オー!

劇場公開日:

オー!

解説

ジャン=ポール・ベルモンドが主演を務め、若きギャングの成功と破滅を鮮烈に描いた青春クライムアクション。名作「冒険者たち」の監督ロベール・アンリコ、原作ジョゼ・ジョバンニ、ヒロインのジョアンナ・シムカスが再タッグを組んだ。カーレーサーのフランソワ・オランは親友のドライバーと組んで八百長を企てるが、レース中に事故を起こして親友が死亡し、その殺害の嫌疑をかけられてA級ライセンスを剥奪されてしまう。数年後、オランは銀行強盗団の運転手にまで落ちぶれており、一味のボスであるフランソワ・カンテールと名前が同じであるため、仲間たちからは「オー」と呼ばれていた。ある日、カンテールが拳銃の暴発で死んでしまう。オランは組織のボスになろうと画策するが仲間に見下され、一匹狼として生きることを決意。やがて彼は“アルセーヌ・ルパン+アル・カポネ=オー”と新聞でもてはやされ、暗黒街で名をあげていくが……。1968年製作で日本では69年に初公開。2020年には、ベルモンド主演作をリマスター版で上映する「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」(20年10月30日~、東京・新宿武蔵野館ほか)で公開。

1968年製作/107分/G/フランス・イタリア合作
原題:Ho
配給:エデン
劇場公開日:2020年10月30日

その他の公開日:1969年5月24日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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HO! a film by Robert Enrico (C)1968 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - MEGA FILMS

映画レビュー

3.0「悪ガキ」と言われた男の顛末

2023年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

寝られる

「コブラ、ルパン三世、ジャッキー・チェン氏に加えて、加えてトム・クルーズ様に影響を与えた俳優」と聞いて鑑賞。
 勝手なイメージが先行して、最初の鑑賞の時は、物足りなかった。
 もっと、ほれぼれするような格好いい主人公が見られるのかと思ったら…。

『俺たちに明日はない』を彷彿とするような転落劇。
 解説には「若きギャングの成功と破滅を鮮烈に描いた青春クライムアクション」とあるが、『俺たちに明日はない』のような激しさはない。
 近年のクライムもののようなひりひりした感覚もなく、どちらかというと緩い。
 「怪盗ルパン+カポネ」と新聞記事でもてはやされるような脱獄劇はあり、それが通るの?と驚くような手腕ではあるが、映画的な華やかさはない。
 ”成功”した姿が、ちっとも満足そうではないので、”成功”?と思ってしまう。
 また、恋人を守れなくて、相手のなすがままにさせておいてと、”格好いい”を念頭に置いていると腹が立ってくる小者感。
 ラストも、ハリウッドのような派手な打ち上げ花火で終わらない。”悪”を気取った男の成れの果て。ジャンヌ・モローさんの『危険な関係』のラストを思わせるようなシビアさ。
 予告にある説明文「”怪盗ルパン+カポネ”と呼ばれた男の哀しき生き様」という、”哀しさ””やるせなさ””男の幼稚さ”だけが余韻として残る。

それでも、初めから”大物ぶっている小者”の物語として観ていると、よくできている。
 ベルモンドさんて、こういう役もなさるんだ。
初見では、もっと短くサクッとしてもと思ったりもするが、ある意味冗長に、一つ一つのエピソードを丁寧に描いている。
 親友への、カーレースへのこだわり。「金じゃない。命かけているんだ」
 恋人との関係の変化。ー成熟した”愛”を知らない男。
 記者との関係。ー記者側の変化。
 警察との攻防。ーいかにも”切れ者”っぽい風貌が笑える。
 元仲間の中での立ち位置。
いくつもの糸が絡み合って物語が進んでいく。
ただ、濃厚に描くわけではない。ベルモンド氏のその時その時の表情も、見逃してしまうと、話が薄っぺらくなる。

アクションも、「上記の人々に影響を与えた」目線で見ると、この映画では控えめ。車を使って逃走もあるが、カーチェイスというほどではない。「その街中で撃ち合うか?警察も」という銃撃戦もあるが、今の目線で見ると、もたついている。
 特筆すべきはレーシングカーでのレースか。ベルモンド氏ご自身もレーシングカーを操ると聞く。ご自身で運転したのだろうか。

とはいえ、この映画を特別にしているのは、当時のファッション・インテリア。
あの、鯨のソファー・ベッド?おこもりテント?に始まるベネディットのインテリア・センス。
フランソワの部屋のインテリア・センスもよい。
ベルモンド氏の着こなし。
新聞を包んでプレゼントの粋。
カーマニアではないけれど、おもちゃのようなフォルムの車たち。
当時のエスプリを堪能。”外国”へ旅行した気分になる。

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とみいじょん

3.0冒険者たち

2022年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(ジャン=ポール・ベルモンド)はカーレーサー、八百長を企てるが、組んでいた親友のレーサーが事故で死亡、主人公はライセンスを剥奪される。
その後は強盗団の運転手をしていたが、ひょんなことからボスが亡くなり、跡を継ごうと決意する。
恋人役が好きだったジョアンナ・シムカス、可愛かった。

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いやよセブン

1.5美しすぎるシムカス、数々の名車、そして、なんだかんだで、ベルモンド。

2021年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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osmt

4.0青春×犯罪×べルモンド

2020年11月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

べルモンド傑作選の三本目はこの作品
怪盗ルパン+アル・カポネと呼ばれた若き悪党フランソワ・オラン、通称「オー」の活躍を描いたフィルム・ノワール
カーレースのシーンや脱獄のシーンはルパン三世1stシーズンで丸々参考にしたんだろうなと思うそっくりな話がある。
お馴染みの黄色いオープンカーも出てくるし

少し登場人物の気持ちが読み取りづらいが、印象に残るシーンだらけだ。脚本だけが満点でも忘れてしまう映画はよくあるが、こういう映画は忘れない。映画って結局こういう説明が難しい雰囲気、味、愛嬌が一番重要だと思う。その面から見ると今作は満点!

元レーサーで悪党な主人公
変装してなりすまし釈放(一番好きなシーン)
ネクタイを372本持ってる
なんて現実味の無い設定なんだって思うかもしれないけど、それが面白いんじゃない!という製作陣の開き直りが感じられて清々しい。そして、実際に面白いんだからしょうがない。
ラストのヒロインの最期がかつての友人の最期と同じなのもいい。どちらもオーを残して死んでしまうのが切ない。

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柴左近
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