君とひととき

解説

「私の殺した男」に次ぐエルンスト・ルビッチ作品で、「陽気な中尉さん」「ラヴ・パレイド」のモーリス・シュヴァリエが主演するもの。原作はかつて「結婚哲学」として映画化されたことあるロタール・シュミット作の舞台劇で、「私の殺した男」「陽気な中尉さん」のサムソン・ラファエルソンが脚色し、「街のをんな」のジョージ・キューカーがルビッチの指導のもとに監督した。カメラは「私の殺した男」「モンテカルロ」のヴィクター・ミルナーの担当である。助演者は「ラヴ・パレイド」「モンテカルロ」のジャネット・マクドナルド、「母性」「新聞街の殺人」のジュヌヴィエーヴ・トバン、「陽気な中尉さん」「春ひらく(1931)」のチャールズ・ラグルズ、「ニュウムーン」「マダム・サタン」のローランド・ヤング、「陽気な中尉さん」のジョージ・バービア、ジョセフィン・ダン、リチャード、カール、チャールズ・ジューデルスらである。歌詞及び歌曲はオスカー・ストラウス、レオ・ロビン、リチャード・ホワイティングがものした。

1932年製作/アメリカ
原題または英題:One Hour With You

ストーリー

パリっ子の粋なお医者さんアンドレ・ベルティエは美しい奥さんコレットをもちろん愛している。そして至極仲睦まじく円満に暮らしているのである。ところがある日アンドレはタクシーの中で美しい夫人と偶然知り合いになった。その夫人と言うのは彼の愛妻コレットの親友ミッチであることが判った。ミッチは親友のご亭主がお金持ちのお医者さんで女には特別親切な男であることを知り、親友のご亭主の親友になることを決心し、直ちに病気になることにして往診を電話で乞うた。コレットは事情は知らず早く見舞ってくれと夫に頼んだ。ミッチの夫オリヴィエ教授は変人で何が気に入らぬか奥さんを離別しようと思って、何か口実を求めて私立探偵を雇って妻の行動を監視させている。コレットはある晩夜会を催し、夫とミッチとを並ばせる心算と名札を置いたが、アンドレはミッチに危険を感じていた矢先なのでマルテル嬢の名札と置き換えた。コレットは晩餐の席上で夫とマルテル嬢が並んでいるので夫が嬢に気があるのだと勘違いをする。ミッチは食後アンドレを庭園に誘い出してネクタイを解いてやる。アンドレがそれをマルテル嬢に結んでもらうと、偶然コレットが見つけて怒る。アンドレは濡衣を着せられて憤慨しミッチを医者としてでなく訪問する。アドルフという変挺な男はコレットの美貌にフラフラとなって室に入り込み彼女に接吻する。がその後アンドレとコレットは仲直りが出来たのに引かえミッチはついに教授の許を家出してしまう。教授はアンドレに妻を離婚するにつき彼を情夫として法廷に持ち出すことを告げる。コレットは夫がミッチの情人となっていることを知り悲観しまた憤慨する。そして彼女にもアドルフという恋人があると告白するがアンドレは信じない。そこへ偶然アドルフが入って来て仰天して帰ろうとするとコレットが首っ玉にかじりつく。か直ぐにアドルフを追い返して、夫婦双方とも罪があるから一緒に結婚生活を固めて行こうと申し込む。そこでアンドレは安堵の胸をなでおろした。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第5回 アカデミー賞(1932年)

ノミネート

作品賞  
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