オール・ザット・ジャズ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「シカゴ」などの名作を生んだブロードウェイの演出家・振付師ボブ・フォッシーが監督・脚本・振付を手がけた自伝的作品。フェデリコ・フェリーニ監督作「8 1/2」にオマージュを捧げながら、ブロードウェイでの仕事漬けの日々や、様々な女性との出会いと別れを、華麗なミュージカルシーンを交えて描き出す。ブロードウェイのベテラン演出家ジョー・ギデオンは、自身の集大成となる新作ミュージカルの準備に追われながら、酒とタバコと女に明け暮れていた。そんなある日、彼は長年のハードワークと日頃の不摂生がたたり、ついに倒れてしまう。生死の境をさまよう彼の脳裏に、それまでの人生がミュージカルのように浮かび上がっていく。主演は「ジョーズ」のロイ・シャイダー。1980年・第33回カンヌ国際映画祭でパルムドール、第52回アカデミー賞で4部門を受賞した。

1979年製作/123分/アメリカ
原題または英題:All That Jazz
配給:コロムビア
劇場公開日:1980年8月30日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第4回 日本アカデミー賞(1981年)

ノミネート

外国作品賞  

第33回 カンヌ国際映画祭(1980年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ボブ・フォッシー

出品

コンペティション部門
出品作品 ボブ・フォッシー

第37回 ゴールデングローブ賞(1980年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ロイ・シャイダー
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映画レビュー

3.5ブロードウェイミュージカルに人生を捧げたボブ・フォッシー監督の自叙伝

2022年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ボブ・フォッシーの本格的ミュージカルの評判高く、カンヌ国際映画祭では黒澤明監督の「影武者」と並んでパルム・ドールを受賞した話題作。期待は大きく膨らんで劇場に駆け付けたのだが、正直言って満足できなかった。勿論ニューヨークで活躍する超一流の振付師・演出家ボブ・フォッシーの本場ブロードウェイを舞台にした自伝的ミュージカルだから、そのダンスのリズム感、躍動するダンサーの生々しい迫力は充分圧倒的である。何百人ものダンサーがしのぎを削り、僅か数人のメンバーが選出されるテスト風景から緊張感の連続で、流石本場は違うと感心させられる。アラン・ハイムの編集がまた、その緊張感を緩めず疾走するようにモンタージュされ爽快感で満ち溢れている。それなのに、何故か僕の視線はスクリーンの中に釘付けされず、物語が進むにつれて何か白けた空間にポツンと座席に座っている、という印象だった。これはどうしたことだろうと、自分でも不思議なくらい。
確かに僕の持つ不満は、フォッシー監督の意図から外れ、無いもの強請りかも知れない。というのも、この映画が余りにもフォッシー監督個人の体験に基づいた自画像であり、そこにはこの世で最も幸せに満ちた作者が居るだけなのだ。極論すれば、“私は、これ程まで肉体を虐げながらも、素晴らしいミュージカルを作り上げることに命を懸けているのだ”という、納得した人生観が支配している。これがどうも僕の体質に合わない。単に気に入らない訳ではない。例えばこの題材を映画ではなく舞台で鑑賞したなら、それなりに感動すると思う。ミュージカルの創作過程にある作者の闘いを本物の舞台で観たなら、強い感銘を受けるだろう。しかし、作者の苦闘の満足というモチーフが映画では最良ではない。例えて言えば、「愛の嵐」「タクシードライバー」に感じた時の作者の自己満足が、映画的ではないとする価値観である。
ならば主人公ギデオンが夢に見る死の天使との会話シーンにユーモアがあったならば、少しは緩和されたと思う。ショービジネスの厳しい現実がもっと感じられて、主人公に共鳴出来たかも知れない。この幻想シーンが、稚拙な絵に終わっている。最もお気に入りのシーンは、主人公ギデオンの妻と娘が突然プレゼントするダンスシーンである。ここには、観客に対するサービス精神も感じられた。

ボブ・フォッシー監督が、その才能と自信を存分に生かした自叙伝ミュージカル。ダンスのリズム感とその妙味など見所も多い。しかし、そこには幸福な作者の自己満足の充足が大部分を占める。参考にしたであろうフェリーニ監督の名作「8 1/2」と比較して、そこが残念だった。

  1980年 9月2日  みゆき座

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Gustav

5.0ショービジネスで生きた男の半生

2021年11月27日
スマートフォンから投稿

楽しい

二十歳ぐらいの頃に映画館で見たのですが、当時もとても気に入っていた映画です。久しぶりに見たのですが、ストーリーを結構覚えていたのは、深く印象に残っていたのでしょう。
ボブフォッシーのことはあまり知らないのですが、よく理解できました。私と違ってかなり女性関係が派手な人のようですが、共感できる部分が多かったのは私が若い頃から退嬰的な人生観を持っていた為でしょうか。
素晴らしいダンスシーンがかなりの部分を占めており、そのことが映画を楽しめた一番の理由でしょう。特に別れた妻と娘のダンスシーンが好きです。別れた妻役の女優とロイシャイダーの演技が素晴らしく、二人の間の微妙な感情をうまく表現できていました。娘役の演技も素晴らしい。
天使の役?の女性はユング心理学でいうアニマの存在に当てはまります。男性の心の中に住む理想の女性像で、時として男性を破滅に追いやる存在です。
現実と妄想が渾然一体となって、人によってはわかりにくいかもしれませんが、それがボブフォッシーの生きていた世界なのでしょう。ショービジネスの世界はどこかこの世ではない世界なのでしょう。

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tatechan

5.0ショービジネスに とり憑かれた男

2021年10月30日
Androidアプリから投稿

フォッシーの半自伝的映画

目薬をさし、クスリの助けを借り、煙草を吸い続けながら
舞台の演出と振付に追われ、出資者に理解を求め、映画監督もしながら
重圧に苦しむ

恋と舞台は一瞬の輝きを放ったら終了する

評価に惑わされながらコマネズミのように働く

自分の家庭だけは構築出来ない振付師を
ロイ・シャイダーが魅力的に演じている
(ドレイファスを拒否したのが 何となくわかる)

病と共に生きる、というが
映画の中の彼は 死の天使(ラング)にも惹かれ、いちゃついている
バッタリ倒れるかもしれない、という意識も常にあったのだろうか

死期が近いと宣告されて執念で完成させたらしいが
(1979年公開/1987年死去)
映画もその中の振付師も悲壮感は微塵も感じさせず
軽やかで 洒落っけがあって セクシー

20世紀最大の振付師といわれるフォッシーの感性とプライドを感じさせる

出資者達が家族連れには見せられない、と嘆く(?!)
パフォーマンスが好きです

メインを演じる女性ダンサーたちの足の長さと美しさにも惚れ惚れ

若い頃見た時には「 何だ、この女ったらしは! 」と思ってましたけど…

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jarinkochie

0.5監督知らなきゃチンプンカンプン

2021年9月20日
PCから投稿

ハリウッドでは有名なフォッシー君の自伝的映画ですから、彼の半生を知ってる前提なので、知らない人にはそもそもお話が分からなくてストレス全開です。
・色んな人が出てくるけど背景や関係性わからない人が多数アリ
・芸人の映画を編集してるところが唐突に出てきて意味不明
・時々出てくる回想か幻想みたようなシーン、意味不明で未来の予告まであったとは、はぁー?
・薬飲んで目薬差してショータイムだ、って何度も出てくるけど何の符牒?
・繰り返し出てくるジェシカ君ってどういう位置づけ?
などなど、あとの方でなんとなくわかったこともいくつかありましたが、少なくとも最初の一時間はイライラの連続です。予備知識なし、初見でわかるんですかね?
まあ、踊りと唄だけ楽しむだけならいいんでしょうが、お話が分からないのは無理です。
久々の零点作品です。

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越後屋