宇宙空母ギャラクティカ サイロン・アタック

劇場公開日:

解説

一千年に及ぶ人類と機械人間サイロン帝国との戦いの末残された宇宙空母艦ギャラクティカを中心とする宇宙コンボイ軍団が、先祖を同じくする遥か彼方の惑星地球をめざし戦い進む様を描くSF映画。製作総指揮はグレン・A・ラーソン、製作はドナルド・ベリサリオ、とデイビッド・J・オコンネル、監督はTV界出身のビンス・エドワーズとクリスチャン・ナイビー。ケン・ペタス、グレン・A・ラーソンとマイケル・スローンの原案を基にグレン・A・ラーソン、ジム・カールソン、テレンス・マクドネルが脚色。キャラクター創作はグレン・A・ラーソン、撮影はフランク・サッカリーとH・ジョン・ペナー、音楽はステュー・フィリップスが各々担当。出演はリチャード・ハッチ、ダーク・べネディクト、ローン・グリーン、ロイド・ブリッジス、ハーバー・アーソン・ジュニア、ジョン・コリコス、マレン・ジェンセン、ローレット・スパングなど。

1979年製作/アメリカ
原題または英題:Mission Galactica: The Cylon Attack
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1981年6月13日

ストーリー

人類は、人類の宿敵、機械人間のサイロン帝国と1千年以上に渡る戦いの末、12の植民地惑星を全て滅ぼされた。残されたのは220以上の宇宙船を率いる巨大な宇宙空母ギャラクティカだけで、年老いた艦長、アダマ長官(ローン・グリーン)以下、一握りほどの隊員が残されただけで、今や燃料も底をつき、宇宙をさまよっていた。そんな時、宇宙パトロールに出たまま行方知らずになっていたアダマ長官の息子、アポロ大尉(リチャード・ハッチ)は、スターバック中尉(ダーク・ベネディクト)と共に、まだ生存していた宇宙空母ペガサスの艦長ケイン(ロイド・ブリッジス)に連れられ戻ってきた。ケイン長官は頑固な司令官で、優秀なパイロットでもある1人娘がいた。ケインは、隊員たちの憧れの的であるブロンド美人の軍人カシオペア(ローレット・スパング)を愛していた。ギャラクティカの隊員たちに歓迎されたケインは、早速サイロン攻撃を実行に移そうとするが、アダマ長官は負けることが明白な現状では少し様子を見た方が良いとなだめた。燃料の尽きたギャラクティカは、ペガサスから燃料を分けてもらい、その結果、アダマがペガサスの指揮権を得た。一方、クローム製の甲冑で身を固め、眼から赤い光線を発する凶悪な機械人間、サイロンの惑星ゴモレでは、人類を裏切ってサイロン側についた総統バルター伯爵(ジョン・コリコス)がギャラクティカ襲撃の準備を進めていた。バルターの攻撃に備えて、アダマが打ち出した計画は、スターバックら少数の隊員が戦闘機で敵の惑星に赴き、コントロール・センターを破壊して対空砲台を無力化させ、燃料を奪うという計画だった。戦闘は開始された。途中アダマが重傷を負うが、レーザーによる手術をうけ、カシオペアの看病で一命を取りとめる。この計画は見事に成功し、ギャラクティカを中心とする宇宙コンボイは、再び、宇宙に旅立つのだった。

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映画レビュー

3.0『GALACTICA-ギャラクティカ-』2003版の方の評価です。

2008年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 テレビシリーズといっても、映画並みの予算で製作されており、
 米エンタテイメント情報誌“Entertainment Weekly”は2007年5月、「この25年間で最高のSFドラマ・ベスト25」の第2位に本作を選出、アメリカ最大のTV誌“TV Guide”が2006年の最優秀ドラマ10本の1本に選出し、「SFドラマだけでなく、現在放送中のあらゆるドラマの中で最高傑作!」と絶賛するなど、 SFファンのみならず、米メディアをも魅了し、今なお多くの注目を集めている作品のDVDが発売となりました。

 先週試写会を見てきましたので、後ほど作品を紹介します。

 以下はまだ、書きかけです(^^ゞ

 全滅させられる宇宙艦隊。逃げ惑う残された5万人の人類と無防備な船団。そしてそれを守るのはたった一隻の宇宙戦艦 『ギャラクティカ』号。
 絶望の中に13番目のコロニーとして太古あったと言われている伝説の星「地球」目指して逃亡の旅に出る話となると、なにやら『宇宙戦艦ヤマト』の話に近いなぁと思ってしまいました。

 この作品では、スターウォーズと違って、戦闘シーンは少なめに、むしろ『24』のような緊迫した中で浮かび上がる人間ドラマに力を入れてています。だから見応えがぐ~とあるわけなんです。
 絶望的な状況ときこそ人間心理や性が浮かび上がってきます。死に直面して生を実感する命のドラマなんです。特に戦闘第一とするアマダ艦長と人命第一とする息子であり部下でもあるアポロと相克と和解はグッと来ました。

 また、現代社会の闇を映し出す寓話でもあります。
 『ギャラクティカ』号が敵の攻撃から逃れられたのは、時代遅れのローテク艦であったことが幸いし、ハッキングによる防御システムの破壊とは無縁に生き残ることが出来たことはね何とも皮肉なことかと思いました。
 ハイテク化された各艦とは、情報化社会の脆さの象徴です。そして人類が生み出し、自らを破滅に追い込む機械生命体サイロンとは、生命をもてあそぶ、行き過ぎたバイオ研究に対する警鐘ではないでしょうか。
 サイロンは、単なる凶悪ロボットではありませんでした。それは、経済効率や享楽を追求する人間から虐げられてきた存在なのです。飽くなき欲望の果てに、その「報い」が天から降り注ぐのです。「報い」という点では、映画『ミスト』にも繋がる終末論的なテーマです。単純な善悪バトルではなく、西洋の文化には、必ずこのような「究極の裁き」というテーマが含まれています。神の領域を侵した人間が救済される意味を問いかけながら、残された船団は逃げ続けているのです。
 その姿は「約束の地」を目指す旧約聖書の世界そのものでもあると思いました。

 そして仕掛けに満ちた巧みなストーリーテーリングです。
 新型のサイロンは人間そっくりに化けることが出来ます、そんな設定はこれまでのスペース・サーガにはなかったことです。
 作品中、したり顔で作戦に参加している誰かが、実はサイロンなのですが、怪しそうな人物が二転三転し、いったいだれがサイロンなのか全く気がつきませんでした。
 ラストで明かされるサイロンはあいつだ!ということが分かったとき、その意外性に驚きました。この仕掛けは、後半すごく緊張感を生みました、
 人間に化けられるサイロン。このサーガの重要なスパイスとして効いていましたね。

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流山の小地蔵