男の闘い

劇場公開日:

解説

実在した“モリー・マガイア”という秘密結社の男と権力のスパイとの闘い。製作はマーティン・リット、ウォルター・バーンスタイン、監督は「暗殺」のマーティン・リット。脚本はウォルター・バーンスタイン、撮影は「愛すれど心さびしく」のジェームズ・ウォン・ホウ、音楽は「パーティー」のヘンリー・マンシーニがそれぞれ担当。出演は「馬と呼ばれた男」のリチャード・ハリス、「007は二度死ぬ」のショーン・コネリー、「ドリトル先生不思議な旅」のサマンタ・エッガー、「栄光の座」のフランク・フィンレイ、「ウィル・ペニー」のアンソニー・ザーブとアンソニー・コステロ。他にアート・ランド、ベセル・レスリーなど。テクニカラー、パナビジョン。1969年作品。

1969年製作/アメリカ
原題または英題:The Molly Maguires
配給:CIC
劇場公開日:1970年11月12日

ストーリー

1870年代のペンシルバニア北東地方の炭坑では、アイルランド移民の坑夫たちが秘密結社“モリー・マガイア”を組織し、苛酷な労働と生活のための闘いに立ち上がった。その争議がピークに達した1876年、1人の労働者ジェームズ(リチャード・ハリス)が仕事を求め、この地方にやってきた。この新顔に対して、結社の指導者キーオ(ショーン・コネリー)、フレイザー(アート・ランド)、ドーティ(アンソニー・ザーブ)、マックアンドリュー(アンソニー・コステロ)たち坑夫は、最初は疑ったが、次第に彼を信用するようになった。しかし、実際は彼は警察から送られて来たスパイであり、警察署長のデビス(フランク・フィンレイ)と秘かに通じていた。ジェームズは病で寝たきりの父親と暮らしているメリー(サマンタ・エッガー)の家の部屋を借りることとなり、一緒の生活の中で、新鮮な彼女に心ひかれていった。一方、仲間の信用を得るために、ジェームズは警官を殴ったり、結社の秘密の儀式で、宣誓などをするのだった。メリーは、他の坑夫とは違うと思っていたジェームズのこのような行為に失望していった。ある日、モリー一味は隣の炭坑の管理者の殺害を依頼され、ジェームズもそれに賛成するのだった。殺害計画は決行されたが、現場には警官が待伏せていた。その時、ジェームズは決死の活躍で仲間のフレイザーを救った。その為、結社のだれ1人として、ジェームズを密告者と疑うものはなかった。また、警察の方は、この件に関してはキーオたちを見逃し、一網打尽の時を待っていた。そんなある晩、フレイザーが妻と寝ている所を狙撃され、犯人が警察の男とわかり、復讐しようとしたドーティが逮捕された。それからしばらくして、メリーの父親が死んだ。労働者として典型的な生涯を送った彼の死は、アイルランド坑夫たちに、深い悲しみと、にえたぎる怒りをもたらした。深酒したキーオは怒りを爆発させ、鉱山管理人の家を破壊し、ジェームズと共に火を放った。さらに、キーオ、マックアンドリュー、ジェームズの3人は、閉鎖された坑山を爆破しようと、ダイナマイトを持って出かけたが、大勢の警官によって逮捕されてしまった。キーオ、マックアンドリュー、ドーティ、3人の裁判が開かれ、ジェームズの証言で、皆有罪となり、死刑を宣告された。裁判の後、新しくデンバー警察署長の椅子を与えられたジェームズは、メリーに結婚を申し込んだ。彼を慕い、炭坑を出ることを夢みていたメリーだったが、同志を裏切った彼と結婚することは、彼女の心が許さなかった。この土地を去る前、ジェームズは免罪のため、キーオの独房を訪ねた。キーオはその時ジェームズを殺そうとしたが、かけつけた看守によって、彼は一命をとりとめた。キーオの怒号をうけ、ジェームズは「地獄でまた逢おうぜ」と言い残し、そこを去った。(CIC配給*2時間5分)

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第43回 アカデミー賞(1971年)

ノミネート

美術賞  
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

5.0潜入

2020年5月27日
Androidアプリから投稿

原題は The Molly Maguires でアイルランド移民の秘密結社の名

これが存在したことを示す証拠は 全くといって残されていないが、炭鉱で働くアイルランド坑夫の一部が祖国で地主に暴力的に対抗したのと同様にしたらしい

色々な見方がされるが、彼等の行為が 炭鉱主の策略にはまり、せっかくの労働組合を壊滅させた

労働環境は最悪で ストライキ時には餓死者も出たらしい
ジャック・キーオ(コネリー)の妻も 畑を作ったり、植物の根を掘り起こしている

映画は 送り込まれたジェームス・マッケンナ(本名マクパーランド)の目を通して 結社と当時の〈穴〉と呼ばれる採掘現場の様子を語っている
彼を演じる リチャード・ハリスがとても良かった
(労働者側から見ると 悪党なのだが… )

彼は あの悪名高いピンカートン探偵社に所属していた
数多くのスト破りをしている(労働スパイ)

作家のダシール・ハメットも所属していたことがあり 経験は作品に生かされているが
スト破りには うんざりしたらしい
労働運動に共感し、左翼思想になり、赤狩り時にはブラックリストにのった

硬派のリット監督も 脚本のバーンスタインもブラックリスト組です

そして冒頭で マッケンナがウェールズ人署長に言い放った言葉
〈だってアイルランド人なんだ 〉というのも理解出来ました

コメントする (0件)
共感した! 0件)
jarinkochie