エーゲ海の天使

劇場公開日:

解説

エーゲ海を舞台に八人のイタリア兵たちの姿をユーモアと風刺を混じえて綴ったドラマ。九一年度アカデミー外国語映画賞受賞作品。監督はTurne(89 末)のガブリエーレ・サルヴァトレス。製作はジャンニ・ミネルヴィーニと「ボイス・オブ・ムーン」のマリオ&ヴィットリオ・チェッキ・ゴーリ。脚本はヴィンセンツォ・モンテレオーネ。撮影はイタロ・ペットリッチョーネ。音楽はジャンカルロ・ビガッツィが担当。主演はギリシャ出身でこの作品で海外デビューのヴァンナ・バルバ、サルヴァトレス作品は三作目となるディエゴ・アバタントゥオーノ。

1991年製作/イタリア
原題または英題:Mediterraneo
配給:KUZUIエンタープライズ
劇場公開日:1993年5月8日

ストーリー

一九四一年、第二次大戦が勃発した年、エーゲ海の小島に八人のイタリア兵が上陸した。彼らの任務は島を敵から守り、報告することであった。モンティーニ中尉(クラウディオ・ビガリ)、ロルッツ軍曹(ディエゴ・アバタントゥオーノ)、中尉の従卒ファリーナ(ジュゼッペ・チェデルナ)、ムナロン兄弟(メーモ・ディーニ、ヴァスコ・ミランドラ)、ストラツァボスコ(ジージョ・アルベルティ)、ノヴェンタ(クラウディオ・ビジオ)、無線技師コラサンティ(ウーゴ・コンテ)、この八人から部隊は成る。第一日目の夜、暗闇からの足音で一斉射撃が始まる。その犠牲になったのはストラツァボスコの可愛がるロバだった。彼は撃った仲間に憤怒し無線機を岩に投げつけ壊してしまう。そして次に彼らの戦艦が爆撃に遭い本国と連絡のつけようがなくなってしまった。そしてある日、今まで隠れていた島の人が八人の前に現れた。彼らは島の住人とともに平穏な日々を過ごしていくようになる。ファリーナは娼婦のヴァシリサ(ヴァンナ・バルバ)を愛し結婚をする。そして他の者たちもそれぞれ夢のような生活を送っていた。しかし、ある日島にイギリス軍の船がやってきた。それは八人がこの島を離れ、国に帰ることを意味していた。ファリーナは帰国を拒み身を隠す。しかし、彼は血気盛んで祖国再建に燃える軍曹に見つかってしまう。だが軍曹はファリーナの心情を思いやり、それを見逃す。何十年か後、老人となったモンティーニが島を訪れる。そして彼はファリーナを訪ねる。だが妻のヴァシリアはこの世を去っていた。モンティーニはもう一人この島で思い出深い人に出会うことになる。それは軍曹だったロルッソだったのだ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第64回 アカデミー賞(1992年)

受賞

外国語映画賞  
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映画レビュー

4.5戦禍の地中海に残ったオアシス

2024年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

第二次世界大戦時を題材とした映画は凄惨なものばかり。そりゃ当然戦争してたんだからそうなるけど、そんななかに一息つけるような、人間の営みを続けている場所もあった。
それはただ忘れられていたから戦禍を逃れたわけではなくて、かかわった人たちがその安寧を損なわないようにしたからこそ、平和であることを続けられた。
太平洋戦争での沖縄の離島での悲劇を知っていると、この島は本当に奇跡としか言いようがないほど平和だ。人は時間や自然と向き合いながら平穏に生きるのが良いのだと感じるほど。しかしそれはこの映画で直接的には描かれていない「戦争の悲惨さ」が前提として存在するからこそ対比として浮き上がる事実であり、戦争を知らない世代がこの映画を見たら、そこまで背景を読めるか知識を試されることになるかもしれない。
同じようなテーマの映画に「トンマッコルへようこそ」があるが、そちらも良い映画でした。

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mamemame

2.0リラックスなんです

2014年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

悲しい

幸せ

第二次世界大戦の別の顔を垣間見させてくれる作品です。展開する情景は実にリラックスしたものばかりなのですが、背景に戦争があることで、この、つかの間感がどこかで切なさを感じさせます。
映画って観終わった後、如何に楽しかったとしても、どこか心を動かすことの疲れがある気がしますが、この映画はそういったものからは随分、かけ離れたもののように思えました。どこかしら、軽い気持ちで観ていられる映画でした。たまには、こういうのも良いかもですね。
ただちょっと終わり方がベタだったのは、どうかなぁ、なんていうのがありましたかね?

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チャーリー