ヴァージン・フライト

解説

はずれ者の中年男と難病で車椅子の身ながら過激な女の奇妙な愛をオフビートなタッチで描いたラヴ・ロマンス。監督は『Ressurected』(日本未公開)『ルパート・グレイブス 極悪非道』(V)の新鋭ポール・グリーングラス。脚本は本作がデビューとなるリチャード・ホーキンス。製作はヘレナ・スプリングとルース・ケイレブ。製作総指揮は「カルラの歌」のアナント・シンと「フェイス」のデイヴィッド・M・トンプソン。撮影は『Ressurected』のイヴァン・ストラスバーグ。美術はメラニー・アレン。編集はマーク・デイ。出演は「鳩の翼」のヘレナ・ボナム=カーター、「相続人」のケネス・ブラナー、「オスカー・ワイルド」のジェンマ・ジョーンズほか。

1998年製作/103分/イギリス
原題または英題:The Theory of Flght

ストーリー

保護監察処分の代わりに裁判所から120時間の社会奉仕活動を命じられたチンピラ強盗のリチャード(ケネス・ブラナー)は、MND(=運動ニューロン疾患)なる難病のため車椅子の身の上のジェーン(ヘレナ・ボナム=カーター)の世話をすることになった。重病人ながらわがままで皮肉屋で過激な言動のジェーンに悩まされるリチャードだが、ジェーンはほかのボランティアとはひと味違う彼に心を開き始める。一方、画家の夢に挫折し、恋人とも別れ人生を再出発しようとしていたリチャードは、いつしか「空を飛べばなにかが変わるかもしれない」という強迫観念にとりつかれ、飛行機をつくりはじめた。さてある日、ジェーンはリチャードに処女を捨てる手伝いをしてほしいとせがんだ。残りわずかな命の彼女は18歳で発病する前に処女を捨てられなかったことを後悔していたのだ。最初は断ったリチャードも彼女の熱意にほだされ、相手となるジゴロを見つけるが2000ポンドの費用がかかると知って、銀行強盗を計画。ところがいざ決行しようとした段になってジェーンは泣いてそれを制止。彼女が本当に求めていたのはセックスではなく愛されることだった。リチャードはひと晩ジェーンに添い寝した。翌日、リチャードはおんぼろ飛行機にジェーンを乗せて空へ飛んだ。たった数十秒しか飛行できなかったが、それはリチャードはもちろんやがて死にゆくジェーンにとっても人生最高の時だった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

4.0踏み込んだ題材

2020年1月31日
iPhoneアプリから投稿

難病で動けなくなっていく少女のロストヴァージンという願い。避けがちなテーマをポップに描いていて素敵だなと思いました。面白いですし。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ルービックキューブ