キス・ミー・ケイト

劇場公開日:1987年1月17日

解説

ブロードウェイのヒット、ミュージカルの映画化で1953年のアカデミー賞ミュージカル音楽賞受賞作。プロデューサーはジャック・カミングス。監督は「世紀の女王」「錨を上げて」「アニーよ銃をとれ」等のジョージ・シドニー。脚本はドロシー・キングスレイ、音楽はアンドレ・プレヴイン、ソール・チャップリン、作曲はコール・ポーター、振付はハーメス・パンが担当。出演はキャサリン・グレイスン、ハワード・キールほか。

1953年製作/アメリカ
原題または英題:Kiss Me Kate
配給:ヘラルド・エンタープライズ
劇場公開日:1987年1月17日

あらすじ

ミュージカル・スター、フレッド(ハワード・キール)の家に作曲家のコール・ポーターがやってきた。新作ミュージカルが出来あがったのである。それはシェイクスピアの喜劇「じゃじゃ馬ならし」をベースにした「キス・ミー・ケイト」。そこへもうひとり来客。フレッドの別れた妻で、相手役を務める女優のリリー(キャサリン・グレイスン)である。ふたりは出来あがったばかりの曲を早速デュエットした。さらに女優のロイス・レーン(アン・ミラー)も加わり一気に盛りあがりを見せるのだった。やがて、一座の稽古も進み、初日を迎える。開幕を前にフレッドとリリーは昔話に花がさき、特にリリーはフレッドから花束までもらい上機嫌だった。がしかし、実はその花束は彼が若いロイスに贈ったもので、手違いでリリーに渡ってしまったものだった。幕が開いて劇中劇「じゃじゃ馬ならし」が始まった。ところが途中でリリーがさきほどの花束の一件の真実を知り、第1幕は波乱のうちに終了。幕間でもリリーの怒りはおさまらず、ついに舞台を降りるといい出した。そして第2幕の途中で彼女は本当に出ていってしまった。終幕。ロイスを中心にした男女3組のダンス・ナンバーのあとはリリーの代役が締めるはずだったが、フレッドが舞台を見ると、なんとそこには本物のリリーがいた。彼女は帰ってきたのだ。こうして「じゃじゃ馬ならし」同様、フレッドとリリーもハッピー・エンドを迎え、フィナーレでは賑やかにテーマ曲「キス・ミー・ケイト」を歌いあげるのだった。

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受賞歴

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映画レビュー

3.5 キス・ミー・ケイト

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、その他

監督/ジョージ・シドニー、主演/ハワード・キール、キャスリン・グレイスンと言われると、すぐさま「ショウ・ボート('51)」を想い出す。名曲とは知りながらも、ひたすらオペラ調に歌い上げられるのではと想像するとちょっと引いてしまうが、本作はそれとは異なり、ミュージカル・コメディの佳作に仕上がっている。
シェイクスピアの戯曲「じゃじゃ馬ならし」を題材にしたミュージカルとして、舞台を観る観客の視点から捉えられた舞台上で繰り広げられるナンバーに加えて、「じゃじゃ馬ならし」のキャラクターを演じる役者たち、舞台スタッフに加え、おかしなギャングの二人組(ジェームズ・ホイットモアとキーナン・ウィン)まで登場して、彼らが舞台裏の現実世界でも歌い、踊る所謂バックステージ物のミュージカル映画として、ドタバタした笑いも含めたコミカルな仕上がりになっている。
監督のジョージ・シドニーは、MGMの職人監督として、数々のコメディ、ミュージカル、アクション物を手掛けており、ミュージカル映画では、「世紀の女王 ('44)」、「錨を上げて ('45)」、「ハーヴェイ・ガールズ ('46)」、「アニーよ銃をとれ ('50)」、「愛情物語 ('55)」、「夜の豹 ('57)」、「バイ・バイ・バーディ ('63)」、「心を繋ぐ6ペンス ('67)」等が有るが、ヴィンセント・ミネリやスタンリー・ドーネンといった第一級の監督に比べると、どうしても力量が落ちてしまうのだが、本作品に関しては、そつなく上手く纏めており、シドニーのフィルモグラフィーの中でも代表作の一本と言えるだろう。
ハワード・キールとキャスリン・グレイスンのデュエットで歌われるコール・ポーター作曲の「So In Love」は、なんと言ってもTV番組「日曜洋画劇場」のエンドタイトル曲として子供の頃から心に染み付いているメロディーだが、二人の美声で聴くと改めて素晴らしい名曲であると感じる。
歌い上げるようなナンバーは主役二人が担当し、ダンスナンバーの方は、アン・ミラーに憧れる若きダンサー(トミー・ロール、ボビー・ヴァン、ボブ・フォッシー)の三人がライバルとして張り合うと言うシチュエーションを活かしての振り付け、歌から始まりやがて華麗なダンスへと発展していく流れが良い。特に出色なのが、「ザッツ・エンタテイメント PART2 ('76)」の中でも紹介されていた"From This Moment On"のナンバーだ。三組の男女(アン・ミラーとトミー・ロール、ボブ・フォッシーとキャロル・ヘニー、ボビー・ヴァンとジーン・コイン)が入れ替わり立ち替わり登場しては様々な振り付けによるスピーディーでアクロバティックなダンスが繰り広げられて見事なのだが、このナンバーの振り付けを担当したのがボブ・フォッシー(他のナンバーの振り付けを手掛け、映画のタイトルにクレジットされているのは、ハーミズ・パン)であり、早くも才能の片鱗を見せてくれる。
従来のMGMミュージカル映画のテクニカル・スペック〔テクニカラー、スタンダードサイズ(1.33:1)、モノラル音声〕ではなく、本作品のテクニカル・スペックは、アンスコカラー(イーストマンカラー・プロセス)、ヴィスタサイズ〔1.75:1, Intended ratio (1.33:1, Negative ratio)、Metrovision Tri-Dee(dual-strip 3-D)、ステレオ録音〕となっており、早くもTV時代の到来に対抗すべく、イーストマンカラープロセスの採用によりコスト削減を図りつつ、ステレオ音声化、3D立体映画化、ネガはスタンダードサイズでも、劇場公開時にはやや横長のヴィスタサイズに引き伸ばしスクリーンを拡げることで、観客動員数を増やそうとした製作者側の意図を感じる仕様になっている。1950年代半ばに転換期を迎えるハリウッドを象徴しており、作り手の努力や苦労が窺い知れる作品でもある。

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ナオイリ

3.5 So in Love

2022年12月12日
Androidアプリから投稿

劇中劇の〈じゃじゃ馬ならし〉が見処

歌は キースとグレイソンが
踊りは アン・ミラーとトミー・ラルが魅せる

のちに振付師として名を馳せるフォッシーは
三番手か四番手だった

トミー・ラル(ビル/ルセンティオ)は凄く上手い
タップの名手らしいアン・ミラーの玄人っぽいダンスも
面白く迫力があった
ダンサーらしい長く美しい足も魅力

グレイソンやミラーレベルになると
確かにどちらでも〈じゃじゃ馬〉が出来そう

コール・ポーターの《So in Love》はメロディーがとても綺麗なので
このあとアレンジも色々され
名だたる歌手たちに歌われてきたので
今聴くとキールやグレイソンのは物足りない
でも最初はこんな感じだったんでしょうね

日曜洋画劇場のエンディングテーマでもありました
ちょっと物悲しくて
「明日は月曜日だ~」と沈む私の気持ちにも
マッチしてました

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jarinkochie