キートンのカメラマン
解説
「キートンの船長(キートンの蒸気船)」「キートンの大学生」と同じくバスター・キートン氏の主演になる喜劇で原作はクライド・ブラックマン氏とリュウ・リプトン氏の合作。「シンガポール」「大飛行隊」のリチャード・スカイヤー氏の撮影脚本によって「ブリキ帽」「滑れケリー」のエドワード・セジウィック氏が監督したもので出演者は前記バスター・キートン氏の他に「俺は新兵」「キートンの大学生」のマーセリン・デイ嬢の他にハロルド・グッドウィン氏、シドニー・ブレイシー氏、ハリー・グリボン氏等が出ている。
1928年製作/アメリカ
原題または英題:The Cameraman
ストーリー
カメラマンにもいろいろある、優秀なカメラと卓越せる技能であらゆる冒険をして国際的ニュースをとり英雄の如き尊敬を受ける人もあれば、旧式なカメラを持って町の一角に立っている旧時代の遺物のようなカメラマンもいる。バスターは後者に属していた。ある日、彼は街で美しい娘を見初め、後をつけてゆくと彼女はメトロ社の活動写真ニュース班に勤めているサリーという娘と知れた。バスターの無邪気さをなんとなく不審に思ったサリーは、成功するにはもっと良いカメラを買わねば駄目だといったので、早速彼はカメラを買い求め、それ以来毎日彼女の事務所に詰めていた。彼女の同情により彼は重大なる事件が突発する毎にひそかに教えられては飛んで行って撮影した。彼の活動は実に目覚ましいものがあった。中華街の党戦があった時などは素晴らしいものであったが、ちょっとした事件から買い取った猿の悪戯のため、失敗したがなおも屈せず、ボート競争を撮影中溺れんとするサリーを泳いで救った。彼が薬を求めている隙にサリーと共に海中に投げ出された男が救った如く装い彼女を連れ去った。すっかり悲観したバスターはカメラマンになることを断念し、自分が撮ったフィルムを投げ出して事務所を飛び出してしまった。会社で彼のフィルムを試写したところ意外にもバスターが殊勲者であることが判明したのでサリーは彼の行方を探した。折柄大西洋横断飛行に成功したリンドバーグ大佐の歓迎で市中は歴史的壮観を呈したのをバスターは自分が歓迎された如く喜んだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドワード・セジウィック
- 脚色
- リチャード・シェイヤー
- 原作
- クライド・ブラックマン
- ルー・リプトン
- 撮影
- エルジン・レスレー
- Raggie Lannning
- セット
- Fred Gabourie
- 編集
- ヒュー・ウィン
- 題字
- ジョー・ファーナム