カサブランカのレビュー・感想・評価
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ボギー。思い入れがないだけに。。。
ハンフリー・ポガード演じる主人公の粋な選択
舞台は第二次世界大戦中、ナチスの占領から逃れるパリの人々は亡命のため、仏領モロッコのカサブランカへ向かう。
主人公リックはそのカサブランカにて、
酒場兼賭場となっているお店を繁盛させ、
なおかつ困っている人には出国の便宜をはかる
人情家だ。
そこへかつてパリで愛し合った元恋人のイングリッド・バーグマン演じるイルザが
反ナチの活動家である夫のラズロを伴って店を訪れる。
意表をつかれたリックが恋人にとる行動はいかに?
こんな男に憧れるのは私だけではないだろう。
作中の主人公は男のリアルな弱さと思いやり故の狡猾さ・男らしさを上手く描写している。
作中終盤の主人公の選択と行動は恋敵であるラズロもまた真っ直ぐで魅力的だからこその決断とも言える。
逆立ちしてもうなれそうにないカッコいい男性像を見て、憧れを感じた。
時の過ぎゆくままに
「君の瞳に乾杯」という名台詞は知っていましたが、映画をきちんと見たのはおそらくこれが初めてです。この台詞、本編で4,5回くらい出てきていたかもしれませんが、全然クドくなかったです。カッコイイとはこういう事なのだと心に刻まれました。
愛する女性との突然の別れ。そして思わぬ形での再会。と、同時に自分が間男であった事を知るリック。冷静というか何事にも冷めた彼があんなに感情的になるとは。そのショックの大きさが伝わってきます。怒りや混乱、色々な感情が渦巻いていたのでしょうが、それをグッとこらえてのあの対応。痺れますね。きっと普通の人だったら、復讐に走ったり、いじけたりで通行証の事は絶対に言わないでしょうね(笑)
ある意味イルザに翻弄されっぱなしの人生なのかもしれませんが、それをわかった上で彼女への愛を貫く姿に感動しました。
夜に夫の目を盗んで他の男に会いに行くイルザ。美しく可憐な雰囲気を漂わせていますが、その行動はかなり大胆。本気でリックを愛しているのか、それとも別の意図があるのか。その真意は私には謎でした。もし彼女目線の映画があったらそれも観てみたいです。
この物語に欠かせないサムのピアノ。‘時の過ぎゆくままに’。演奏する事を禁じて自分の心を封じ込めていたリック。イルザのリクエストでその旋律はカフェに流れる。再び動き出す二人の時間。蘇るパリの思い出。二人での‘これから’は無いけれど、その思い出を胸に彼女を送り出すリック。本当にカッコイイです。
ラストもいいね
Here’s looking at you,kid
1944年のアカデミー賞作品賞受賞。第二次世界大戦中で、いかにも当時のアメリカ人が好みそうな作品である。結局、男のロマン、男の美学を貫き通した主人公には、男の私でさえ惚れてしまうほどだ。名セリフのオンパレードで何度見ても飽きない映画である。イングリッド・バーグマンのアップの時に、わざわざソフトフォーカスにしているが、彼女の美貌であればその必要はないと思うのだが、余計なお世話か?
<印象に残ったセリフ>
(ラストの飛行場での別れのシーン)
リック:「俺たちにはいつでも思い出のパリがある。」
We'll always have Paris.
※別訳では、「君と幸せだったパリの思い出で俺は生きていける。」
ただ、主語が「We」なので、前述のほうが正確かも。
(もう一つは、超有名なこのセリフで名訳、映画の中では、4〜5回言っている)
「君の瞳に乾杯」
Here’s looking at you,kid.
(直訳だと、君を見ていることに乾杯かな?)
吹き替えが良かった
”愛”について語りたくなる。
女一人に男が二人。
筋だけ追えばメロドラマ。
だが、それを格調高くしている、登場人物の生き様。
時代背景も絡んで、どう生きてきたか、どう生きていくかが、各登場人物に問われる。
自分だけのために生きるか、誰かのために生きるか。
ファムファタール。否、破滅させているわけではないから、単なる”運命の女”か。
二人の男を手玉にとる悪女のようにも見えるが…。
困難な道を歩む愛する男を支えて生きるか。
恋しい男と、穏やかで楽しい生活を送るか。
揺れる女の覚悟。でも…。でも、でも…。
永遠だと思っていた愛が、つかぬ間のものだと知った男。
傷ついた心。世界情勢。揺れる男の決断。つかぬ間が永遠になる方法。
愛する女の間夫を知った男。
でも、取り乱さない。自分にはやらなければいけないことがあるから。ただ、愛する女の無事と幸せを願うのみ。
プロパガンダ映画として制作されたのではないが、プロパガンダ色が濃厚な映画。
映画に出てくるドイツはナチス親衛隊ではないが、ナチスがやったことを知っているから、つい、ラズロが英雄に見え、応援したくなってしまう。
ハンフリー・ボガート氏。ハードボイルドの代名詞。
だから、最初はリックが傷ついた心を持て余し、グジグジしているので驚いた。
でも、気持ちは共感できる。恋敵と自分を裏切った女の生死を決める切り札をどう使うのか。
映画は、物語でも堪能させてくれるが、魅惑的な台詞のオンパレード。
意訳の代名詞。バーグマンさんの瞳にくぎ付けになってしまい、この台詞が説得力を持つ。
ボギーの言い方。歯が浮きそうな台詞を淡々と口にするのだが、リックが言うと様になる。
付きまとってくる女を突き放すとき。
怒りを込めて挑むように「君の瞳に乾杯」。想いを込めての「君の瞳に乾杯」。
他にも、他にも…。
そして、ラズロの、ちょっと独善な高潔さ。
彼が下世話に描かれていたら、映画としての余韻がなくなってしまう。
サムや警察署長の愛くるしさが、緊迫した物語の中での息抜き。
それでいて、美味しいところを抑えている。
何故だかわからずに終わった愛は、引きずる。
けれど、
覚悟を決めて終わらせた愛は、永遠の宝物になる。
自分の欲だけではない。
でも、自己犠牲だけでもない。
愛の形。
自分ならどうするか。いつまでも、語りたくなってしまう。
美貌のイングリットバーグマンに乾杯♪
カッコいい
そういう話だったのね!
この作品を初めて見たのが20 歳。短大の英語の授業で、先生が見せてくれました(なぜか2回も)。
ただ当時は洋画に興味がなく、モノクロ、それに授業の一環だと思うと途端に寝てしまい。
2回とも飛行機が飛び立つラストシーンで目が覚めたという。
あーもったいないことした!。
「君の瞳に乾杯」
「昨日?そんな昔のことは覚えていない」「明日?そんな先のことはわからない」。
このセリフと主役が男女2人=恋愛物だと思い、敢えて見てませんでした。
ま、フランスで愛し合った2人が。モロッコ・カサブランカで再会する。
恋愛要素もあるけど、それ以上に。
戦時中のドイツ侵略の話や、リックの酒場での話。
結構男臭い面も多く。
リックと署長の男の友情(胡散臭い署長だけど)もなるほど。
ハンフリー・ボガードの渋い声や、世捨て人風なところにノックダウン。
作品中に流れる「時の過ぎゆくまま♪」。ここだったのねと発見。
H先生の講義というか映画話。聞きたかったなあ。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「これも運命ですかね」
最後に感動
Here's looking at you, kid.
Rickの台詞とIlsaの表情と涙が秀逸
こころに残る台詞
はぐらかし方もおしゃれ
Major Strasser: What is your nationality?
Rick: I'm a drunkard.
愛する人に目をそらさずに言う
パリで幸せなとき、パリが占領下で明日が見えないとき、Ilsaに再会しパリのときを取り戻したとき、別れを告げるとき
「君の瞳に乾杯」より深い意味を感じる
軽い感じから、人柄を知る口癖、最後は深い思いを感じる名台詞
Here's looking at you, kid.
格好悪い自分を言える格好良さ
Rick: You understand how I feel. How long was it we had, honey?
Ilsa: I didn't count the days.
Rick: Well, I did. Every one of 'em. Mostly I remember the last one. The wow finish. A guy standing on a station platform in the rain with a comical look in his face because his insides have been kicked out.
こんな愛の告白があるだろうか
戦時下の自国第一のぶつかり合いが描かれる中
利他主義の最たる台詞が切なくこころに響く
Ilsa: But what about us?
Rick: We'll always have Paris. We didn't have, we, we lost it until you came to Casablanca. We got it back last night.
Rickに銃を向けられたLouieが、侵略してきたドイツの少佐を撃ったRickをかばう、対ドイツの連帯から生まれる関係、最後は個人的に信頼できるかどうか
Rick: Louie, I think this is the beginning of a beautiful friendship.
脚本は最高に良い
黒澤明は
面白い脚本からくだらない映画ができることはあっても、くだらない脚本から面白い映画ができることはない
と言ったそうだが、これはまさに前者である
この映画は脚本がすごく良いと思う。この架空の街の架空の設定における人々の心の辛さや幸せを見事に描いている。
しかしとても残念なことに配役が大失敗だと思うのだ。ハンフリーボガードはちょっと活動家という感じが出ないしイングリッドバーグマンはこの役をやるには美しすぎる。それにキャラがあまり出てなくてただ美しいだけの女性になってしまっている。さらにライバル役の国民の希望的な活動家なのだが、完全にプレイボーイタイプを持ってきてしまった。脚本からするとこの役は見た目の冴えない男がやるべきなのだ。それを監督が何を勘違いしたか恋愛ドラマとして作り上げようとしたのでこのような配役になってしまった。そもそも脚本と監督が合わなかったのだろう。ハンフリーボガードのファンには申し訳ないがこれは失敗作だと思う。しかし脚本が良いので脚本だけをおってみれば逆に名作に感じる。そんな映画だと思った。
君の瞳に乾杯
第二次世界大戦中、アメリカへの中継地点であるフランス領モロッコのカサブランカを舞台にしたラブストーリー。
これぞ不朽の名作!
どのシーンをとっても美しくて無駄がなかったです。
当時の雰囲気や雨に濡れた質感などが、モノクロなのに凄く伝わってきました。
そして何よりキャラクターたちが個性的で、魅力的。
三角関係も見所ですが、リックと警察署長の友情が熱いです。
特に最後のシーンは最高でした。
第二次世界大戦中に製作されたようで、対ナチスドイツといった感じの作りになっており、ドイツが悪として描かれていたのも印象的です。
戦争という困難の中愛し合ってしまった2人がなんとも哀しい。
それにしても、主演のハンフリー・ボガートはいくらなんでもカッコ良すぎます。
なんとも男らしくて、名台詞の『君に瞳に乾杯』が似合う人なんて彼ぐらいなのでは。
場面によって色々舞台は色々と変わるのですが、まるでずっと彼のバーで話が進んでいるような感覚に囚われました。
広いようで狭い。
カサブランカというひとつの街で様々な事件が起きる。
とても良い映画でした。
ピアニストの黒人男性のピアノと歌声が美しいです。
ラ・マルセイエーズもアズ・タイム・ゴーズ・バイと共にこの映画を代表しているようで清々しい。
この映画を観るのは何回目だろうか?
僕にとっていい映画とは・・・何度も観たくなる。それが結論。
愛する女のために命をかける男を描いた映画は腐るほどある。
しかし、愛する女には愛する男がいる。しかし、愛する女はまだ自分のことを愛してくれていることが判ってしまった。そんな男の話なのだ。
この男はどうする?
ラストシーンでのボガードのセリフはあまりにも長すぎる。
しかし、彼の演じる役柄はどれをとっても長いセリフが多いから仕方がない。
下手な相手の質問には答えず、相手を突き放すように別れを告げる。
しかもこのセリフの回し方がボガードの真骨頂なのだ。
「マルタの鷹」「三つ数えろ」などなどの作品でもこのセリフ回しは登場する。
でも、このカサブランカほどの迫力と説得力はない。
ここに至らせるまでの脚本づくりはまだお目にかかったことがない。
【大学時代に、人としての誇りと義侠心を重んじる事の大切さを名画座で学んだ作品。ヴィクトル・ラズロが”ラ・マルセイエーズ”を演奏させ、客の多くが大声で合唱する場面には涙する作品である。】
- 学生時代、名画座で学友たちと鑑賞してから、早や幾星霜。 -
ー 昨今、蔓延するウイルス名(コロナ)が名前の一部に入っている”甚だ迷惑しているだろう”映画館にて、”ワーナー・ブラザース クラシック上映”としてかけてくれることになり、昨日に引き続き足を運んだ。ー
<内容は誰もが知っていると思われるので、割愛。>
・が、非常に思い入れがある作品なので、お気に入りの台詞、場面を幾つか列挙する。(最初二つはおバカな話である。すいません。)
・リックがカサブランカで経営する”カフェ・アメリカン”で男に近寄る妖艶な美女イボンヌにリックが言う台詞
イボンヌから昨日の事を聞かれて、
”そんな昔の事は覚えていない・・。”
で、明日の事を聞かれて
”そんなに先の事は分からない・・。”
この台詞が、おバカな男子学生どもは非常に気に入り、
”昨日の講義のノート貸してくれよ・・。”
”そんな昔の事は覚えていない・・。”
”明日の地下鉄掘りのバイト、行くのか?(地下鉄掘ってたんです・・。)
”そんなに先の事は分からない・・。”
などと言い合い、お互いに笑っていた・・。おバカである。
・リックがイルザに度々言う
”君の瞳に乾杯”
この台詞も、おバカな男子学生どもは非常に気に入り、
学食でカレーを食べる時などにわざわざ、水の入ったコップを掲げ、
”君の瞳に乾杯”と言ってから食べ始める変な風習が蔓延したものだ・・。
- ここから沁みた場面を幾つか ー
・リックの経営する”カフェ・アメリカン”で独逸兵が周りを気にせず、大声で歌を歌っている時に、ヴィクトル・ラズロが楽団の前に行き、自ら指揮を執り”ラ・マルセイエーズ”を演奏させ、客の多くが(あのイボンヌも涙を流しながら歌っている・・。)大声で合唱する場面。(黙ってしまう独逸兵達・・。)沸き上がる喝采。(観ている側も喝采の拍手)
・この場面は皆が書いているが、矢張り書く。
随所で流れる”As Time Goes By"の演奏シーンと曲調、テンポの使い分け方。
最初は、ラズロとイルザが”カフェ・アメリカン”に来た時に、イルザがピアニストのサム(イルザの姿に驚く、かつこの曲はリックから演奏を禁じられていた。)にリクエストして、流れた時のリックとイルザの再開の場面。正統的ピアノで演奏される。
又、リックが独酌しながらイルザを詰るシーンで流れる曲調は哀切。
・通行証を巡るリックの大芝居と、驚くイルザに言う台詞の素晴らしさ。リックのイルザへの想いと、彼の誇りと義侠心に満ち満ちた言葉。そして口にされる”君の瞳に乾杯”。
ー この場面を観て台詞を聴いて、”沁みない、涙しない”という人とは、友人にはなりたくない・・。ー
・そして、フランス警察ルノー署長(ルイ)のした粋な事。リックと交わす会話。
<数十年前に複数回観た映画だが、客電が落ちてからはあっという間に私の時間は学生時代に戻り、この傑作を大スクリーンで堪能した。
そして客電が灯った時、矢張り映画とは良いものである、と感じながら劇場を後にした。>
<2020年3月29日 安城コロナワールドにて鑑賞>
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