結婚哲学

解説

オーストリーの首府ウィーンを背景とした結婚問題劇で、ロタール・シュミットの原作を、パウル・ベルンが脚色し、エルンスト・ルビッチが「ロジタ(1923)」に続いて第2回米国作品として監督したものである。「本町通り」のフローレンス・ヴィダー、「本町通り」「舞姫悲し」のモント・ブルー、「結婚とは」「女は曲者」のマリー・プレヴォー、「巴里の女性」「世界の喝采」のアドルフ・マンジュウ、「女の魅力」のクレイトン・ヘール等が主役の立派な役割をもって演じられている。

1924年製作/アメリカ
原題または英題:The Marriage Circle

ストーリー

ストック教授は結婚生活に嫌悪を覚えていた際とて、若く浮気な妻のミッツィが、彼女の親友シャーロットの友フランツ・ブロウンに近付いて行ったとき、離婚の材料ができるとかえって喜んだぐらいであった。シャーロットは夫のフランツを深く愛している。愛しているだけに嫉妬も強かった。一寸の争いからフランツが家を飛び出した後へ、かねてシャーロットを恋していたフランツの友グスターヴ・ミューラーが来て彼女に接吻したが、彼女は夫を愛しているとて彼を拒けた。一方フランツはミッツィに誘われたが、彼も妻を愛しているとて彼女のもとを去った。しかしシャーロットは夫とミッツィとの仲を誤解したが、ミッツィから夫に宛てた恨みの手紙を見て、夫に後ろ暗いところのないのを知った。1度は破れようとした2人の仲は幸福にかえったが、ミッツィとミューラーの新しい友情はまだストック教授をして望み通りの離婚を得させるほど激しいものではなかったのである。

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映画レビュー

4.0第1回キネマ旬報ベストテンの第1位、第2位サイレント作品を連続鑑賞して…

2024年11月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

シリアス劇の「私の殺した男」や
コメディ劇の「生きるべきか、死ぬべきか」等の傑作で魅了された
エルンスト・ルビッチ監督作品。
1924年の第1回キネマ旬報ベストテンの
“芸術的に最も優れた映画”部門
(当時はまだ日本映画は対象には
なっていなかった)では
チャップリンの「巴里の女性」に次ぐ
第2位の高評価だった。
しかも、なんと、この「巴里の女性」に
刺激を受けてルビッチが製作したとのこと
だったので、ますます興味が深まった。

さて、この作品、
上記ルビッチ2作品とは異なり、
シリアスとコメディの両要素を併せ持った
ような作風だが、
二組の夫婦プラスワンの揺れ動く恋愛感情を
1時間半強の中できめ細やかに描き、
何か、TVの連続恋愛ドラマを
1時間半強への見事な濃縮技術で
見せてくれたような印象を受ける。

深く愛し合っていようと、倦怠期にあろうと、
共に他の異性に心惹かれる
古今東西続いて来た男女や夫婦の関係を
ユーモラスに描いてくれた。

いずれもサイレント映画で、
チャップリン作品が第1位、
ルビッチのこの作品が第2位だったが、
私的には逆の評価で、
ルビッチのこの作品の方が
圧倒的に出来が良いように感じた。

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KENZO一級建築士事務所

3.0映画史のお勉強

2021年12月1日
PCから投稿

大正時代の無声映画をいきなり観ると、どう面白がればいいのか戸惑います。つまらなくもないけど、面白いわけでもないし、やっぱ時代背景とかわからないと評価しようがありませんが、名匠ルビッチ君に敬意を表して3点としましょう。
ただ女の人たちが白黒で同じような顔で同じような髪形なので見分けがつかなくて困った。

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越後屋

4.0ルビッチ・タッチ

2021年3月18日
Androidアプリから投稿

有名な〈ルビッチ・タッチ〉というものが凝縮されている映画だった

不仲なカップルが 他を巻き込んでゆく… みたいな展開で、カップルを一つの単位と考えていた(いる?)欧米社会には有りがちなことかもしれない… とも思った

不仲の方が 圧倒的に面白い
(アドルフ・マンジュー/マリー・プレヴォー)

妻はまさに〈嵐を呼ぶ女〉で
誘惑者、破壊者であるだけでなく、人間の自惚れや底意地の悪さも垣間見せ
例の「女の間に友情は成立するのか…」という問いかけを思い出したりした
プレヴォーをルビッチが気に入っていたことも理解

また貞淑な妻(フローレンス・ヴィダー)も悪気は無いが 勘は悪く、事態を混乱させる

この辺の女性観というか、女性を見る目も的確で感心させられる
(ルビッチが女系家族であることも関係しているらしい)

今見ても 軽妙洒脱
BGMがピアノだけというのも 今日的で、何となくお洒落

しかし私には これがヒーリング・ミュージックになってしまい
何回か中断しながら視聴した

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jarinkochie

4.5子供には見せられない映画のケッサク艶笑喜劇の古典

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

洒脱で明朗なルビッチタッチは少しの嫌らしさも無く、いつの時代でも理解しがたい夫婦関係を皮肉とユーモアで面白可笑しく描きます。きつねとたぬきのような女と男の騙しあいや悪ふざけを危険水域ギリギリの一歩手前で切り抜ける巧妙さ。当時のR指定が納得の大人のための内容でも表現は敬服ものです。

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Gustav