永遠のエルザ
劇場公開日:1972年4月15日
解説
「野生のエルザ」から6年。東アフリカの狩猟監理官アダムソン夫妻に育てられたエルザが野生に帰り、3匹の子ライオンを残して伝染病で死んでしまった。その残された子ライオンたちが、野生の中でどのように闘い、生きていったかを、アダムソン夫妻の眼を通して描いていく。製作総指揮にカール・フォアマンが当たり、製作は「野生のエルザ」のポール・ライディン、監督は「ワイルド・ドッグ」「狼王ロボ」などディズニー作品出身のジャック・クーファー。ジョイ・アダムソン女史のベストセラー小説をミラード・カウフマンが脚色。撮影はウォルフガング・スシツキー、音楽はソル・カプランが各々担当。出演はジョイ・アダムソン夫人に「さすらいの旅路」のスーザン・ハンプシャー、夫のジョージ・アダムソンには「ロンドン大捜査線」のナイジェル・ダベンポート、「クロムウェル」のジョフリー・キーン、ピーター・ルコエなど。
1971年製作/アメリカ
原題または英題:Living Free
配給:コロムビア
劇場公開日:1972年4月15日
ストーリー
マサイ集落に滞在しているジョイ・アダムソン(スーザン・ハンプシャー)の許に連転手のマッキードが駆けつけ、エルザが病気で死にそうであることを告げた。エルザは、アダムソンが赤ん坊の時から育てた牝ライオンで、今では野生に帰って3匹の子の母親として生活していた。夫人はとるものもとりあえず、夫のジョージ(ナイジェル・ダベンポード)の許に向かった。しかし、時はすでに遅く、エルザはジョージの腕の中で息を引き取った後だった。最愛のエルザを失った夫人はジョージの胸の中で泣き崩れた。死因は伝染病らしい。その上、エルザの旦那は密猟者に殺されたらしい。となれば残された3匹の子ライオンたちは……。両親に死なれた3匹は、野生の中で生きていく事はとてもできないはずだ。アダムソン夫妻は早速、リトル・エルザ、ゴーパ、ジェスパの3匹の捜索にかかった。数日後、子供たちが、エルザのお墓にやってきたのを発見したが、茂みの中に逃げ込んでしまった。時がたち、ジョージはキャンプを離れなければならなかった。それからしばらくして、子供たちが、タナ渓谷にある村を襲おうとしているという情報が入り、2人は現地に急行した。何とか彼らを人家から遠ざけ、安全な場所に移さなければならない。2人は3匹を捕まえて、保護地区のセレンゲティへ送り込むプランを立て、さっそく実行に移した。彼らはしばしば村に現れ人家に入り込んで女子どもを驚かせた。上司のケンドールからは、30日以内に何とかしなければ3匹を射殺せざるを得ない、という最後通知を受けた2人は焦った。3つの檻を使ってワナを作ったが、その成果はかんばしくなかった。時間は容赦なく過ぎていき、3匹の子ライオンを同時に檻に入れる事は不可能のように思えた。ある夜、アダムソン夫妻のキャンプを洪水が見舞った。キャンプは水びたしとなり、車は泥につかった。しかし、3匹の子ライオンは檻の中で雨やどりしたまま眠っていた。ジョージは胸を踊らせて、茂みに飛び込んでロープを引いた。だがロープを巻きつけておいた木の枝が豪雨で折れてしまい、檻の入口がしまらないのだ。おかげで3匹は逃げてしまった。残された時間はあと3日しかなかった。夫妻は、あきらめかけてキャンプに戻ろうとすると、3匹が一緒に檻に近づこうとしていた。今度こそ成功だった。翌日、一行はセレンゲティの禁猟区に到着した。いよいよ別れである。エルザの子供たちは、新しい環境におどおどしているようだった。檻を最初に出たのはジェスパーで、後にゴーパとリトル・エルザが続いた。「さようならジェスパー」。やがて、エルザの子供たち、3匹の兄妹は新しい自由の地に向かって去っていく。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャック・コーファー
- 脚色
- ミラード・カウフマン
- 原作
- ジョイ・アダムソン
- 製作総指揮
- カール・フォアマン
- 製作
- ポール・ライディン
- 撮影
- ウォルフガング・スシッキー
- 音楽
- ソル・カプラン
- 編集
- Don Deacon
- 字幕
- 東北新社