カトマンズの恋人

劇場公開日:

解説

ただ一度のめぐり逢いに、すべての情熱をかけた青春像。監督・脚本は「先生」のアンドレ・カイヤット、脚色はアンドレ・カイヤットとルネ・バルジャヴェル。撮影は「雨の訪問者」のアンドレアス・ヴァインディング、音楽はセルジュ・ゲンズブールがそれぞれ担当。出演は「地獄に堕ちた勇者ども」のルノー・ベルレー、「太陽が知っている」のジェーン・バーキン、「イタリア式 愛のテクニック」のエルザ・マルティネッリ、そのほか、セルジュ・ゲンズブール、ジャン・ポール・トリブゥ、デビッド・オブランなど。

1969年製作/フランス
原題:Les Chemins de Katomandou
配給:大映第一フィルム
劇場公開日:1970年3月28日

ストーリー

一九六八年の五月革命の挫折感から脱け出すため、オリビエ(R・ベルレー)は、ファッション・モデルである母マルチーヌ(E・マルチネリ)のもとをはなれ、母と別れた父をたずね、カトマンズへ向った。インドで出迎えた友人のパトリック(J・P・トリブゥ)が、原地人のため、無料の労働作業をしていると聞いて、オリビエは彼を冷笑した。すぐさま、カトマンズへの道をふみしめた彼は、途中ヒッピー仲間と一緒になり、ジェーン(J・バーキン)という娘に魅かれてしまった。そして彼等は、ローリン(A・ダール)と名乗るアメリカ婦人の車に同乗し、カトマンズへの道を走った。その夜、オリビエはジェーンの体を求めた。愛と自由の化身のような彼女は、彼をうけ入れるのだった。しかし、ジェーンの麻薬常用を非難し、やがてオリビエは彼等と別れ、父のもとへ向った。やっとのことで、父親にめぐり会ったオリビエだが、予想に反して、父親はテッド(S・ゲンズブール)という男の下働きをしているに、すぎなかった。落胆したオリビエの脳裏に、またジェーンの姿がもどってきた。そして、再会したローリンから彼女の居所を聞いたオリビエは、ヒッピーの留り場を訪ねるのだった。そこには、麻薬におかされたジェーンが見る影もなく横たわっていた。彼女をなんとか破滅から救い出そうと決心したオリビエは、テッドが仏像泥棒をしていることも承知で、彼の下で働くことにした。そして、ジェーンの体を完全に癒すため、美しい士地へ二人で旅立つ夢を、彼女と語り会った。だが、オリビエが初めて仏像を盗んで帰ってみると、テッドがジェーンにむりやり麻薬を注射していた。激怒したオリビエは、テッドにとびかかり、格闘となった。その時、平衡を失ったジェーンの体は、二階の窓から落ちていった。生まれて初めて流すオリビエの涙が、ジェーンの冷たくなった唇を濡らした。数日後、灼熱の原野に汗して働くオリビエの姿があった。

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