恐るべき子供たち
劇場公開日:2021年10月2日
解説
ジャン・コクトーの同名小説を、後に「サムライ」「仁義」などのフィルムノワール作品を生むジャン=ピエール・メルビル監督が映画化し、ヌーベルバーグの先駆的役割を担った作品。ある雪の日の夕方。少年たちの雪合戦が白熱する中、ポールは密かに思いを寄せる級友ダルジュロスが放った雪玉を胸に受け、気を失ってしまう。怪我を負ったポールは、姉エリザベートや病気の母と暮らす自宅で療養することに。姉弟は他人の介入を決して許さない秘密の子ども部屋で、危険な愛と戯れの世界を築き上げていくが……。原作者コクトーが自ら脚色に参加し、ナレーションも務めた。「死刑台のエレベーター」「大人は判ってくれない」のアンリ・ドカエが撮影を手がけ、クリスチャン・ディオールが衣装デザインを担当。1950年に製作され、日本では76年に劇場初公開。2021年10月、4Kレストア版でリバイバル公開。
1950年製作/107分/PG12/フランス
原題:Les Enfants Terribles
配給:リアリーライクフィルムズ
日本初公開:1976年8月14日
スタッフ・キャスト
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2022年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
原作はジャン・コクトーの代表作。物語は実の姉と弟の愛情と依存を探るもので、最終的に悲劇に終わる衝撃的なストーリーだけを追っては理解できないものがある。それでも映像は美しく、終始不思議な世界観に誘惑されるような感覚に陥る。ここに現実的な感覚を当てはめて解釈しては、コクトーの美学に到達できないのだろう。やはり、詩であり演劇であるコクトーの独特な世界だ。
それでも、ほんのワンカットだが、この姉弟の亡くなった母親の顔が映し出される。それはとても無残で哀れな表情を見せていた。長い間の病苦を受けた顔に見える。この母の看病をしていた姉弟は、普通以上の助け合う努力をしていたに違いない。二人だけの生活が全てになっていた。そして、その姉が弟に対する愛情や嫉妬を強く意識したのが、アメリカ人の富豪の夫を交通事故で失ってからだろう。弟は学友との付き合いや理想の女性を見つけても、積極的に行動を起こせない男である。どうしても世話役に付いた姉の独占欲が強くなってしまう。姉は母親を兼ねて愛情を弟に向け、誰にも渡せないところまで行ってしまった。家族の愛情から他人との愛情の成長を経ることが出来なかったある姉弟の運命的な悲劇の物語。つまりは、姉も弟も母親からの愛情に飢えていたことが、この悲劇の発端ではないだろうか。
1977年 3月18日 池袋文芸坐
2022年3月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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映画館で4Kレストア版を鑑賞。
き、キモかった〜〜〜という感想が飛び出てきてしまった……執着の方向性とか情緒の不安定さが姉弟ふたりともキモかったので……
役者の年齢が子供っていうには歳とりすぎてて笑っちゃいましたね……どうにかならんかったんか??? そしてあらすじに出てくるダルジュロスくん、ちょこっとしか出なかったから驚いちゃったな……
姉が弟に向けてたのは「毒親鬼女が子に向ける感情」に近い印象を受けたんだけど、原作だと違うのかしらん??
原作読まないと理解できなさそうなポイントが結構ある気はする、けど白黒の陰影がガッツリ効いた映像が綺麗でよかったです
2021年10月9日
Androidアプリから投稿
2021年10月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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コクトーの代表作を映画化した、ほとんどコクトーが監督みたいな作品。
カメラワークも斬新ですね。
弟役の人はコクトーの恋人らしいです。コクトーが推薦したから、大人が中学生の役をやる事になったのかな。
白い雪の玉を投げ、最後には黒い毒を送ってくるダルジュロスは、なんとアガット役の女優のひとり二役なんですね、見ている間は気がつきませんでした。
半ズボンをはいて見に行きたい?
原作が好きな方にはおススメです。