グラディエーターのレビュー・感想・評価
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やっぱりマキシマスがかっこよすぎる
20年以上前に観て以来お気に入りで、DVDも手元にある。今回の続編にあたって公開されたデジタルリマスターは絶対観るしかない案件。
映画館の迫力ならでは、序盤の戦争シーン、コロセウムの死闘シーン。昔だからこそのエキストラの使い方と上映時間。没入しながらたっぷり鑑賞出来た。
悲しみ、絶望、憎しみ、憐憫、正義…様々な葛藤を抱え哀愁漂うマキシマスの瞳と背中がそれはもう訴えかけてくる。かっこいい。歳を経てイケおじになったり太ったただのおやじになったりするラッセル・クロウだけど、マキシマス時分、本当に「精悍」という言葉がよく似合うと思う。
妻子を愛し、国を憂い、忠義を尽くす。でも人間くささや茶目っ気もある。多少のご都合主義展開もあるけれど、それをもってしても何度観ても泣ける超大作に変わりない。
主人公が死んである種のハッピーエンドを迎えるのは「100万回死んだ猫」とこの作品以外ない。
迫力満点、感動的で奇跡のような─
公開当時、劇場は結構がらがらだったと、ある映画好きから聞いたことがあります。実際に自分もDVDでこの作品を見たし、日本の興行成績も驚くくらいに低い。そういえば、エイリアンもブレード・ランナーも、後々どんどん評価されていったという印象です。
そもそもローマ帝国の話となると、スパルタクスとかベン・ハーといった不朽の名作があるのに時を経て何でまた作るのかという思いが・・・だから正直、ラッセル・クロウが一人佇むそのビジュアルに全く惹かれなかったし、なんか長いし、しぶしぶレンタルした気がします。そしてそれが予想外に面白くて、ビジュアルと音楽の素晴らしさですっかりこの作品の虜になってしまいました。
この作品以降、リドリー・スコットはもちろんのこと、ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、そしてハンス・ジマーという名前に目がいくようになりました。その名をもとに作品を選ぶことも多く、とかくホアキンとハンス・ジマーには多大な恩恵を受けた気がします。でも、この監督には何度も裏切られた(と勝手に思っているだけなのですが・・・)と感じています。もしかしたら、グラディエーターだけが奇跡なようなものだったと感じ始めています。だから、続編などもかなり不安なのですが・・・まぁ見る前のものをとやかく言うのはやめましょう。
最高の映像と最高の音楽の融合、それがまさにこの作品の醍醐味なのだと思っています。興奮や感動、悲しみや苦悩、映像と音楽でもってどっと押し寄せてくるような─。展開とストーリーもまた非常に分かりやすく自然とカタルシスを感じるようなエンディング。結果を知ってから何回見たか分かりませんが、見るたびに泣いてしまいます。あのリサ・ジェラルドの歌声が流れてくると、たまらんのです;;;
はじまりもかなり格好いいんですよねぇ。静かーに始まったと思いきや、迫力満点でド派手な戦闘シーンがバーンと来て、そして感動的で静かに悲しく物語が動き出す─。途中もたくさん見どころがあって、続編の前にどこかデカイ劇場でリバイバル上映してくれないかなと密かに思っています。これこそ大画面と質の良い音響に包まれながら鑑賞したい作品です。
ローマに捧げる挽歌
多分、ローマ皇帝の二人は第16代ローマ皇帝、マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝と彼の息子である、ルキウス・アウレリウス・コンモドゥス帝がモデル。
偉大な父から放蕩の暴君へと委譲された帝国の歴史を大胆に脚色しながら、より深みのある人間ドラマと壮大なスケール、今観ても説得力のあるこだわりのプロダクトデザインで描き出す、歴史大作だ。
実はこれが2回目の鑑賞で、初めて観た時は気がつかなかったのだが、主人公・マキシマスと対立関係となるコモドゥス帝の人物描写がとても丁寧だ。
伝記的な記述よりもダメな子に描かれてる部分はあるが、「何故彼はこんな行動に出たのか」という部分をきっちり作り込んでいる。
そのお陰でラストまでの筋書きが収束していく流れに、淀みがない。
マキシマスを応援する一方で、コモドゥスへ憐れみを感じてしまう。
自分が求める「生きる意味」とは何なのか?
その問いを突き詰めたとき、相見えるマキシマスとコモドゥスは、その意味を永遠に失った哀しい二人の男だ。マキシマスの絶望の裏で、コモドゥスもまた絶望している。
帰る家を失ったマキシマス。家に居場所のないコモドゥス。二人はこんなにも似ているのに、どうしてマキシマスは愛され、コモドゥスは愛されないのか?
この悲しみしかない世界にに終止符を打つことが「自由」なのか。
悲壮で物悲しい物語の中で、ラストショットのコロシアム越しの夕陽だけが「生命力あふれる自由」を感じさせてくれる。
全編を通して、神話を観ているような気持ちにさせられる圧巻の映像美。その重厚な迫力は今も色褪せない名作だ。
剣闘士を題材に「ベン・ハー」やってみた件
"グラディエーター" シリーズ第1作。
第73回アカデミー賞作品賞受賞作。
第58回ゴールデン・グローブ賞作品賞受賞作。
Amazon Prime Videoで2回目の鑑賞(吹替,レンタル)。
リドリー・スコット御大による空前のスケールの史劇大作を小学生以来の再鑑賞。血沸き肉踊る映画とは本作のことだ。
冒頭の戦闘シーンで一気に魅せられた。
ストーリー的には「ベン・ハー」味の強い、ひとりの男の復讐譚(ローマ時代には復讐がとにかく似合う気がする)。
復讐に燃えるグラディエーターを熱演したラッセル・クロウも良かったが、ホアキン・フェニックスも素晴らしかった。
父を畏怖し越えたかったコンモドゥスの繊細さを狂気的に演じて、これが後のナポレオンへと繋がるのかと納得出来た。
シンプルな復讐物語を彩る壮麗なセットやVFXも見逃せない。映画館で観てみたい迫力に圧倒されっぱなしで、本当に2時間半かと疑いたくなるくらい、あっと言う間だった。
11月に公開される続編が非常に楽しみである。
※修正(2024/11/15)
パンフレットによると、左利きのコモドゥスは映画では右利きで、主人公...
パンフレットによると、左利きのコモドゥスは映画では右利きで、主人公マキシマスは架空の人物とのことだ。
ローマ帝国には冬がない。
世界の気候が今と異なっていたとしたら、考古学も根本的に見直さなければならないだろう。
ローマ帝国に限らず歴史の正確な資料は”無い”とされている。
というのが私の考えである。
想像の世界(リドリー・スコット監督はフィクションと断言している)だとしても壮大なセット建造とスケール感は見応えがある。
現代の支配構造と重ねて視聴すると、落とされても這いがる主人公の姿に感銘を受ける。
剣闘士試合の再現が見どころ。
ラッセル・クロウの優しくも悲しげな表情、ホアキン・フェニックスの悪役っぷりも文句なし。
高い完成度で大満足。
ラッセル・クロウの翳りある眼差し
公開当時に映画館で見ていたらもっと感動したかも知れないと思いました。「ベン・ハー」に似ているなあとかそんなこと考えながら見てました。音楽ハンス・ジマー、でも想像以上に弦楽器多用で少し感傷的過ぎるかなと思いました。
人物造型は単純ではなくて、マキシマス(ラッセル・クロウ)の軍人としての有能さ、国や皇帝への思い、謙虚さ、仲間や部下を大事にする、妻子への思いに説得力ありました。それは彼の翳りある美しい眼差しがとっても効いていたからだと思います。コモドゥス役のホアキン若い!こんな風貌のときがあったんだーとびっくりしました。承認欲求が強く精神的に弱く、自信と不安の間を揺れ動き、一歩まちがうと狂気スレスレの所に行ってしまいそうな人間の複雑さをホアキン・フェニックスは本当に素晴らしく演じている!と思いました。
血がドヒャーとか首が飛ぶとかそういう映像にあんまり強くないので怖かったです。リドリー・スコット監督、80代でもガンガンと積極的に映画制作をしているのは凄いと思います。だから来年、グラディエーターの2が公開されたら映画館で見たいです。
素晴らしい作品(映画館で観るべき作品)
2024年に2が
フィクションなんですよね
午前十時の映画祭で鑑賞。昔の名作を映画館で観られることに感謝です。ありがとうございます。
冒頭のゲルマニアでの戦いのスケール感、迫力に圧倒されました。陰影を上手く使って緊迫感を出しているのかなあ?観ていて落ち着かなかったんですよね。なんか恐怖心を煽られるというか。そこに頸を切られた死者が乗馬で帰ってくるとことで恐怖心は最高潮に。そこからの戦闘開始。カタパルト、火矢、剣、疾走する馬、それぞれの音がビュンビュンと襲ってきて、あとはアドレナリンが吹き出す嵐へ。こういう流れの作り方、うまいですよね。素晴らしい。
ということで導入のところで一気にローマ帝国の世界に引き込まれました。
さて、主人公マキシマスが勲功第一から陰謀というかコモドゥスの嫉妬心から軍を追われ、家族を失い、奴隷に身を落とし、グラディエーターとしてローマに帰ってくるという感じです。
古代ローマ時代の街、コロッセオ、武具、戦車、何やら何まで雰囲気有り過ぎで驚きでした。2000年の作品ですがこの頃ってバカ高いシリコングラフィックス社を使ってゲームとか作っていた時代だったよなあということで、特にCGの完成度の高さ、今観てもすごい完成度に驚きました。
ローマ五賢帝時代終焉期の史実と誤説をうまくアレンジした、ヒロイックファンタジー
午前十時の映画祭12にて。
かつてイタリアで大量生産された低予算の「ソード&サンダル映画」に登場する剣闘士は、筋骨隆々の元ボディビルダーが演じていた。子供の頃テレビの洋画番組で繰り返し放映されていたので、よく観た。はち切れんばかりの豊満なバストのヒロインにトキめいたものだ。
剣闘士といえばそんな映画を思い出す世代なので、本作の公開時はラッセル・クロウに違和感を抱きつつ劇場へ行ったのだった。しかし、雄大なオープンセットとロケーション撮影に、B級映画とのスケールの違いを感じたし、素人ではない優れた俳優たちが演じる人間ドラマの重厚さに感動して劇場を出たことを覚えている。
…『ベン・ハー』や『スパルタカス』といった低予算ではない「ソード&サンダル」も存在することを為念で記しておく…
ローマ帝国第16代皇帝マルクス・アウレリウスが嫡男コンモドゥスによって暗殺されたという説に基づいた、フィクション史劇。
暴君ネロと並んで悪評高い第17代皇帝コンモドゥスだが、先帝を暗殺した事実はなく、アウレリウスは戦地で病死したということだ。
同じ切り口の『ローマ帝国の滅亡』('64)が制作された当時は学問上でも暗殺説が生きていたのかもしれないが、今やその説は完全否定されている。
冒頭のゲルマニア軍との森林での戦闘場面から、主人公マクシムスが奴隷剣闘士エスパニャードとなって何度か見せるコロシアムでの死闘まで、迫力ある演出が展開される。
ローマ軍の将軍マクシムス(ラッセル・クロウ)は勇気と知恵の男で、皇帝アウレリウス(リチャード・ハリス)からの信頼は厚い。
アウレリウスは帝位をマクシムスに継がせようと考える。共和制による統治への変革を目論んでいたのだ。
実際、古代ローマは共和制で元老院によって政策が決定されていた。初代ローマ皇帝とされるアウグストゥス(オクタウィアヌス)も共和制尊重を建前に自らを権力者ではなくプリンケプス(権威者)と呼び、帝政の初期は皇帝ではなくプリンスケプスによって統治されていた。(事実上は兼務する皇帝が支配)
この映画の舞台は、内戦を経て「ネルウァ=アントニヌス朝」の樹立によって政権が安定し、帝位の世襲が行われていた時代で、アウレリウスを含める五賢帝と呼ばれた皇帝たちは皆、先帝の養子になることで帝位を継いでいる。アウレリウスだけが実子に恵まれ、コンモドゥスが十代のうちに帝位に就かせて共同皇帝としたのだから、決して世襲制を否定していたわけではない…らしい。(にわか知識だが)
さて、マクシムスは架空の人物だが、嫡男コンモドゥス(Commodus→字幕ではコモドゥス)(ホアキン・フェニックス)とコモドゥスの姉ルキッラ(Lucilla→字幕ではルシラ)(コニー・ニールセン)は実在の人物。
コモドゥスは暴君というより、病的で陰湿な謀略家として描かれている。
更には、姉ルシラに対する近親愛を思わせる描写もあり、二人は相互依存の関係のようにも見えた。
ルシラは未亡人で一人息子がいる。
ルシラとマクシムスの間には過去に恋愛関係があり、息子のルキウス(スペンサー・トリート・クラーク)が剣闘士エスパニャードに憧れる…と、いう作劇になっている。
実際、ルシラと息子の父親ルキウス・ウェルス(コモドゥスの前にアウレリウスと共同皇帝だった)とは政略結婚だったと思われるので、若き日に許されぬ恋物語があったというのも意外ではない設定だ。
過酷な運命を強いられることとなったマクシムスだが、そもそも先帝の勝手な思いつきが原因だと言えなくもない。
新帝コモドゥスは父親からの愛情が感じられず、父は事実マクシムスの方に傾注していたのだから、コモドゥスが父親とマクシムスを恨むようになるのも頷ける。ましてや、後継者問題が切迫した段階で父親から面と向かって帝位を継がせられないと謝られれば、なおさらだ。
この屈折した新帝を演じるホアキン・フェニックスが素晴らしい。この映画が製作された頃から今日に至っても、卑屈な男を演じると彼の右に出る役者はいないだろう。
物語が大きく動くのは、マクシムス脱出計画のシークェンスだ。元老院の閣僚やルシラ、かつての部下が協力して作戦を決行する胸アツの場面。
これに奴隷仲間たちが加わって叛乱が起きるのだが、総てはコモドゥスの罠だった。元老院にも反コモドゥス派と親コモドゥス派がいたのだ。
計画が失敗に終わってマクシムスは捕らえられ、いよいよコロシアムでコモドゥスと対決することになる。コモドゥスは策略をしかけて、マクシムスを大衆の目の前で倒そうと考えたのだ。
この死闘を制するのはマクシムスなのだが、コモドゥスが闘技場で死んだ(殺された)のは史実だというから、歴史というのは面白い。
さて、マクシムスは生き残ったのか、あるいはコモドゥスと刺し違えて果てたのか、いずれにしても大衆の目前で彼がヒーローであることを示して物語は幕を閉じる。
この後100年近くの間、ローマ帝国は混乱と分裂の歴史を刻むことになる。
久しぶりに鑑賞。ラッセル・クロウのカリスマ性あふれる役柄が最高にハ...
超大作と呼ぶにふさわしい、引き込まれた
自省しない息子
フィギュアスケートでたびたび使われるサントラ。最近では北京オリンピックで、坂本花織選手のショート、鍵山優真選手のフリーで使用された。壮大な音楽に素晴らしい演技。ドーピングで揺れた、異様な状況の中で、メダル獲得できて本当に良かった。
テレ東午後のロードショーを録画したので、かなりカットされているよう。トリプルアクセルを5回連続で跳んだかのごとく、早回しだった。キュルキュルっ。でも、要点はつかめたので、とりあえず満足。機会があったら、フルサイズ字幕版で見たい。
最近ドラマで突然脚光を浴びた、マルクス・アウレリウス。「自省録」を書いた、5賢帝と評される人。勉強好きだったらしいが、息子はあまり彼に似なかった。この息子コムドゥス、どれ位ダメな皇帝か知りたかったので、ちょっと調べてみた。そしたら、最初はそんなに悪い人ではなかったようだ。欲の強い姉に暗殺されそうになり、それ以来疑い深くなったらしい。疑うあまりにたくさんの人を処刑しちゃったんで、結局自分が始末されてしまった。映画では先天的に残虐とされたが、悪役らしく色付けしたかもね。まあ、自分が勝つために、セコいマネするところは、確かに性悪だった。
コーラスを使った、印象に残る音楽。映画の世界観をよく表していたと思う。
冒頭の戦闘シーンからグッと引き込まれていく。その迫り来る迫力、地響...
大画面で観るべき作品
善人 vs 悪人
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