ウルガ

劇場公開日:

解説

モンゴルの大草原に暮らす羊飼い一家の日々の営み、生き様を描いたドラマ。91年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞受賞。監督は「黒い瞳(1987)」のニキータ・ミハルコフ、スーパーヴァイジングプロデューサーは「シラノ・ド・ベルジュラック」のミシェル・セイドゥー、エグゼクティブ・プロデューサーはジャン・ルイ・ピエル、脚本はルスタム・イブラギムベーコフ、撮影はヴィレン・カルータ、音楽はエドゥアルド・アルテミエフが担当。ロシア語監修はウサミ・ナオキ、モンゴル語監修は鰐渕信一。

1991年製作/119分/フランス・ソ連合作
原題または英題:Urga
配給:シネセゾン
劇場公開日:1992年7月25日

ストーリー

中国の内モンゴル自治区に広がる大草原。馬にまたがったゴンボ(バヤルト)が妻のパグマ(バドマ)を追いかけている。ゴンボが手にしているのは_ウルガ_と呼ばれる長い棹のような道具で、これを草原に刺しておくと、_恋人たちの情事を邪魔するな_というサインになる。だがゴンボは妻に拒まれてしまう。遊民族のゴンボ一家には既に3人の子供がおり、パグマはもう4人目は要らないという。モンゴルの法律で子供は3人まで、中国ではひとりまでと決められているのだ。だが、チンギス・ハーンに憧れるゴンボは、彼と同じように4人の子供を持ちたいと願い続けていた。ある日ゴンボは、草原の中でトラックを河に突っ込んで立往生しているロシア人セルゲイ(ウラジミール・ゴストゥヒン)に出くわし、家に連れて来る。遊牧民の住まい、ゲル(パオ)でセルゲイは手厚くもてなされ、言葉の壁を超えた厚い友情で結ばれた。その夜、ゴンボは再び妻に迫るが拒まれ、「避妊具があるならいい」と言われる。ゴンボはそんなものの存在を知らないが、町育ちの妻は、町へ行けば避妊具もテレビもあるのだと教える。あくる日、ゴンボはセルゲイと町へ出かける。久しぶりに町に出て、遊牧民の生活にも文化がどんどん入り込んできたことを感じるゴンボ。だが、恥ずかしくて避妊具は買えなかった。テレビと自転車と帽子を買い、ゴンボはセルゲイとディスコに飲みに行く。セルゲイが起こした騒動の後片付けに奔走した後、ゴンボは荷物を抱えて草原に向かう。うたた寝したゴンボの夢に、チンギス・ハーンが現れ、“おまえはモンゴル人ではない”という。そのハーンの顔は叔父のバヤルトで、隣にいる女は妻のパグマだ… 。目を覚まし、ゴンボは家に帰る。風力発電につないだテレビに一家5人が見入る。「私の頼んだものを買ってきた?」と尋ねる妻に、「いや、売り切れだった」と答えるゴンボ。そんな夫を見て、パグマは黙って草原へと出ていく。その後をゴンボは無言で追いかける。そして時は流れ、ゴンボの4人目の子供の回想するナレーションで物語は閉じる。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第65回 アカデミー賞(1993年)

ノミネート

外国語映画賞  

第50回 ゴールデングローブ賞(1993年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  
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映画レビュー

5.0これ観てモンゴルへ行った

2022年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

映像が素晴らしい
音楽と風の音が素晴らしい
人々の佇まいや遠くを見るその視線が素晴らしい
映し出されるモンゴルの大地には何か強い精神があり、畏怖を感じる。

この最後の感慨の何?を確かめたくて、鑑賞の3年後1995年に大阪からウランバートル〜ハラホリンまで行ってきました。本当に遥かな大地だった。ついでに人生最大の下痢も体験した。夜のオオカミの鳴き声を今も覚えている。
この映画では消えゆくソ連からの影響を大きく、また来たる未来としての日本がほんの少しだけ言及されるが、行ってみたらそれはそのまんま本当だった。観てから30年たっても、まだその時の感覚がよみがえる素晴らしい映画です。

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keebirdz

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