禁じられた遊び 劇場公開日 2020年8月14日
解説 ルネ・クレマン監督が1952年に手がけ、同年のベネチア国際映画祭で金獅子賞、アカデミー賞で名誉賞(後の外国語映画賞)などに輝いた、映画史上の不朽の名作。ナルシソ・イエペスのギター演奏による主題曲「愛のロマンス」の哀愁に満ちた旋律も広く知られる。第2次世界大戦中のフランス。ドイツ軍によるパリ侵攻から逃れる途中、爆撃により両親と愛犬を亡くした5歳の少女ポーレットは、ひとりさまよううちに11歳の農民の少年ミシェルと出会う。ミシェルから死んだものは土に埋め、お墓を作ることを教わったポーレットは、子犬を埋め、十字架を供える。これをきっかけに、お墓を作って十字架を供える遊びに夢中になった2人は、教会や霊柩車からも十字架を持ち出してしまうが……。日本では53年に初公開。2018年9月、デジタルリマスター版でリバイバル公開(パンドラ配給)。2020年8月には、人気声優による名画吹き替えプロジェクト「NEW ERA MOVIES」で新たに制作された吹き替え版(ポーレット役=戸松遥/ミシェル・ドレ役=小松未可子、ジョゼフ・ドレ役=稲田徹)で公開される(モービー・ディック配給)。
1952年製作/87分/G/フランス 原題:Jeux interdits 配給:モービー・ディック 日本初公開:1953年9月6日
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2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
すっかり存在すら忘れていた映画だったが、先日まで開催されてた「楳図かずお大美術展」における『わたしは真吾』のパラレルワールド”Zoku-Shingo”のBGMとして、あの懐かしの名曲が流れていて、妙に心に残っていたのだが、 今月いっぱい一週間だけアップリンクで上映!2Kリマスター版!しかも、日本最終上映ではないか! まあ日本最終上映っていうのは、いつも結局は最終ではなかったりするのだが… また『気狂いピエロ』をやるようだし。 とは言え、この映画は本当に暫くは上映が無いような気がしたので、吉祥寺まで行ってみた次第。すると平日お昼前にも関わらず、ほぼ満席状態。 元々、窮屈なミニシアターは嫌いなので、Amazon prime で観てメチャクチャ良かったら、後日改めて行こうかと思い、画質は悪いだろうとは思いつつも、鑑賞してみたのだが… もっと救いようがないほど、理不尽かつ切なくイノセンスな映画かと勝手に想像してたので、ちょっと予想ハズレだったかな。 あのルネ・クレマンなら、もうちょっと脚本は、どうにか出来たと思うけどなあ。3人で脚色したのが裏目に出たか? 両親の死よりも愛犬の埋葬に夢中になるなんて、4〜5歳くらいの女の子にしても、やはり無理がある。 少年の方も10歳くらいにはなっていたと思うので、既に其れ相応の倫理観は身についているはず。あのエスカレーションはないだろう。 あの展開で敢えて突っ走るなら、もっと子供特有のダークなギャグを連発しないと!フィクションとしてのリアリティが出てこない… 無垢というよりは、仏語や英語の本来の意味でのNaiveって感じ。 あと、冒頭の犬の扱いの酷さには唖然としてしまった。あの足の痙攣は毒でも盛ったのか?死後硬直も全くぬいぐるみには見えなかったなあ。あの時代では、動物愛護の倫理観など、未だ無かったのだろうか? 最後の少年の呟きは、名台詞だったとは思うし、あのフクロウもなかなか名演だったとは思うが、結局のところ、名作と言われ続けているのは、全てあの名曲のおかげなのだと思う。
2022年3月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
この作品とともに記憶に残っているのはナルシソ・イエペスが奏でたあのアルペジオ。あれも“禁じられた遊び“と呼ばれることが多いですが“愛のロマンス“と呼ばれたりもします。実際あの曲が映画に使われたのは実は2度目で、1941年の『血と砂』というアメリカ映画が先であるとのこと。であれば“禁じられた〜“と呼ぶのはちょっと違和感があるので“愛のロマンス“がぴったりきそうですが、個人的にはRomance Anónimo、“名もなきロマンス“がいいなと思っています。実際作者不明の曲でその起源については諸説ある作品。元はウクライナ民謡ではないかという説もあったりして非常にミステリアスで興味深いです。 驚異的なのはナルシソ・イエペスは当時弱冠24歳、そんな新進気鋭のギタリストがギター一本で劇伴を丸ごと仕上げているということ。パリでたまたまルネ・クレマン監督と出会い、映画は撮り終わっていたもののどんな劇伴をつけてよいか迷っていた監督に依頼されたようです。既に予算も使い切っていたのでギターだけの劇伴隣、ひいては世界中で知られる名曲となったわけですから、名作というのはその周りに転がっている逸話までがキラキラと輝いています。 70年前の作品であることを忘れるくらい新鮮でみずみずしい作品。そして実に意外なことに切れ味鋭いエスプリが効いた風刺コメディ。冒頭の戦争映画さながらに凄惨な空爆シーンに度肝を抜かれますがその後はミシェルとポーレットが繰り出すキュートなボケツッコミも素晴らしいですが、村人達が繰り広げる微笑ましい喧騒にもイチイチ爆笑させられるのであの余りにも有名なラストシーンの切なさが俄然際立ちます。そして何よりミシェルとポーレットが始めた“禁じられた遊び”が象徴するものが今もなお繰り広げられている現実に沈鬱な気分となります。
2022年3月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
十字架を持ち出したからなのかそれとも子供の無垢ゆえなのか
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