キング・オブ・ジプシー

劇場公開日:

解説

ニューヨークに実在したジプシー一族の最高の名誉である”キング・オブ・ジプシー”をめぐる三世代間の愛憎を描く。製作はフェデリコ・デ・ラウレンティス、監督は「スター誕生(1976)」のフランク・R・ピアソン、ピーター・マースの原作「ジプシー・キング」(読売新聞社)を基にピアソン自らが脚色。撮影はスヴェン・ニクヴィスト、音楽はデイヴィッド・グリスマンが担当。出演はエリック・ロバーツ、ブルック・シールズ、スターリング・ヘィッン、シェリー・ウィンターズ、ジャド・ハーシュ、スーザン・サランドン、アネット・オトゥールなど。

1978年製作/アメリカ
原題:King of the Gypsies
配給:パラマウント映画=CIC
劇場公開日:1983年4月15日

ストーリー

ニューヨークを放浪するジプシー一族のキング、ザルコ・ステパノヴィッチ(スターリング・へイドン)は、クイーンレイチェル(シェリー・ウィンタース)と共に、息子グロッフォの嫁にしようと、ジョルジオの娘ローズ(スーザン・サランドン)を強引にさらっていった。数年後、ローズは息子デイヴを生み、キング・ザルコは初孫の誕生を喜々として祝った。ジプシーは、何の教育も受けず、盗みや詐欺師のような職業を営んでいたため一般の市民から蔑まれていたが、ザルコは、”キング”の名にふさわしく毅然としており、皆の人望を一身に集めていた。しかし、グロッフォは、横暴な性格で仕事もせず、皆から嫌われていた。ローズは働き者で、占い師として稼ぎ、特にはデイヴを使って宝石店からダイヤを盗み出したりしていた。そんな生活を送りながら各地を放浪しているグロッフォ一家に娘チタが生れた。父の乱暴な振る舞いを見て成長したデイヴは、いつしかこの世界から飛び出すことを夢みていた。そして、キング・ザルコに、「キングとしてみんなを統率してゆくのはお前しかいない」と言われたデイヴは、すぐに家出してしまう。数年たち、大人になったデイヴ(エリック・ロバーツ)は、盗みや詐欺をして大都会の生活を送っていた。そんなある日、キング・ザルコが彼を見つけ出し家につれて帰る。しかし、帰ってみると、父の横暴さは変わっておらず再び飛び出すように家を出てゆくデイヴ。イタリアン・レストランのボーイをしながら、安定した日々を送り、シャロン(アネット・オトゥール)という恋人もできた彼のもとに、ローズと成長したチタ(ブルック・シールズ)がやって来た。ザルコが瀕死の重体でデイヴに会いたがっているというのだ。反発しながらもザルコを愛しているデイヴは、病院にゆき、彼を看取った。ザルコは死に際に”キング”の証しであるメダルをデイヴに手渡した。デイヴには”キング ”を継ぐ気などなく、父に渡すつもりでいたが、父は依然として猜疑心をもつていた。ザルコの葬儀の日、デイヴは銃をもって出かけ身売り同然にジプシー仲間に嫁がされてたチタをさらってゆく。しかし追跡してきた父の部下の襲撃で、チタは死んだ。報復を誓ったデイヴは、仲間たちと力ードを楽しんでいる父を襲い銃殺した。彼の葬儀の日、メダルを墓の中に投げ込み去るデイヴの後を、ジプシーたちが群れをなしてついてくるのだった。

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