木と市長と文化会館 または七つの偶然

劇場公開日:

解説

フランスの田舎町に文化会館を建設しようとする社会派市長の計画が呼んだ騒動を、ドキュメンタリー調も交えたユーモアとウィットあふれる演出で描いた風刺喜劇。物語は7つの章で構成され、そのすべてが「もし・・・」で導かれる。監督・脚本は「春のソナタ」「冬物語」のエリック・ロメール。製作は「緑の光線」以来、ロメールの全作品についているフランソワーズ・エチェガレー。撮影はディアーヌ・バラティエ、音楽はセバスチャン・エルムス、編集は「冬物語」のメアリー・スティーブン、録音・ミキシングは「冬物語」のバスカル・リビエ。主演は「海辺のポーリーヌ」のパスカル・グレゴリーとアリエル・ドンバール。共演は「満月の夜」などロメール作品の常連ファブリス・ルキーニ、『聖杯伝説』(未)以来、12年ぶり2度目のロメール作品への出演となるクレマンティーヌ・アムルーら。

1992年製作/111分/フランス
原題または英題:L'Arbre, Le Maire et La Mediatheque ou Les Hasards
配給:シネセゾン
劇場公開日:1994年4月29日

ストーリー

パリの南西部ヴァンデ県サン=ジュイールの市長ジュリアン(パスカル・グレゴリー)は、村の原っぱに、図書館とCD・ビデオのライブラリー、野外劇場、プールを備えた総合文化センターを建設しようと考えていた。だが、この計画は周囲の賛同を得られないでいる。ジュリアンの恋人で、根っからのパリっ子である小説家のベレニス(アリエル・ドンバール)も「文化会館なんて必要かしら」と少々懐疑的。村のエコロジストの小学校教師マルク(ファブリス・ルキーニ)は、烈火のごとく怒る。ジュリアンにインタビューした女性ジャーナリストのブランディーヌ(クレマンティーヌ・アムルー)のルポは編集長(フランソワ・マリー・バニエ)の独断で、マルクを中心としたエコロジー特集になってしまう。そんなある日、偶然にマルクの娘ゾエ(ギャラクシー・バルブット)とジュリアンの娘ヴェガ(ジェシカ・シュウィング)が出会って友達となり、ゾエは市長に「文化会館よりみんなが集まって楽しめる広場がいいわ」と訴える。結局、予定地の地盤が弱いことが判明し、建設は中止となった。代わりにジュリアンは広大な土地を開放し、そこは人々の憩いの広場となった。

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映画レビュー

4.0フランスの田舎町で、文化会館を建てようと市長が言いだし。 計画が具...

2024年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

フランスの田舎町で、文化会館を建てようと市長が言いだし。
計画が具体的に進むも、皆が賛同するわけではなく
街中の騒動になる様子。

映画は、7つの "Si..." (もし... If...) で構成されます。
テンポよく、それだけ読んでも楽しい、小気味よさでした。

感心したことは
"誰もが自分の言葉で意見を言えること" "反対意見も面と向かって聞くこと"
さすがフランスです。
自己主張は誰もがマシンガントークで、耳と目には忙しい鑑賞になりましたが。そう言う作品ですしね。

10歳女子が市長に面と向かって反駁し、市長がその内容をほめる、素晴らしいやり取りでした。

日本の過疎地では、老人受け施策ばかりで、若い人の居場所がない、黙って見限られていくばかりの場所もありますね。

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woodstock

3.5どの国でも同じような政治背景があり、市民も同じような意見を持ち合わ...

2019年1月14日
PCから投稿

どの国でも同じような政治背景があり、市民も同じような意見を持ち合わせている。
自国に重ね合わせ、楽しく、時に考え深く論争を聞いていました。
屈託のない子どもの正論もまた、効果的な皮肉になっていて面白いですね。

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miharyi

2.0フランスの政治話や決して交わらぬ議論を延々と聞かされるだけの作品。...

2018年12月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

フランスの政治話や決して交わらぬ議論を延々と聞かされるだけの作品。フランス人って議論好き?そのくせ他人の意見を採用する気配なし(笑)
何事も起こらず退屈極まりなかった。コメディとのことだが微塵も笑えず。
フランス映画恐怖症がまたも増幅されてしまう結果となった。

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はむひろみ

3.0皮肉たっぷり

2018年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

知的

フランスの田舎で立派な文化会館を建設する話が持ち上がる。
推進派の市長と反対派の図書館長、とりまく政治状況などが面白おかしく描かれていく。
一番まっとうな意見を開陳するのが図書館長の幼い娘というのが可笑しい。

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いやよセブン

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