顔のない天使
劇場公開日:1993年12月18日
解説
将来に不安を抱く少年と、過去の呪縛から逃れられない元教師の理解と友情を描いたヒューマン・ドラマ。「フォーエヴァー・ヤング 時を超えた告白」の俳優メル・ギブソンが友人のプロデューサー、ブルース・デイヴィと設立したアイコン・プロ第一回作品で、ギブソンが初監督と主演を兼ね、製作をデイヴィーが手がけている。イザベル・ホランドの小説を、本作が初の劇場映画のマルコム・マクラーリーが脚色。撮影は「パトリオット・ゲーム」のドナルド・マッカルバイン。音楽は「心の扉」のジェームズ・ホーナー。特殊メイクは「フック」のグレッグ・キャノンが担当。共演は本作で映画デビューの子役ニック・スタール、「メジャーリーグ」のマーガレット・ウィットン、「めぐり逢えたら」のギャビー・ホフマン、「デッドフォール」のジョフリー・ルイスら。
1993年製作/アメリカ
原題または英題:The Man without a Face
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1993年12月18日
ストーリー
1968年の夏、メイン州の高級避暑地にノースタッド家が恒例のバカンスにやって来た。姉と妹とはそれぞれ父親が違うという複雑な家庭に育った12歳の少年チャック(ニック・スタール)の夢は、名門ホリフィールド士官学校に入学すること。家族から孤立している彼は、朝鮮戦争で死んだという父のわずかな記憶だけを心のよりどころにしていた。避暑地には事故で顔半分にやけどを負い、人目を避けるように暮らす、元教師のジャスティン・マクラド(メル・ギブソン)がいた。チャックは彼に自分の個人教師になってほしいと頼むが、マクラウドは誰も教える気はないと断る。だが、いつしか2人は心を通い合わせ、友情が芽生える。勉強に打ち込むうちに、2人は教えること、学ぶことの喜びを取り戻していった。チャックはマクラウドの事故のことを聞き出そうとしたが、彼は決して語ろうとしなかった。ある時セックスの現場をチャックに見られた姉は怒りから、彼の父の本当の死因を明かす。父はアルコール依存症で、精神病院で悲惨な最後を遂げたと聞かされたチャックは、雨の中をマクラウドの元にかけつける。彼は動揺するチャックを家に泊める。母親の連絡を受けてマクラウドの家を訪れた保安官は下着姿のチャックを見つけて母親の元に連れて帰るばかりか、以後は彼に会うことを禁じてしまう。マクラウドは10年前、教え子を乗せた車で事故を起こして死なせたばかりか、その時、車内で性的虐待を行っていたかどで投獄されていたというのだ。自分とマクラウドの間には何もなかったと言っても町の人々は信じてくれない。町を発つ日、チャックは母の目を盗んでマクラウドに会い、事故当時の真相を聞く。「真実は自分が信じることにある」と言う彼の姿に無実を確信したチャックは、士官学校の入試に向けて旅立った。みごと合格したチャックはマクラウドの家を訪れるが、そこには誰もいなかった。4年の歳月が過ぎ、チャックは卒業式を迎えた。人込みの彼方には懐かしいあの後ろ姿が。その後ろ姿はゆっくりと振り向くと、うれしそうに手を振った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- メル・ギブソン
- 脚本
- マルコム・マクラーリー
- 原作
- イザベル・ホランド
- 製作
- ブルース・デイビ
- 撮影
- ドナルド・M・マッカルパイン
- 美術
- バーバラ・ダンフィ
- 音楽
- ジェームズ・ホーナー
- 編集
- トニー・ギブス
- 特殊メイク
- グレッグ・キャノン
- 字幕
- 進藤光太