ケーブルガイ

劇場公開日:

解説

ストーカーまがいのケーブルガイ(ケーブルテレビ設置工)につきまとわれるヤッピー青年の悪夢を描いたブラック・コメディ。なお、ケーブルガイとはケーブルテレビ設置工以外に、仕事ぶりの雑さ(部屋を散らかす、時間を守らないなど)から、“いい加減なヤツ”“迷惑なヤツ”の意味もある。監督は「リアリティ・バイツ」のベン・スティラー。製作は主演のジム・キャリーのスタンダップ・コメディアン時代からの盟友のジャド・アパトウと「ウォーターワールド」のアンドリュー・リクトとジェフリー・ミュラーのコンビ、エグゼクティヴ・プロデューサーはブラッド・グレイ、バーリン・ブリスタイン、マーク・ガーヴィッツ。脚本は新鋭のルー・ホルツ・ジュニアの原案を基にアパトウが執筆。撮影は「好きと言えなくて」のロバート・ブリンクマン、音楽は「ユージュアル・サスペクツ」のジョン・オットマン、美術はシャロン・シーモア、編集はスティーヴン・ワイズバーグがそれぞれ担当。主演は「ジム・キャリーのエースにおまかせ!」のジム・キャリー。共演は「ケロッグ博士」のマシュー・ブロデリックほか。

1996年製作/アメリカ
原題または英題:The Cable Guy
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場公開日:1996年10月5日

ストーリー

スティーヴン・コヴァックス(マシュー・ブロデリック)は不動産会社に勤めるヤッピー青年。同棲していた恋人のロビン(レスリー・マン)と喧嘩してひとり暮らしをはじめた。早速ケーブルテレビに加入を申し込んだが、ケーブルガイがなかなか来ない。4時間後ようやく現れたケーブルガイ(ジム・キャリー)だが、「明日、衛星中継アンテナを見に行こう」と勝手に約束するなど、妙になれなれしい態度が普通ではない。“アニー・ダグラス”と名乗る彼は、留守電にびっしりメッセージを吹き込むなどは序の口、彼のバスケットチームに乱入するわ、スティーヴンが新居にロビンを呼んで、映画「めぐり逢えたら」をみようとするとテレビが故障、その途端押しかけてくるという具合に彼につきまとう。さらに大画面テレビ付きカラオケセットを彼の部屋に持ち込み、勝手にカラオケ・パーティを開くと大騒ぎ。スティーヴンは客のひとりの美女とベッドインするが、翌朝彼女がケーブルガイが調達した娼婦と知り激怒。ところがめげない彼は今度はロビンに接近、彼女の新しい恋人を殴り倒し、スティーヴンとの復縁を工作。何も知らないスティーヴンはロビンとの復縁は喜ぶが、ケーブルガイには絶交を宣言。雨の中ショックで立ちすくむケーブルガイ……復讐がはじまった。あの大画面テレビ付きカラオケセットは盗品で、スティーヴンは盗品受託罪で逮捕される。ケーブルガイは「スティーヴンがおかしい」とロビンには告げ、両親(ジョージ・シーガル、ダイアン・ベーカー)も彼を信じてくれない。あろうことか家族は今度はケーブルガイを家庭に引き入れ、スティーヴンよりも頼りにする始末。おまけにケーブルガイはスティーヴンの部屋に隠しカメラを仕掛けていて、上司の悪口を言ったことがバレた彼は、会社までクビになった。絶望した彼は親友のテレビ局員リックに相談。リックは調査の結果、ケーブルガイは以前に解雇されて、今はもうケーブル会社の社員ではないことを教える。ところがケーブルガイは何も知らないロビンを衛星中継アンテナに連れ出していた。駆けつけたスティーヴンはアンテナ上でケーブルガイと大格闘。ケーブルガイはスティーヴンが止めるのもきかず、アンテナから身を投げ、重傷を負った。救急車の中。救急隊員の「がんばれ、相棒」という励ましに、ケーブルガイは虫の息で「本当に俺の相棒?」と尋ねてにやりとした。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0「からかっただけだろ?」「冗談だよ!」と連呼する奴には近づいてはいけません

2020年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

興奮

導入におけるキャラ付けは、ほぼ完璧じゃないでしょうか。ジム・キャリー扮するケーブルガイ(ケーブルテレビ設置工)。約束に4時間遅刻、壁をトントンと叩いて「ここが性感帯だ」としたり顔。理不尽なキレ方をして「からかったんだよ!」「冗談だよ!」と破顔してマウントをとる。いやー、マジで友達になりたくない。しかし、主人公・スティーヴンは安易に友達になってしまった――。

ジム・キャリーの怪演をたっぷり過ぎるほど堪能できる作品。最早ブラックコメディというよりホラーに近いんです。それもサイコ要素の強いやつ。ジム・キャリーの振り切った芝居も素敵なポイントなんですが、キャラクター設定が◎。テレビを「ベビーシッター」代わりに育ってきたため、常識&知識は全てブラウン管の中からの受け売り。それが時に功を奏すこともありますが、人生はテレビの中で起こる出来事のようにはいかない。

つまり、友情の築き方もよくわからないんです。だからこそ、初対面にもかかわらず「友達になろうぜ!」と言うしかない。実際、友達になるって、結構難しいことですよね。大人になればなるほど、その作り方もわからなくなる。ケーブルガイの“心”は、決して理解できないというわけではないんですが……。彼のいただけないところは「友情は、努力と金で買える」と思っていること。過度の配慮、プレゼント作戦、「俺が好きなものなんだから、君もきっと好きになるはず」というアプローチ。全部“重すぎる”。

基本的にケーブルガイの“凶行”を楽しむ物語ですが、ラストはちょっと皮肉がきいています。とある伏線が延々と張られていくんですが、最後の最後まで「これってどういう意味?」となるはず。テレビに支配されてきた男が、どういう末路を辿るのか……。小さな飛躍が、大きな飛躍に転じる。この回収の仕方には、正直感動しました。

余談:カラオケパーティで歌われるのは、ジェファーソン・エアプレイン「Somebody To Love」。ジム・キャリーがキレッキレで熱唱しているんですが、誇張しまくり&ふざけまくり。最高です。注目してみてください。

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岡田寛司(映画.com編集部)

2.0見た。

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

4.0さしたるトラウマもなくああなる。が良い。

2020年12月19日
iPhoneアプリから投稿

秀作。

ジム・キャリーのオーバーアクトは負側に向けた方がイイ。リドラー然り。

さしたるトラウマも無くああ成るという部分に作り手の覚悟を見る。

近頃のシナリオは変態化の動機を幼少期のトラウマに求め過ぎる。

女子によるルームメイトと相似形。

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きねまっきい

3.5どこか哀愁漂うけど怖い!

2020年12月8日
Androidアプリから投稿
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すけ