・プライスが脚色、撮影はオーサマ・ラウィ、音楽はエルマー・バーンスタイン、編集はジョン・グレン、特殊効果はビル・ウォリントンとクリフ・リチャードソンが各々担当。出演はロジャー・ムーア、スザンナ・ヨーク、レイ・ミランド、ブラッドフォード・ディルマン、ジョン・ギールグッド、トニー・バックレイ、サイモン・サベラ、マーク・スミス、ジョン・ハッセー、バーナード・ホースフォール、ノーマン・コームベスなど。

1974年製作/イギリス
原題または英題:Gold
配給:富士映画=松竹
劇場公開日:1975年1月15日

ストーリー

世界最大の大金鉱ソンダーディッチは、南アフリカのヨハネスブルグから数十キロに位置し、年間の金産出量二十トン、従業員一万二千人という大規模なものである。ある日、考えられないような大爆発事故が発生し、総支配人以下十二人が死亡した。この不可解な事故は大金鉱の社長ハーシュフェルド(R・ミランド)の耳に入り、事故の究明は専務であり、また孫娘テリー(S・ヨーク)の夫でもあるスタイナー(B・ディルマ)に委ねられた。スタイナーは秘書のマレー(T・ベックレー)と共に早速活動を始め、若くて頭の切れるロッド・スレーター(R・ムーア)を総支配人に抜擢した。というのは、スタイナーは専務でありながら、大陰謀を企んでいたのだ。それはまず、大金鉱深部に位置する“ビッグ・ダイク”と人々が呼び恐れている岩を爆破し、地底湖水を各坑道に浸水させ、この坑道を壊滅させることによってソンダーディッチ金鉱の株を暴落させる計画であった。この陰謀は彼一人の計画ではなく、背後にはファーレル(J・ギールガッド)を中心とした各国の実業家で構成された国際シンジケートが糸を引いており、金鉱を麻痺させる事と相前後して、ソンダーディッチ株を売却、他金鉱株買収を行い暴利をむさぼると共に世界の金価格を暴騰させるという大密謀であった。準備は着々と進められ、決行はクリスマスの日と決められた。この金鉱の重要人物であるロッドを総支配とし仕組まれた事故の責任を彼に被せる。罠のエサはスタイナーの美しい妻テリーだった。何も知らぬロッドはテリーに近づき、彼女も夫から充たされぬものを彼に発見して急速に親しくなっていた。ロッドの新しい仕事が始まった。エネルギーのすべてを注入して仮空の金鉱脈に向かってトンネルを掘り続ける、彼はこの世界最大の金鉱と数千人の従業員を消滅させる悪魔の作業をしているとは知らなかった。スタイナーの罠は完璧だった。ロッドはテリーに誘われるまま、クリスマスの日、セスナに乗って森林の奥に横たわる別荘へ、二人だけの甘い恋の一時を求めて向かった。その頃、第八〇坑道の深部ではロッドの命令によって採掘が始まっていた。そのとき突如、地底湖の水が怒涛のごとく氾出した。坑道内に流れ込む一平方メートルあたり一万トンの超水圧は鉱夫たちの首をもぎ取り、地下二千百メートルの恐怖の湖水流出は第八〇坑道から別の坑道へとつき進む。千人もの鉱夫が坑道にとじこめられた。そして命の綱である坑道内の流出をくい止める爆破のためのケーブル非常用導火線がマレーの手下コワルスキーの手によって切られた。五時間以内で坑道全部が水浸しになり、二四時間以内で周辺全金鉱が水の底になってしまう。報告を受けたハーシュフェルドはこの危機を救えるのはロッドしかいないと判断し、ラジオでロッドを呼び出した。一方、テリーとの情事を楽しむロッドはこの大事故をラジオで知り、初めてスタイナーの罠を知る。二人はセスナに乗り、金鉱に向かった。その頃、ヨハネスブルグとロンドン株式取引所では、ソンダーディッチ金鉱株の大暴落が始まり、大混乱を呈していた。ホテルの一室で会心の笑みをもらすスタイナーは、この計画の終焉を眼のあたりに見ようと金鉱に向かった。残された時間はあと三時間だけだった。ようやく金鉱に到着したロッドは、ビッグ・キング(S・サベラ)と共に一二六〇人の鉱夫を救出するため、二八〇〇メートルの地底に分速六〇〇メートルの高速エレベーターで降りていく。不安と恐怖の中で、ロッドはただ鉱夫たちの安否だけを考え、浸水を止めるべく地底につき進む。二人はゴム・ボートに乗り、激流と溺死者の中を行く。数十分後、遂に第八〇坑道の中心部に辿りついた二人は、入口で導火線の接合作業に取りかかった。やっとのことでコード接続に成功したかと思うと、ロッドは水圧に押され扉の間に両腕をはさまれ、骨折してしまう。キングはロッドの乗るボートの綱を切り、自ら爆破ボタンを押す。数分後、地底湖の水は静かに第八〇坑道の奥に没した。再びソンダーディッチ大金鉱は活気をとり戻した。この大金鉱壊滅計画に加わったスタイナーは裏切ったマレーに轢き殺され、マレーも自らの車で谷底に転落していった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第47回 アカデミー賞(1975年)

ノミネート

主題歌賞
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映画レビュー

3.0南アが舞台の炭鉱パニックスペクタクル

2024年11月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

脚本と原作のウィルバースミスという人が書いたGOLDmineという小説が下敷きの作品。

ベストセラー作家だった冒険小説家なのでそちらの方が海外では有名なのでしょう。

悪に立ち向かう勇気ある男をロジャームーアが好演しています。映画にでてくる金儲けの為なら人命を軽視する輩の悪役は現代でも存在している感じがします。

勇気と問題解決は瞬時に行動することと思いました。
それに知恵や力も兼ね備えたジェームスボンドみたいなスーパーマンでないと悪には対抗できないのかな?
みたいに思えた映画です。

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四葩

2.5007組による課外活動

2021年12月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

終盤間近地下金鉱が水没仕掛けるクライマックス、美しき獲物たち の下敷きになったんじゃないだろうか?
実際本作の編集担当は、 のちにムーア、ダルトン時代にボンドシリーズを一手に引き受けて監督したジョン・グレン。

本作の監督が初期007シリーズの編集担当でカルトな人気作 女王陛下の007 で監督デビューしたピーター・ハント。
前半から中盤までのダラダラ感が件の金鉱水没寸前以降、俄然面白さを増し、ハント特有な編集感覚も大いに活きてようやくなかなかな見物と相成ります。
いや~、付き合って来て良かった(笑)

という次第でイオン・プロ周辺人脈 による課外活動にもそれなりの需要があった、そんな時代に想いを馳せさせる本作ではあります。

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mojox